バンクーバーオリンピックに合わせた、「ありがとう、お母さん」キャンペーンで自社商品をPR | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】


先週2月12日、カナダのバンクーバーで第21回冬季競技大会(オリンピック)が
開幕した。今月末、2月28日まで実施されるこの冬のスポーツの祭典に合わせて、
スポーツ関連アイテムを取り扱う企業、ではなく、一般消費財メーカーである
P&G社(プロクターアンドギャンブル社)が、あるユニークな取り組みを
実施している。


※Vanvouver Olympic Website
http://www.vancouver2010.com/



プロクター・アンド・ギャンブルは家庭用洗剤や化粧品などの一般消費財を
製造販売する企業で、世界最大の一般消費財メーカーだ。多数の事業・ブランド
を保有し、世界80カ国以上で事業展開している。本社はアメリカはオハイオ州の
シンシナティにあり、収益性の高い非常に優れた企業として世界でも知られて
いる。


※P&G Website
http://www.pg.com/en_US/



ちなみに、P&G社は、今回の冬季オリンピックのオフィシャルスポンサー
というわけではない。余談ながら、今回のオフィシャルスポンサーは下記の
通りだ。


パナソニック(日本)
コカ・コーラ(アメリカ合衆国)
マクドナルド(アメリカ合衆国)
ゼネラル・エレクトリック(アメリカ合衆国)
VISA(アメリカ合衆国)
エートス・オリジン(フランス)
オメガ(スイス)
エイサー(台湾)
サムスン電子(大韓民国)



では、そんな一見すると、「スポーツ」や「アスリート」とはあまり関係のない
商材を取り扱う同社が、いったいどんな取り組みを、あえてこのオリンピックに
合わせて、行っているのだろうか?


同社が今回展開しているのは、


「Thanks Mom.(ありがとう、お母さん)」


と呼ばれる、一連のプロモーションキャンペーンだ。まず同社では、この冬季
オリンピック開催に合わせて、アメリカチームの選手の「母親」たちを、
バンクーバーへ我が子の応援に行かせてあげるための、旅費を提供している。



ちなみに、同社は先述の通り、今回の冬季オリンピックのオフィシャル
スポンサーではないのだが、実は昨年の夏に、アメリカのオリンピック
委員会とアライアンスを提携し、それ以降、何人かの代表選手にフォーカス
しながら、マーケティング活動なもども展開してきたのだ。その集大成とも
なっているのが、今回の「Thanks Mom.」キャンペーンなのである。



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P&G社のCMOであるマーク・プリチャード氏は、今回の取り組みに対して、
下記のようなコメントを発表している。


「P&Gがスポーツ用品事業を展開しているわけではでないかもしれません。
しかし、我々は世の中の母親たちをサポートする企業のに該当します。
つまり、我々は、彼女らの家族の生活の改善を手助けするよう努めて
いるのです。そして、「母親との関係」という点が、P&G社とオリンピックの
間の共通言語なのです。」




さて、今回のキャンペーンのプロモーションに際し、同社は2種類のCMを
制作・放映し、その活動と意義及び同社の商品ブランドをアピールしている。


一つ目のCMでは、子供たちがオリンピックのユニフォームを着込み、会見
に臨んでいるシーンからスタートする。その後、子供たちの競技シーンへと
展開し、最後に声援を送る群衆の中にある母親にフォーカスする流れとなって
いる。その後、「To Their Moms,They'll always be kids.(母親たちにとって
は、彼らはいつも子どもなのです)」というメッセージが表示されて、60秒の
TVCMは終了する。



※To Their Moms,They’ll always be kids



http://www.youtube.com/watch?v=VSn5Z7EC4ME




このCMでは、先ほどの同社のCMOのコメントにもあったとおり、「母親
との関係」をテーマに、オリンピックに合わせたCMでメッセージ発信を
行っているのだ。



そして、2つ目のCMは、一般的な世の中の母親像、その役割についての
メッセージ発信になっている。CMでは、彼女らの毎日の家事に関する
メッセージが表示され、「ありがとう、お母さん」という、母親の絶え間ない
努力に対する謝意が表現されている。また何種類か制作されている、この
CMでは、それぞれにP&G社の様々なブランド名及びロゴがフィーチャー
されている。


※Crest® Commercial: P&G. Proud sponsor of Moms



http://www.youtube.com/watch?v=ViKJJtK6Hzk



※Pepto-Bismol® Team USA Commercial: P&G. Proud sponsor of Moms




http://www.youtube.com/watch?v=_S-HtA28VBU



※Pampers® Commercial: P&G. Proud sponsor of Moms




http://www.youtube.com/watch?v=nDSLFi6n6qE




さらに、今回のキャンペーンでは専用ウェブサイト「Thankyoumom.com」を
開設し、オリンピックに関する最新情報や、先述のCMを公開しているほかに、
一般のユーザーたちが、自分の母親に対しメッセージを発信できるスペースも
設け、より一層のメッセージの浸透を図っている。


※Thankyoumom.com Website
http://www.thankyoumom.com/




同社は、業界の中でも、マーケティングに長い歴史があり、また非常にそこに
重きを置く企業として知られている。


今回の取り組みでは、同社ブランドのターゲットである「母親」たちを、
リスペクトし、その存在と日々の活動を認めるという企業のメッセージ
を通して、母親を称賛する姿勢を示している。また、CMを見てもわかる
ように、非常に「感情的」なストーリーで消費者を引き込みながらも、
最後には、同社のブランドのアピールも忘れない。必ず、ブランド認知や
消費に結びつける、きっちりと戦略立てされた手法で、キャンペーンを
展開しているのである。




【今週の目ウロコ度】

 

  4ウロコ
  
  「 It’s not what you say, but how you say it. 」科目

  =物は言いよう
  

【編集後記】


 メルマガ読者の皆様、こんにちは。担当の秦泉寺です。


 皆さん、バンクーバーオリンピック、見ていますか?私は、、、うーん、
 結果をニュースで見るだけというのが正直なところです。
 オリンピックやワールドカップなどが開催されると、企業のCMでよく
 オフィシャルスポンサーである旨が、テロップやロゴで表示されたり
 していますよね。

 今回のP&G社の取り組みでは、CMの中に、なぜそうなっているのか?
 というメッセージを盛り込むことで、よりその意義をきっちりと消費者に
 浸透させ、また上手にプロダクトと結び付けている点がすばらしいと
 感じました。


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【インターブリードからのお知らせ】


○/ 「社長さ~ん、PRですよ~」
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/> 「良い商品なのに思うように売れない。どうしたら売れるのか?」
「会社のブランド力を上げるためには、どうしたら良いの?」
    「せっかくの新商品、雑誌やTVでもっと紹介してもらいたい!!」
           

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