長引く景気低迷に伴い、消費者の嗜好が変化!「エコ」製品の苦悩。 | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】



最近のアメリカでは、長引く景気後退とそれに伴う消費者のお財布事情の
悪化が、様々な嗜好の変化をもたらしている。

企業は、それらの変化を察知し、また危機感を感じながら様々なトライアル
を行っているが、「グリーン(エコ)」を売り文句とした商品は、それを
取り巻く状況は厳しいことが、ある商品の売り上げ報告から判明した。




1913年、アメリカサンフランシスコに会社設立の起源を持つ、「The
Clorox Company」は、家庭用液体洗剤「Clorox」でよく知られている。



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今年7月に、同ブランドは新たに、「Clorox Green Works」という、
エコを前面に押し出したプレミアム洗剤の販売をスタートさせた。
しかし、その販売状況は、決して期待していたほど良いものでは
ないという結果が報告されたのだ。



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先日、同社は2010年度第一四半期の業績発表を行ったが、それによると、
前年の同期と比較し、23%UPの1億5700万ドルに達したということだ。

しかし、その内訳を見ると、同社の他ブランドである、パーソナルケア商品
「Burt's Bees」及び調理用ドレッシング「Hidden Valley salad dressings」
が、それぞれ4%の伸びを示したのに対し、「Clorox Green Works」は1%と、
期待の新商品にも関わらず、その伸びは少なかった。


同社も、この状況に対し、下記のようなコメントを発表している。



「消費者の「グリーン」に対する嗜好は、景気後退に伴い弱くなっている
ことを認めざるを得ない。その結果、同商品の販売は、私達が予測して
いたものよりも、スローなスタートとなった。」




アメリカの消費者は、高級路線のエコ洗剤に、もはや追加のお金を
払おうとはしないというのが、市場の見方となってきている。


ちなみに同社では、今回「Clorox」ブランドの宣伝広告費として、2008年度の
2億6800万ドルに対し、今年8月までになんと3億7700万ドル(除:オンライン
出稿費用)を費やす努力をしてきた。


結果としては、そういった努力にも関わらず、販売は伸びなかったと
いうことだ。


今回の新商品、早い段階から、ユーザーの支持やリピーターユーザーとなる
可能性を秘めた、前向きな意見も見受けられ、商品自体のポテンシャルは
高いと同社では判断していた。しかし、結果として、多数の消費者は
実際の消費行動においては、「なんとなく格好良いから」「エコに貢献
している私たちは素敵」という一時期の選択基準ではなく、より「実」を
重視したのである。




また、今回のCloroxの販売が伸び悩んだ理由の要因として、小売の雄である、
ウォルマートが同商品の導入を拒否したこともあげられる。ウォルマートで
は、現在の消費環境においては、例えCloroxが良い商品であったとしても、
消費者に受け入れられる可能性は少ないと判断したのだ。



ちなみに、家庭用洗剤「Tide」シリーズで知られるプロクター&ギャンブル
社(P&G社)では、こうした消費者の動きを察知し、より高価なブランド
ラインから、「Value Oriented」つまりは、よりその「価格的メリット」
が高いブランドラインへの注力に転換してきている。


同社では、より高機能な洗剤を開発することにより、高価格帯での販売
を行い、市場シェア、売り上げを増大させることを方針としていた。
しかし、結果として今回のClorox同様に、P&G社の家庭用洗剤における
市場シェアは低下してしまったのだ。


そのため、去る8月から、同社の最重要ブランドである「Tide」の
低価格版(また低性能でもある)「Tide Basic」のテスト販売を
スタートしたのだ。



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さて、このClorox社。エコラインの新商品での目論見は残念ながら失敗に
終わったが、無論、ただ何もせず手をこまねていているだけではない。


不況下だからといって、現状にとどまっているだけでは、成長できない
というのが同社の持論。既に、新たな商品開発・販売を、今回の業績
報告に合わせて発表した。


それは、同社の中でも比較的消費者の支持が引き続き強いブランドである、
「Burt's Bees」から、「Natural Toothpaste(自然成分の歯磨き粉)を
2010年1月に販売開始するというものだ。


同商品の売り文句は、「臨床的に証明された、口(歯)の健康を増進
する商品!」だそうだ。


低価格路線への変更ではなく、あえて機能面での差別化を図りながら、
顧客獲得、販路拡大をしようとしている同社。


Cloroxでの失敗を教訓としながら、具体的にどのようなブランド戦略、
プロモーション展開を図ってくるのか、またその結果がどう出てくる
のか、楽しみだ。





【今週の目ウロコ度】



 3ウロコ
  
  「Failure is a stepping stone to success.」科目

  =失敗は成功のもと

  

【編集後記】



皆さん、こんにちは。メルマガ担当の秦泉寺 明佳です。


エコ商品に関しての、消費者の嗜好変化については、以前このメルマガでも
紹介したことがあります。依然として、エコやオーガニックに対しての
消費者の意識は高く、また購入意欲もあるという調査結果が報告はされて
いるものの、やはりより現実的な場面では、お財布とにらめっこをして、
リーズナブルな商品を選択する。そんな消費者心理が表れた、今回の
Cloroxの新商品販売結果だったと思います。


とは言え、競合と同じように低価格戦略に打って出たとしても、同じ消費者
のパイを取り合うだけだという考え方があるのも事実。企業側の体力勝負
ともいえますが、あくまでも「機能性」「高品質」で勝負に挑むCloroxの
今後の動向に注目です♪



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