【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】
「クールビズ」、最近では日本でもこの言葉が大手企業を中心に、すっかり
浸透してきた。
連日の真夏日が続く中、確かに長袖シャツにスーツにネクタイで仕事に臨む
ことは、ある意味それだけで疲労度を増すようにも感じられる。また、
ご存知の通り、「クールビス」の推進は、「エコ」の推進と表裏一体。
冷房の設定温度を、少し下げることで大量の二酸化炭素排出を削減できる
とあって、地球環境保護のため、「チーム6%」の取り組みや声掛けを
中心に、多くの企業が「クールビズ」のシステムを取り入れ始めた。
昨今では、企業の受け付けに行くと、
「当社は6月1日から9月30日までの間、クールビズを採用しております」
などという、但し書きを目にすることも多くなってきた。
とは言え、営業や外商など職種によってはやはり「スーツにネクタイ」は
依然として必須という感覚も根強い。しかしながら、先述のとおり、
きっちりしたスーツやネクタイの着用が求められる場面が減少してきている
のは明らかな事実だ。そしてこの傾向は、日本のみならず、アメリカでも
近年顕著になってきている。
NPD(市場調査会社)によれば、2009年のスーツの売り上げは、
前年に比べて、ほぼ同等で推移した一方、ネクタイの販売数は、2008年
から18%ダウンの29万本。売り上げも、1990年代には、10億ドルを
超えていたものが、2009年には418万ドルまで落ち込んでしまったのだ。
※NPD Group Website
http://www.npd.com/
ちなみに、スーツの売り上げがほぼ横ばいで推移している理由としては、
主に就職(転職)面接のために、スーツを準備しなければならない需要が
引き続き存在していることと、ネクタイははずせども、スーツの着用は
必須であるというビジネス面での習慣に起因していると分析されている。
さて、この「クールビズ」や「ビジネス場面での服装のカジュアル化」が
進行してきた中で、大きな打撃を受けているのが、紳士服業界であり、また
その中でも「ネクタイ」部門のセールスなのだ。
確かに、毎日ネクタイの着用が必須であるとするならば、男性はネクタイを
購入せざるを得ないし、流行の変遷や年齢によって、新たなネクタイ購入の
場面も多く生まれていただろう。しかし、着用機会がぐっと減少してきた
近年では、そもそもネクタイに対する関心が低くなり、また購入の必然性
がなくなってしまったのだ。
この傾向に危機感を感じ、ただ成り行きを静観するのではなく、あえて
一石を投じようとしているのが、アメリカの衣料老舗、「Brooks Brotheres
(ブルックスブラザーズ)」社だ。
※Brooks Brotheres Website
http://www.brooksbrothers.com/
同社のコミュニケーション部門のディレクターである、Aurthur Wayne氏は、
現在の「ビジネスカジュアル」の傾向に対し、下記のようなコメントを
発信している。氏によれば、
「ビジネスカジュアルの傾向は、我々の998ドルの「Mad Men Editionスーツ」
の売り上げには影響を及ぼしていない」
というのである。つまりは、世の中には、依然として「高級でスタイリッシュ
なビジネスウェア」を望む人たちがおり、彼らがこれらのスーツを購入する
理由は、
「Style Consious」
だからなのだ。
※Mad Men Edition Website
http://www.brooksbrothers.com/madmen/madmen.tem
ちなみに、「Mad Men」はアメリカAMC(American Movie Classics)が制作
し、TVで放映中の人気TVドラマシリーズで、Brooks Brothers社が衣装提供を
行っている。
1960年代のNYの広告業界を描いたもので、マディソン・アヴェニューにある
大手広告代理店を舞台に、そこで働く人たちを中心に描くドラマだ。また、
タイトルである「マッドメン(Mad Men)」は作品の舞台であり、現在も
大手広告代理店の本社が多いマディソン・アヴェニュー(Madison Avenue)の
広告マンを指す造語。
アメリカでは2007年7月19日に放送を開始し、第4シーズンが2010年7月25日から
放送開始したばかり。日本では2010年5月から第3シーズンの字幕版がフジテレビ
NEXTで、2010年6月より吹替版がフジテレビで、それぞれ放送されている。
※Mad Men Website
http://www.amctv.com/originals/madmen/
そこで今回、同社ではこの業界の逆風にもめげず好調な売り上げを弾いて
いる「Mad Men Edition」のスーツラインに合わせて、今一度ネクタイの
重要性と、その必要性を男性に訴え、売り上げを上げる施策に取り組み
はじめたのだ。
同社のウェブサイトでは、ネクタイ関連のページを充足。ネクタイの、伝統的
な絵柄の歴史や背景、またどのようにネクタイを結べばよいのかを丁寧に
説明したHow Toコーナーなどが設けられた。
※Brooks Brothers Neckwear Website
http://www.brooksbrothers.com/timelessclassics/neckwear.tem?CMP=EMC-072210d
また、先述のとおり、「スタイルコンシャス」な男性ほど、依然としてスーツ
への依存度や関心が高いと、同社の「Mad Men Edition」のスーツの好調な
売れ行きの原因を分析しているため、同シリーズのスーツにひもづける形での、
「ネクタイ」の売り込みもスタートしている。
ちなみに、同社は多くの伝統的なネクタイの図柄パターンを、イギリスから
取り入れているのだが、そのイギリスでは最近、ネクタイを身につけること
が男性の間で盛り上がりをみせているそうだ。
イギリス、ロンドンのデイリーテレグラフのレポートによれば、「Smart Casual」
と称される、オフィスでネクタイを身につけるスタイルは、それによって、
「より仕事ができる」「プロフェッショナルにみせる」効果があり、
ビジネスでの成功を助けることになるという事実があるからなのだそうだ。
今後、Brooks Brotheres社が、世の中の男性に対して、どのようにネクタイの
必要性や重要性を説き、同社の売上シェア、ブランド力を高めていくのか
楽しみである。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「 Fine feathers makes fine birds.」
=馬子にも衣装
【編集後記】
メルマガ読者の皆様、こんにちは。担当の秦泉寺です。
いよいよ8月になりました。夏休みのご予定はみなさん、おきまりですか?
先日、新潟県苗場スキー場周辺で例年開催されている、FUJI ROCK FESTIVAL
をのぞいてまいりました。
人生初でしたが、スゴイですね。あのたくさんの人。そして、雨にもめげず、
連夜のテント生活。ヒッピーのような生活と形容するのが適切かどうかは
わかりませんが、日ごろの東京都心での生活とは全く異なった世界が展開
されていました。
また、今回の「1960年代のアメリカの広告業界=Brooks Brothersの
クールなスーツスタイル」ではありませんが、「FUJI ROCK=アウトドア
ファッションorボヘミアン/ヒッピースタイル」という、独特のドレス
コードがあるかのような、ファッションの世界観もユニークでした。
皆さま、熱中症には気をつけて、素敵な夏をお過ごしくださいね。
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