グランウンド・ゼロで物議を醸す米ユナイテッド航空のキャンペーン広告 | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

■今号のスゴいPR事例■


今回はアメリカから、「Disaster/Tragedy(災害/悲劇)」に絡んで、企業が
行った活動の失敗事例並びにその対応を紹介したい。


米United Airlines(ユナイテッド航空)は、そのプロモーション活動がメディア

に指摘された後、多くの市民の批判を受け、その活動を中止、謝罪しなくては
ならなくなったのである。



ユナイテッド航空は、スターアライアンスの中心的な航空会社で、設立は
1926年。アメリカはイリノイ州シカゴに本拠地を置き、世界200都市以上への
運航を行っている。


※United Airlines Website
http://www.united.com/


ちなみに同社、もともとは、「ボーイング社」の創始者によって設立された、
「ボーイング・エアー・トランスポート」が母体。第二次世界大戦以前から、
アメリカン航空と首位を争う、アメリカ国内線最大手の一社として君臨し、
1980年代以降は、太平洋路線への本格参入を果たし、その後はアジア、
ヨーロッパなど世界各国へその運航範囲を拡大してきた。



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しかし、「ユナイテッド航空」と言えば、皆さん覚えているだろうか?


あの、2001年のアメリカ同時多発テロが発生した時、同社の国内線、175便と
93便がハイジャックされて、テロに使われてしまったのだ。


同テロを受けて、同社の利用客は激減し、一時は連邦倒産法第11章の適用を
受けるまでに経営が悪化したが、その後様々な企業努力によって持ち直して
きている。


そんな、「9.11」の甚大な影響を、アメリカのどの企業よりも受けていたで
あろう、また痛感していたであろう同社が、NYの人々や、また同時多発テロで
被害に遭った遺族や生還者の気持を逆なでするような広告を、展開して
しまったのだ。


「グラウンド・ゼロ」から通りをはさんだところにある地下鉄の駅への入り口に
表示された同社の広告には、


「You're going to like where we land.」


と、同社の新しいロゴをデザインした背景に表示されている。



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同社は、コンチネンタル航空との合併を行い、ちょうど新しいロゴの発表、
機体のデザインの一新等と合わせ、ブランディングキャンペーンを、全国的・
また世界的に展開しているところだったのだ。



この「あなたは、私たちが着陸する場所を好きになるでしょう」という文句。
例えば、私たちが成田空港や、雑誌の中等で目にしたとしても、嫌悪感を
抱くようなことはなかっただろう。


もちろん、今回問題になった場所以外でも、NYやアメリカ国内で同じ文句・
広告を掲出している。しかし、このグラウンド・ゼロの広告は、あるNY在住者
によって、インターネットで報告された後、NBCによって大々的にレポート
され、多くの反感を買う事となったのだ。



ちなみに、同社が「9.11」に絡んだ痛い失敗を行ったのは、先述のキャンペーン
広告だけではない。


つい先日、同社と合併をしたコンチネンタル航空の便名に、「故意にではない」
のだが、「175便」「93便」という、同時多発テロに遭遇・利用された便の数字が
割り当てられてしまっていたのだ。


※「航空便名のへま」を報じた記事
http://newsfeed.time.com/2011/05/18/flight-number-flub-unitedcontinental-accidentally-reinstates-flights-93-and-175/


このように、立て続けに「9.11」という痛ましい出来事に絡んで、人々の
気持ちを不快にするアクションを起こしてしまった同社ではあるが、メディアに
レポートされるや否や、謝罪声明を発表し、また同広告の撤去を約束した。



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迅速に対応する事で、その後のメディアのレポートや、人々のブログ、批評など
では、「謝罪を行った事実」「謝罪内容」「撤去を行う事実」も合わせて
報じられることとなり、その後の悪い影響が急速に拡大することをかろうじて
防げている。


※同広告とその撤去を報じたTV番組
http://www.youtube.com/watch?v=MABWM-XJC1I


今回の事件を取り扱ったTV番組に寄せられた視聴者からのコメントにも、
「全くもって不適切だ」との指摘も多いが、「故意ではないだろう」といった
意見や、「過敏になりすぎなのでは?」という、同社に同情的な意見も
寄せられている。


とは言え、全国的なキャンペーンや、世界規模での広告展開を行う際には、
様々な価値観や背景をもった人々がその受け手として存在するということ、
また場所によって、人によっては、それが「不適切」なメッセージとして
取られかねないということは、常に意識しなくてはならない。



■今号のPRの切り口■


1)ネガティブなニュースほど伝播が早い。迅速な謝罪と対応が、ブランド・
企業を救う。

2)カスタマーや世論に多大な影響を与える、メディアへの対応、情報開示を
上手に行うこと(メディアコントロール)が、不祥事発生時には重要。



■今号の目ウロコ度■

 

  3ウロコ
  
  「Bad news travels fast.」

 

  =悪事千里を走る


■More News and Trends/Editor's Eye■


・5月21日の「Judgement day=人類の審判の日(最後の日)」は過ぎたが、
実はまだまだその恐怖は続く?
http://judgementday2011.com/


・未稼働の原子力発電所を「観光名所」に。原発の安全性や危険性を学び、
啓蒙する場として、フィリピンの観光省が名乗り。
http://www.eturbonews.com/22800/philippines-turning-nuclear-power-plant-tourist-site


・ハーバード大学の数学者がオンラインデートサイトを分析。成功の秘訣は、
プロフィール写真での「こび」と「つれない態度」?
http://www.latimes.com/health/la-he-ok-cupid-20110523,0,1937093.story


■編集後記■


 メルマガ読者の皆様、こんにちは。編集担当の秦泉寺(じんせんじ)です。


 去る5月21日(土)は、「Judgement day」と呼ばれ、とりわけ欧米では
 人類最後の日に向けた審判の日として、何が起こるのか、様々な憶測や
 噂が飛び交っていたのを、皆さんはご存知でしたでしょうか?


 私も、アメリカ人の知人に指摘されるまでほとんど無知だったのですが、
 結果的には、何事もなく過ぎて、後からながらほっとしています。


 しかし、地球滅亡とは言わないまでも、世界各地で自然災害が頻発して
 います。アメリカ南部の、竜巻・洪水の被害もかなり甚大なものとなって
 いるようです。


 アメリカ国内では、数多くの企業が被災者の支援、街の復興支援のための
 寄付活動を展開。ある、衛生用品の大手ブランドは、歯ブラシや歯磨き粉
 などの物資をいち早く被災地に届けたり、と、それぞれの企業の特性を
 いかした、CSR活動が展開されているようです。

  
※マーケティングPR ~PR/広報のお役立ちコンテンツ~
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