【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】
「Clearasil(クレアラシル)」
女性の皆さんなら、ティーンエージャーの時代に一度は手に取ったこと
がある商品(ブランド)ではないだろうか?
クレアラシルは、「ニキビ対策」を主眼においたスキンケアブランドだ。
その始まりは1921年にアメリカで、Ivan Combe氏が科学者であるKedzie
Teller氏の力を借りて発明したことによる。実はこの商品が、ニキビ
対策を目的として作られた、最初の皮膚病学分野の製品だったのだ。
※Clearasil Website
http://www.clearasil.com/
※Clearasil Japan Website
http://www.clearasil.jp/
その後、クレアラシルの所有権は譲渡を繰り返し、現在は、イギリスに
本社のある、 Reckitt Benckiser(レキットベンキーザー)社(以下:RB)
が保有している。
※Reckitt Benckiser
http://www.rb.com/
このレキットベンキーザー社、日本ではまだあまり聞きなれないかも
しれないが、実はかなり規模の大きい企業であり、42の製造施設を含む
60カ国以上での事業展開と、ほぼ200カ国での商品売上を持っている。
また、RBは、2008年のヨーロッパのビジネスウイーク50で、ヨーロッパ
350の企業のうち、第6位にランクされた実績ももつ。
ちなみに、日本にもレキットベンキーザー・ジャパンが展開されており、
先述のクレアラシルの他、液体せっけんの「ミューズ」や、女性向け
の除毛・脱毛商品ブランド「VEET(ヴィート)」を展開している。
※ミューズ Website
http://www.musejapan.jp/
※ヴィート Website
http://www.veet.jp/
さて、このクレアラシル。冒頭で記載した通り、商品のメインターゲットは
ティーンエージャーだと認識している方が多いのではないだろうか?
ニキビに悩む思春期に利用するアイテムとして、日本での広告展開なども、
中・高校生の生活シーンに合わせた流れが多かった。
しかし、実は最近のRB社の調査で、18歳から21と歳の男女がクレアラシルを
利用している傾向が強くなってきていると判明したのだ。
そこで、今回、同社では去る1月から販売が開始されたクレアラシルブランド
の新商品である、 「Clearasil Overnight Lotion」の広告・プロモーション
展開を、これまでよりも年齢層が上のターゲットに切り替えたのだ。
では、具体的にどのようなアプローチの変更があったのだろうか?
これまでのクレアラシルの広告宣伝・販促プロモーションにおける
キーワードは「Confidence(自信がある)」だった。
例えば、昨年のコマーシャルは、以下のような内容だ。
ティーンエージャー(中学生くらいと見受けられる)の男の子が、同年代の
女の子に対して彼女が手にしている、「口紅を貸してもらえる?」と尋ねる。
すると、彼女は「ええ」と答えるのだが、男の子は口紅を受け取る代わりに
彼女の唇に可愛くキスするのだ。
そこで同時に流れるテロップは、
「May cause confidence.」
その後、クレアラシルを使用する男の子シーンが登場する。
つまり、クレアラシルでニキビ対策をすると、自分に(自分の肌に)自信が
もて、お目当ての女の子に対してのアプローチも積極的になれる!という
ものなのである。
※Clearasil 'Lipstick' TV ad 30 sec advert
http://www.youtube.com/watch?v=y5tcl6XRDRc
しかし、今回の年齢層を上げたターゲットに向けての展開では、より
商品に対して科学的な側面からアプローチして得られた、効能やその
根拠を消費者に訴求する内容へと変化をしている。
新しいコマーシャルでは、登場する人物自体が、若い女性(20歳くらい)に
変化し、その彼女が研究室のようなバスルームに入るシーンから始まる。
そして、以下のようなナレーションが流れる。
「今は夜10時。ケイトの肌は疲れてそして炎症しています。だから、彼女は
オーバーナイトローションを使うのです。」
そして、彼女が商品を使いベッドに入ると、彼女が寝ている間に、どのように
商品の成分が肌に対して働きかけるのかということが、グラフィックを用い
ながら説明されるのである。
この手法は、TVコマーシャルのみではなく、今月発売される雑誌、「Glamour」
「Allure」のタイアップ記事、また「Fitness」「seventeen」などへの出稿
でも生かされている。
ちなみに、この今月の広告出稿媒体のラインナップを見ても、ブランドが
ターゲットとした層がハイティーンから20代の女性にシフトしたことが
明らかである。
※Glamour Website
http://www.glamour.com/
※Allure Website
http://www.allure.com/
同社では、今回のブランドから発信するメッセージの変化に対して、以下の
ようなコメントを出している。
「これは決して、クレアラシルが「confidence」というコアメッセージ
から離れたことを意味するものではありません。ただ、この分野の商品
競争は熾烈なものであり、消費者は、結局のところ一日の終わりに、
「最も効果的な商品」を求めているという現実なのです。」
商品を手に取ること、利用することで得られる「自信がもてるように
なります」という二次的な効果ではなく、それによって「ニキビが治る」
「肌が美しくなる」という、第一次的な直球の効果を訴求する立ち位置
に戻ることで、より実際的な理由から消費行動の決定を図る、ターゲット
に対してのシェアを高めようということなのである。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「 You cannot sell the cow and drink the milk.」科目
=2つのことを同時にはできない
【編集後記】
メルマガ読者の皆様、こんにちは。担当の秦泉寺です。
クレアラシル、、懐かしい商品です。私も、確か中学生か、高校生の
頃に、当時次々と肌に出現する「ニキビ」対策として、母親に頼んで
買ってもらった記憶があります。
しかし、「クレアラシル=思春期ニキビ」という図式が確かに色濃く
残っており、その製品が実は他の年代層にも良いのだという認識には
まったく至らないでいました。
クレアラシルはティーン向けニキビ対策商品として強固なブランドを
既に築いているといえますが、今回の新しい取り組み。その後、吉と
出るのか否か、楽しみです。
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