■今号のスゴいPR事例■
アメリカで最近話題となっている、外食産業の取り組みを紹介したい。
既存の同種競合のいないところへの新規参入であるのだが、「困難」が
つきまとうだけに、その挑戦が一層メディアからの注目を集めている。
一体、どのような「困難」に対するチャレンジなのだろうか?
日本でも、福岡の中州や、縁日やイベントでの「屋台」を中心に、誰でも
一度は利用したことがあるであろう、「移動式の食べ物販売」についてだ。
日本、韓国、中国や東南アジア各国では、「屋台」がその「食文化」でも
あり、数多く存在する。既に調理された商品を屋外で販売しているだけ
ではなく、その多くは、屋台に調理場を備え、そこで注文を受けてから
調理して提供するフレッシュなものだ。
アメリカでも、オフィス街、キャンパスでのランチ時のホットドッグや
サンドウィッチの販売や、スポーツ会場や遊園地でのポップコーン、
タコス、ハンバーガーなどの販売など、全米の各所で移動式での食べ物の
販売(ベンディングカート/ワゴンでの販売)が行われている。
しかし、州によってその営業許可には規制があり、また州の方針として、
食品衛生、公衆衛生上の問題から、それをあまり良しとしていない
ところもある。
ちなみに、アメリカの大都市の中で、最後の「未開の地」とされているのが、
ミシガン湖の南西岸に位置する、全米ナンバー2の経済・金融の拠点である、
イリノイ州の最大都市、シカゴだ。
人口約290万人のこの都市は、昼間のオフィス人口をターゲットとした、
ランチ販売等をはじめとして、移動式の食べ物販売を行うにあたり、とても
魅力的な市場なのだ。
しかし、日本でもその営業にあたっては、地方自治体の営業許可や、道路使用
許可の取得、使用料の支払い等が必要であり、また様々な規制が存在するよう
に、シカゴでは路上で食物を調理、準備することは条例で規制されているのだ。
これに、一矢を報いているのが、Matt Geller(マット・ゲラー)氏がCEOを
務める、「Gaztro-Wagon 」だ。同社は、現行のシカゴの条例のもとで、
日替わりで場所を移動しながら、新鮮な「naan-wich(サンドウィッチの
ようなもの)」の販売を昨年の夏から始めた。
ちなみに、「naan-wich」は、ちょっともちもちした生地自体に甘みも感じ
られるブレッドに、新鮮な野菜や、肉、ロブスター等のちょっとリッチな
具材をサンドした「グルメサンドウィッチ」だ。
※Gaztro-Wagon
http://www.gaztro-wagon.com/Gaztro-Wagon/Home.html
マット氏は、もともと名だたるレストランでシェフとして働いていた、輝かしい
経歴と技術をもつ。それだけに、単に「安い・早い・便利」な移動式販売では
なく、その「美味しさ」もシカゴの人々の心をつかみつつある。
価格帯は、メインとなるnaan-wichが7ドル~12ドル。その他デザートや
サイドメニューが2ドルから5ドル。飲み物が1ドル~2ドルで提供されている。
シカゴでは、路上での食物販売に対する「あいまいな」条例、規制が存在
するのだが、先述のとおり、「生ものから調理を行うこと」は禁止
をされている。しかし、逆に言うと、「そこで調理を行わなければ、販売
をしても良い」と言えなくもない。
そのため、マット氏は事業の立ち上げ当初、毎日300個以上の「naan-wich」を
準備し、それぞれの具材を調理、プレパックする形で販売に臨んだ。
昨夏からの販売スタートに際し、マット氏は、シカゴ市会議員である、
Scott Waguespack氏に接近。シカゴ市の路上での食べ物販売を認めるよう、
現行法を改正する草案を託した。
その後、この草案は審議を経て、この春から公聴会が実施される予定と
なっている。
現在この移動式販売、「レストランにも負けない、グルメだ!」とシカゴっ子
の間で話題になってきており、シカゴの条例が変わる日もそう遠くはないの
ではないかと言われている。
※「naan-wich」について取り上げたブログ
http://veggiebingo.wordpress.com/2010/08/22/bingo-10-night-of-the-naan-wich/
※「naan-wich」について取り上げた記事
http://www.leftbanklife.com/2010/12/08/chicagos-gaztro-wagon-serves-up-gourmet-naan-wiches-on-the-go/
つまり、昨年より今回の取り組みに対し理解のある市会議員に接近し、
一定の公の影響力をもつ有力者を味方につけながら、合法的な活動として
認められるよう運動を展開。またその一方で、現行法のもとで最大限
できる範囲での販売活動を展開しながら、市民を味方につけてきたのだ。
また、「移動式販売」は初期投資が少なく、料理学校を出た新進気鋭の
料理家や、独立志向の強い様々な才能あふれるシェフたちにとっては、
絶好の起業、開業のチャンスでもあるという理論で、若い料理学校の
学生や、シェフたちの支持も徐々に集めている。
今後、公聴会を経て、もしシカゴ市でも路上での食物調理・販売が正式に
認められることとなったら、無論、全米の各都市で移動式の食べ物販売を
行う業者も参入するであろうが、このパイオニアであるマット氏の
「naan-wich」が既に、確固たる支持と地位を築きつつあることは
間違いない。
■今号のPRの切り口■
1)ユーザー(大衆)の支持を得たムーブメント、社会現象はニュースになる
2)地道に頑張ってる会社やお店の情報は思った以上にメディアは求めている
■今号の目ウロコ度■
4ウロコ
「Facing a wall for nine years in meditation」
=面壁九年
■More News and Trends/Editor's Eye■
・「バーベキュー万歳!」の肉食文化圏へ、「ヘルシー」を武器に外食
チェーンが新規参入。ノースカロライナ州で受け入れられるのか?
http://www.qsrmagazine.com/news/saladworks-healthy-eats-move-barbecue-country
・「今使える」「すぐ使える」「必ず使える」を確約するオンラインクーポン
http://www.promomarketing.info/beforeishop-launches-online-voucher-codes/P004251/
■編集後記■
メルマガ読者の皆様、こんにちは。編集担当の秦泉寺です。
東京でもついに桜がちらほらと開花しはじめましたね。
節電の影響で通りのネオンサインや看板の照明が落ちて、少しいつもより
暗くなったストリートの、まばらについた街灯にぼんやりと白く浮き上がる
桜の花がなんとも幽玄な雰囲気です。
さて、ここ東京では「お花見を控えよう」という動きが、都知事の発言
を受けて広がっています。有名なお花見スポットでは、軒並み「お花見
自粛」を促す告知が掲出され、また仮設トイレやごみ箱、照明などの
設置は行わないそうです。
自治体等が主催する「さくら祭り」も、軒並み中止となっています。
この「お花見自粛」についても、賛否両論あるようですが、皆様はいかが
ですか?
私は、いわゆる「どんちゃん騒ぎ」は行わないよう自粛いたしますが、
こうして、ふとした路上で、またお昼間の公園で、一人静かに桜を愛でる
ことは「自粛」できないと思います。そして、日本を代表するこの春の
景色を眺めながら、美しい国を今後も守っていこう、また再建していこう
と前向きな気持ちになるのは、決して悪いことではないと思います。
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