映画業界におけるタイアッププロモーションは、特に新作公開時に多く
用いられる手法だ。
日本でもここ数年急激に広がっており、企業の製品やサービスが、映画の
イメージと合致する場合や、また映画内で実際に用いられる場合などに
大きな効果を生む可能性もある。
また、通常、話題映画のキャラクター、ハリウッド俳優のビジュアルや
各種権利を企業がPR活動等に利用する場合は、ロイヤリティーと呼ばれる
費用が発生する。しかし、この映画タイアップという手法を用いれば、
そういったフィーを支払うことなく、話題のインパクトあるビジュアルを
プロモーションに使用することができるメリットがある。
映画側としても、公開にあたる時期に作品のビジュアルが使用されると
いうことは、それだけ映画の露出が多方面に増えるため、両者がWin&Winの
関係を築くことが出来る。
ちなみに、上記のタイアッププロモーション意外にも、「プロダクト・
プレイスメント」と呼ばれる商品を実際に映画内に露出させる手法
もある。
さて、去る5月7日にアメリカで公開されて話題の映画が「Iron Man 2」
だ。ロバート・ダウニーJr主演の、マーベルコミックスが原作のこちらの
映画、第一弾は2008年5月に公開され、オープニングの週末のみで興業
成績が1億ドルを突破した大ヒット映画だ。
※Iron Man 2 Website
http://ironmanmovie.marvel.com/
それだけに、今回の第二弾公開前から、話題性が高く、また同映画の
メイン視聴者層である、10代後半~の男性をターゲットとする企業
にとっては、またとないタイアッププロモーションの機会だったのだ。
今回、アメリカ調査会社Youkovのレポートにより、今回の「Iron Man 2」
のスポンサーとなりタイアッププロモーション活動を行っているいくつかの
企業に対して、実際に消費者がどのように反応したのか、その
調査結果が出たので報告したい。
ちなみに、調査は5月3日から5月10日までの1週間にわたり、毎日全米の約
5000人から回収。評価者は、ブランドに対し、ポジティブな評価であれば
最大+100を与えられ、また逆にマイナスの評価の場合は、-100。0の
場合はニュートラルという意思表示だ。
1:Audi(アウディ)
※Audi Website
http://www.audi.com/
今回、プロダクト・プレイスメントを実現しているのが、アウディ社だ。
バットマンやジェームスボンド(007シリーズ)など、ヒーローが実際に
映画内で愛用する車が、アイコンになっていることは多い。
今回、映画の中でロバート・ダウニーJr扮する主人公のトニー・スターク
の愛車が、同社の「R8 Spyder」だ。アウディ社では、約1ヵ月間の間、
TVCMや、特設サイト、ユニークな懸賞企画などで、大々的なプロモーション
を展開した。
※Iron Man 2 Audi R8 V10 Spyder Commercial
懸賞企画でユニークなのは、「トニー・スターク・イノベーションラボ」と
名付けられた、革新的なアイデア募集を行っている点だ。勝者は実際に
応募したアイデア実現のための150万円の資金が提供され、またカルフォルニア
ペア4日間の旅、LAのヘリコプターツアー、同社のアウディR8の試乗体験、
新型水陸両用ライトプレーン「ICON A5」の研究チームとともに水陸テストに
参加できる、等様々な特典が用意されている。

こちらも、映画の中で主人公が率いる「スターク・インダストリーズ」の
事業内容・コンセプトとマッチしており、ファンの心をくすぐる仕掛けだ。
その結果、同社に対する評価は、5月3日の17.3から1週間で30.まで
跳ね上がるという勝ち組の結果を得た。

2:Burger King(バーガーキング)
※Burger King Website
http://www.bk.com/
続いては、大手ファーストフードチェーンのバーガー・キング社。
同社では、メニューにもれなく「Iron Man 2」のおもちゃをおまけ
として付けるキャンペーンを展開した。日本でもそうだが、こういった
おもちゃ(トイ・フィギュア)は、後々コレクターアイテムとなること
も多く、その注目度と消費促進効果は高い。

また、合わせて同時期に発売した新しいサンドウィッチのメニューには、
「Whiplash Whopper」という映画の内容になぞらえたメニューを発表
した。
さらには、同映画のプレミア上映イベントには、バーガーキングの
キャラクター(宣伝大使のような存在)である「king」が、同映画の
主人公のコスチュームで登場している。
※kingの登場場面は、コチラから
http://www.bk.com/en/us/company-info/press/news-item91.html
こうした一連の仕掛けを経て、同社に対する消費者の認知は、4月30日の
13.3から、約1週間で26.2と二倍になった。こちらも勝ち組といえる。

3:Dr Pepper(ドクター・ペッパー)
※Dr Pepper Website
http://www.drpepper.com/
大手清涼飲料メーカーである、「Dr.Pepper社」では、今回の映画に
合わせて、セブンイレブン社とタイアップして、オレンジフレーバーの
「Slurpee」という新商品を発表した。
缶のパッケージには、もちろん主人公の姿が。。。

また、それに合わせて同商品のTVCMを、「Iron Man」の原作者である、
Stan Lee(スタン・リー)氏とフィーチャーする形で制作・放映した。
同氏は、アメコミファン層にとっては、まさに「カリスマ」的な存在。
また自身も、手がけた原作の映画化の際には、ストーリー内に「カメオ
出演」するなど、なかなかユニークで愛きょうのある人物なのである。
※Iron Man 2 Dr Pepper Spot Airing Now
さらには同映画の中で、主人公のトニー・スタークのオフィスのテーブル
には、同社の商品が置かれており、また映画内のビル看板にも登場させて
いる。
これらの結果、同社に対する消費者の評価は4月27日の17.5から、5月10日
時点で 27.6まで上昇している。

4:LG Electronics(LG社)
※LG Electronics Website
http://www.lg.com/
同社では、新しい多機能電話、「アリー」のプロモーションに、今回の
映画タイアップを利用しようと試みた。
TVCMを放映し、またアリーの購入者には特別ボーナス特典を付与、
さらに「Iron Man」の限定版コミックスをプレゼントするなどの
キャンペーンを同時告知した。
しかし、残念ながら同商品は映画の公開時点で未発売となってしまい、
LG社に対する消費社の評価は、5月10日には、5月4日の24.9から18まで
下落するという結果となった。

この他にも、様々な企業が今回の「Iron Man 2」の公開に合わせた
タイアッププロモーションを展開した。残念ながらLG社の取り組みは、
消費者が実際のアクションを返す先である「商品」にアクセスする
ことができなかったが故に、マイナスの評価を受ける結果となって
しまった。
しかし、他の3社はいずれも、自社の製品・サービスをうまく映画の
イメージとマッチする形で、各種露出を行ったり、またターゲット層
の「ファン心」をくすぐる仕掛けで、消費者のブランドに対する評価
改善に成功している。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「 An occasion lost cannot be redeemed.」科目
=機会は一度逃すと二度と取り戻すことはできない
【編集後記】
メルマガ読者の皆様、こんにちは。担当の秦泉寺です。
いつもご愛読頂きまして、ありがとうございます。
ついに、この【スゴい★PR】が、通算100号目の発行となりました。
至らない文章に、お付き合い頂きまして、ありがとうございます。
今後とも、ご愛顧のほど、よろしく申し上げます。
今回話題に取り上げました、「Iron Man 2」は、日本では来月6月11日の
公開となっております。
実は私は、「アメコミ好き」なのですが、そうでなくとも、楽しめること
間違いなし!の映画だと思います。
スーパーヒーロー物なんて・・・と言わず、是非一度お試しください。
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