■今号のスゴい★PR
112年の歴史ある団体が方針転換。
ガールスカウトの人気クッキーが
ついにオンラインで購入可能に!
|スゴい★PR《世界のマーケティング最新事例》
読者の皆様、こんにちは。
「Girl Scouts/ガールスカウト」に参加していたことのある方、
また団体やその活動と何らかの形でかかわったことのある方は
いらっしゃいますか?
アメリカでは、1912年の設立以来112年の歴史を誇る同団体は、日本
でも1920年に活動が開始されるなど、世界中で145の国と地域、1000万人
以上の団員が所属しています。
アメリカでは、200万人ともいわれる女子が参加している同団体。
(日本では47都道府県約4万人)
団員の年齢や成長のステージに応じた様々な活動への参加を通して、
人格向上、人生で役立つスキルの習得などを支援し、社会に貢献できる
女性の育成を目指しています。
Picture:Screen shot of Girl Scouts Organization Official Website
※Girl Scouts Organization Official Website
http://www.girlscouts.org/
さて数あるガールスカウトの活動の中で、最もアメリカ人が楽しみに
しているものといえば・・・
「ガールスカウトのクッキー」
です。
アメリカ人に、「好きなガールスカウトクッキーは?」と聞くと、
たいてい瞬時に答えが返ってくるくらい、老いも若きも、そして
男女問わず人気のものです。
同団体のウェブサイトにもガールスカウトクッキーのページがありますが、
例年1月から3月がクッキーの販売が行われる季節。
この時期には、スーパーの店先などで、親御さんに付き添われた少女たちが
ガールスカウトクッキーを販売する姿を多く見かけます。
Picture:Screen shot of Girl Scouts Organization Official Website
Picture:Screen shot of Bloomberg Businessweek
余談ですが、アメリカで一番人気なのは、「Thin Mints」という、チョコミント
味のクッキーにチョコがけされたもの。
他にも写真のようなラインナップがあります。
Picture:Screen shot of Girl Scouts Nation's Capital
さて、このクッキーを販売のする目的はというと、「団体の資金集め」とともに、
「クッキーの販売を通して団員たちが物を売る経験を得て、お金やビジネスに
ついて学ぶ」という事なのだそうです。
そしてこれまでは、スーパーや路上などでの販売や、ご近所さんなどへの
ドアtoドアの訪問販売、そして団員の親御さんが職場や友人知人に購入を
呼びかけて子どもをサポートするのが主だった販売方法でした。
私も、昨年・一昨年と、子どもが団体に参加している友人の夫婦から、
どの味が何箱いるかという希望を聞かれ、事前に注文をしました。
参加している子どもたちには、それぞれ売り上げ目標があり
それを達成することは名誉であることから、親も子供も必死です。
そして、インターネットやSNSの普及と子どもたちへの浸透とともに、
オンライン上でクッキーの販売を告知したり、SNSを活用する
子どもたちが出てきました(有名なのは、「Honey Boo Boo」など)。
が、昨年まではガールスカウトはこれらの活動を発見すると、即座に
取りやめるよう指示し、また広く禁止の告知を出していました。
※Honey Boo Booの経緯を報道した記事はこちら
http://www.foxnews.com/entertainment/2013/03/01/thin-mint-mess-honey-boo-boo-banned-from-selling-girl-scout-cookies/
しかし、そんな団体の方針も時代の流れには逆らえず、2014年12月、
ついに、ガールスカウトクッキーをオンライン上で販売するという
決定を、「Digital Cookie」というプラットフォームの導入とともに
発表しました(ウェブベース、モバイルベースの2種)。
ウェブベースのプラットフォームでは、団員は個人のクッキー販売
ページを持つことができます(団員の氏名や居住エリアは非表示)。
そして、自分がどんな目的でクッキーを販売するのかというビデオ
などもアップロードできるのだそうです。
Picture:Screen shot of NY Times
※Click for cookies: Girl Scouts go digital
この歴史的な決定は、各メディアがこぞって報道。
ただし、「Digital Cookie」の使用を団員に許可するかどうかは、
地区のガールスカウト団体に一任されています。
そして、オンラインで実際に購入できるのは、子どもたちの両親に
よって事前に承認されたユーザーのみ。
まだまだ制限が厳しいようにも感じますが、この「Digital Cookie」は
Facebookとシンクするということもあり、両親などのSNSのネットワーク
を通じて、オンラインクッキー販売の輪は広がっていく可能性が
あるようです。
より多くを売り上げたい子どもたちと、お気に入りのクッキーを間違いなく
手に入れたいクッキーファンの両者にとって、嬉しい変化となった
今回の米ガールスカウト団体の舵取り。
昨年は1000箱のクッキーを売り上げたという、マンハッタンに住む9歳の
Zack Bennettちゃんは、今年は1500箱を目標にすると、新たに導入された
「Digital Cookie」のトレーニングを受けて意気込んでいるそうです。
※ニュースソース
※Businessweek
http://www.businessweek.com/articles/2014-12-01/buying-girl-scout-cookies-online-thin-mints-finally-reach-the-web
※CNN Money
http://money.cnn.com/2014/12/01/technology/girl-scout-cookies/
※Fortune
http://fortune.com/2014/12/01/girl-scout-cookies-online/
■編集後記■
読者の皆様、こんにちは。スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。
2014年も残すところあと数日となりました。
この一年、当ブログ「スゴい★PR」をご愛読いただきまして
本当にありがとうございました。
来年も、様々な話題を読者の皆様にお届けできるように精進してまいります。
よいお年をお迎えくださいませ。
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