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■シンガポールの軍隊事情(1/2)
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こんにちは。林竜三です。
先月3月11日に発生した東北関東大震災で、被災者の救援活動や原発事故への
命がけの対応にあたる自衛隊の方々の献身的な姿に、感謝の気持ちと頼もしく
好意的な感情を持った方も多くいらしたのではないでしょうか。
しかし平時には、自衛隊や軍隊に対し、その存在意義や予算問題等への人々の
関心や理解はあまり深いとは言えません。またその活動に賛否両論こそあれ、
否定的な意見やネガティブな感情を持つ人が多いのも事実ではないでしょうか…。
日本でも昨年11月の参議院予算委員会で某国会議員が自衛隊のことを
「暴力装置」と発言して物議をかもしたのも記憶に新しいところですね。
軍隊や軍縮に対して、様々な立場からの意見があることは別の議論として、
諸外国ではその存在意義や活動を、どのように国民にアピールし、また理解を
してもらおうとしているのでしょうか?
もちろん軍隊となるとその国の歴史や経済状況等その国を取り巻く背景による
ところも大きいのですが、PRの切り口からその一つの事例として先頃メディアに
掲載されたシンガポール軍(陸軍)の取り組みをご紹介したいと思います。
(シンガポール軍のサイト)
▽http://www.mindef.gov.sg/imindef/mindef_websites/atozlistings/army/home.html

現在、陸海空3軍で合わせて2万人の兵力を持つシンガポール軍は、1971年に英軍が
撤退した後に編成されました。マラッカ海峡を望む地政学的に重要な位置にあること、
また経済力が強いことから、小規模ながら近代的な装備を所有していると言われています。
(一部ウィキペディアより)
シンガポールの人口は約500万人(内永住者は400万人弱)なのですが、17歳になると
2年間の徴兵制度を採用、兵役終了後も13年間の予備役につくことになっており、
ほぼ全ての国民が、何らかの形で「軍隊(軍人)」と関係性があると言えます。
■「私たちの」から「私の」へ (2/2)
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つまり、実際に兵役につく男性本人はもちろん、彼らを送り出す両親や姉妹、
また彼らをボーイフレンドとする女性達など、人間関係のツリーをたどれば、
ほぼ全シンガポール国民にとって、「軍(軍人)」は他人事ではありません。
そうした事情を踏まえシンガポール軍、その中でも特に陸軍は、その設立の当初から、
明確なコンセプトを持っており、特に近年はそれを一貫して全面に打ち出しながら、
軍隊のPRに取り組んできました。
そのコンセプトとは「Our Army=私たちの陸軍」。この「私たちの」という表現は
同軍のHP上でも、「Our Army」「Our Forces」「Our Story」等で随所にみられますし、
同国でも「シンガポール陸軍」とは呼ばず、常に「Our Army」と呼んでいるようです。
そのシンガポール陸軍が先頃PR用素材として放映したTVCMのシリーズでは、国民
一人一人にその存在への理解と愛情を、より深めてもらうことを目的とし、軍人と、
メッセージの受け手の「関係性」を切り口として制作されました。
このシリーズはそれぞれ「My Boyfriend(私の恋人)」、「My Brother(私の兄弟)」、
「My Son(私の息子)」と題したものがあり、これまでの「私たちの」から「私の」へと、
よりパーソナルで個人個人の感情と経験に訴える内容に仕上がっています。
※My Son/Our Army 2010
▽http://www.youtube.com/watch?v=KpbOmChsNh0
※My Brother/Our Army 2010
▽http://www.youtube.com/watch?v=4a_P2mOAzb0&feature=related
※My Boyfriend/Our Army 2010
▽http://www.youtube.com/watch?v=fdJYTFCJpQQ&feature=related
シンガポール軍は彼らの活動の詳細を説明したり、またその存在意義を政治的・
地理的な意義の側面から訴求するのではなく、同軍一人一人の大切な兵士と国民
個々との結びつきを再認識させることで、その存在をアピールしています。
みなさんは自社のブランディングを進めるなかで、
機能(存在意義)ではなく感情(結びつき)に訴えかける工夫はしていますか?
☆──[ここがポイント]────────────────────┐
│
│ 1.存在意義ではなく、結びつきを訴える
│ 2.わかりやすいキーメッセージを用意する
│ 3.「好き」の反対は「無関心」
│
└───────────────────────────────☆