【今週の真似したいPRの切り口 FROM UK】
企業にとって、多大なるパワーと費用を投じて売った広告やキャンペーンが、
実際にどのように消費者に受け止められたのか、またそれは好印象を与える
ことができたのか、それを知ることは、無論必要であるが、同時に怖くも
あるものだ。
先日、イギリスの団体、Advertising Standards Authority(以下ASA)が、
例年恒例になっている、
「The Top 10 most complained about ads of 2009」
(2009年に最も不満の多かった広告ワースト10)
を発表し、各メディアで取り上げられている。
今回は、いつもとは少し趣を変えて、「失敗ネタ」を紹介したい。
以下が、残念ながら昨年消費者からの「不満・苦情」が多かった広告
のワースト10である。
1位: Christian Party
“There definitely is a God”
1,204 complaints
残念ながら1204の苦情を集め、1位になったのは、クリスチャン団体が
実施したバス広告だった。
http://www.christianparty.org.uk/
発信されたメッセージは、「確かに神はいます」。
実は、この広告は、6位にランクインしているイギリスのHumanist協会が
同じくバスの車体広告で発信したメッセージに答えたものだった。
ちなみにそちらでは、「“There’s probably no God”(おそらく
神はいない)」と発信されていた。
いずれにせよ、「宗教的」な広告・メッセージは、波乱を起こしやすく、
また人々にとって非常に繊細なマターであり、安易に露出することは
非常に危険だということなのである。
2位: Volkswagen
“Sometimes the only one you have to beat is yourself”
1,070 complaints
1070の苦情を集め、2位にランクインしてしまったのは、フォルクス
ワーゲン社が行った広告だった。
発信された内容は、ある男性が自分自身のクローンと戦う様子を見せながら、
「あなたが戦わなければならないただ一人の相手は、あなた自身なのです」
というものだった。
ちなみにこのキャンペーンは「子供に不適切」なものとして、規制が
かかってしまった経緯もある。
3位:OvenPride
“So easy, even a man could do it”
804 complaints
続いて、第三位となったのは、オーブンやBBQグリルのクリーナー
を製造・販売しているRobert McBride社のCMだ。
CMで発信された内容は、ある夫婦が登場し、その夫が、
「すごく簡単!男にだってできる!」
と発言するもの。
その結果、この広告は男女両方からの不満を招く結果となった。
男性からは、「俺たち(男性)が、ばかで怠惰に見える」という
内容のもの。また女性からは「このCMは、掃除が女性の仕事である
という過ぎ去った固定観念を示している」というものだった。
4. Advanced Medical Institute
“Want longer lasting sex?”
525 complaints
第四位になったのは、さすがにこの内容は、、、と多くの人が反応して
しまいそうな、「性」にかかわる告知を行った、Advanced Medical Institute
のキャンペーン広告だった。
http://advancedmedicalinstitute.org.uk/
このキャンペーンでは、同社のクリニック(主にEDの治療などを行う)を
アピールするために、
「より長い長続きするセックスを望みますか?」
と大々的にうたった広告を展開した。その結果、多くの人々から「公的な
場所での表示に不適当なものだ」と指摘された。また広告監査機関も
「ポスターが無免許の医療を広告するものだ」として、規制を発令する
結果となった。。
5. Israeli Government Tourist Office
“Experience Israel”
445 complaints
第5位になったのは、イスラエル政府の観光局が行った、「イスラエル
を体験しよう」という観光PR広告だった。
実は、この結果には非常に政治的かつ国際問題としての側面が大きく
作用している。
広告物の地図の中で、所有が問題となっている「ウエストバンク」
「ガザ地区」「ゴラン高原」が、あたかもイスラエルの一部である
と国際的に認められているかのように示されていたからだ。
広告協会は、「誤解を招く」としてこの広告を禁止する結果にもなった。
こうして、1位から5位までの結果を見ると、「性」「政治」「宗教」
「人道」といった、非常にセンシティブで、また人によってその
価値観が大きくことなる事柄について触れてしまった広告は、
やはり、人々からの批判を招きやすく、また不快感を与えやすい
という結果が見て取れる。
ちなみに、6位以下10位までは下記の通り。
6位: British Humanist Association
“There’s probably no God”
392 complaints
7位: Kellogg’s Crunchy Nut Conflakes
“Baby in a shopping trolley”
323 complaints
8位: Pfizer
“Rat poison”
312 complaints
9位: SC Johnson
“Mummy, I want to poo at Paul’s house”
292 complaints
10位: Department of Health
Stroke ad
242 complaints
いずれも、広告で使用された表現が「きわどい」ものが多く、企業や
クリエイターの果敢な挑戦の結果であろうことは想像できるが、やはり
受け取り手の評価と反応があっての広告価値。せっかくの商品や企業
ブランドの価値を上げるどころか、下げてしまうような広告・
キャンペーンになってしまっては、元も子もないのである。
【今週の目ウロコ度】
4ウロコ
「 Beauty is but (or only) skin deep.」科目
=美しいも紙一重
【編集後記】
メルマガ読者の皆様、こんにちは。担当の秦泉寺です。
今回は、日ごろと少し趣向を変えて、「失敗ネタ」でお届けいたし
ましたが、楽しんでいただけましたでしょうか?
それにしても、「なんでこんな広告を打ったのか。。。」と思わず
頭を抱えてしまいそうなワースト10のラインナップでした。
楽しいジョークになるか、笑えないやりすぎの冗談となってしまうか、
それも紙一重。きわどいメッセージや手法は、やはり失敗と背中合わせ
ということでしょうか?
来年は、どんな「きわどい」広告たちが出てくるのか、また楽しみです。
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