■コーヒー選びは頭痛の種?(1/2)
こんにちは。林竜三です!
さて、日本でもお馴染のコーヒーチェーン店「シアトルズベスト」が、ユニー
クなネーミングの商品を導入して、話題となっています。
1968年にアメリカワシントン州のウィッビーアイランドで創業した同社。日本
にもフランチャイズの形で、1999年に上陸を果たしました。ちなみに同社の北
米事業は、現在「スターバックス」の傘下にあります。
▽http://www.seattlesbest.com/
アメリカでコーヒーを飲む習慣が定着して約40年。人口の54%がコーヒー愛飲
者だと言われる同国で、この40年の間に、様々な名前のコーヒー豆、ブレンド
スタイル、コーヒーメニューが導入されてきました。
その結果、人々は数多くのアイテムから自分の好みに合ったものを選べるバラ
エティを得た代償として、逆に「多くありすぎてどれを選べば良いのかわから
ない。」「何が違いなのか?」といった悩みも増えてしまいました。
とりわけ、朝の通勤客などの時間に追われて、ゆっくりとコーヒーを選ぶ時間
や余裕のない人たちにとっては、「ブレックファーストロースト?コナブレン
ド?どっちが良いんだ??」といった頭痛の種に…。
そんな消費者の悲痛な叫び?をくみ取って、「よりコーヒーをわかりやすく、
選びやすく、そして覚えやすい名前にしてみてはどうか?」と原点に立ち帰っ
たのが、今回のシアトルズベストの商品コンセプトとなっています。
■シンプルイズベスト!(2/2)
では、一体どのように、「シンプル化」させたのだろうか?その手法は、驚く
ほどに単純明快。単に、販売するコーヒーの名前を数字の「1」~「5」とし
たのでした。「ファンシーな名前は忘れて、簡単に数字を選ぼう!」と。
同社は今回、味の強さを1~5段階で示す設定とし、例えば最もマイルドな味
を好むのであれば、消費者は「1」と書かれた商品を選べばよく、逆に強く濃
いテイストを望むのなら、「5」を選べば良いといった具合です。
そのパッケージデザインはコチラ↓確かにシンプル~。
▽http://www.seattlesbest.com/#/levels

アメリカのABCニュースでも既に取り上げられたこの取り組みですが、実は、
消費者を困惑させ、失望させるかもしれないというちょっとした危険性も含ん
でいると同時に指摘されています。
例えば、アルコール飲料を選ぶとき、商品に記載されたアルコール度数の数字
が大きいほど、度数が高いという分かり易い図式が定着していますが、コーヒ
ーの場合は、より長くローストして深みと濃い味わいを出すほど、カフェイン
は少なくなるという事実があり、カフェイン“中毒”の人が強いカフェインを
求めようとした時に、誤った商品を選択してしまうリスクがあるということら
しいです。
とは言え、現在の小売店の陳列棚に、シンプルに「1」~「5」の数字がデザ
インされたコーヒー豆パックが並べばそのインパクトは絶大。子どものお使い
で購入させるにも、わかりやすくていいかもしれませんね。
☆──[ここがポイント]────────────────────┐
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│ 1.ネーミングはPRに直結する。
│ 2.時流(複雑)の正反対(シンプル)を狙ってみる。
│ 3.ネガティブな話題も提供する。
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