熱心なブランド信奉者とタッグを組み、伝統的なマーケティングから脱却! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】



「Chick-fil-A」


この名前をご存知の方はいらっしゃるでしょうか?


1946年にジョージア州アトランタ郊外にオープンした、チキンサンド
ウィッチを提供するレストランの名前であり、また同店の看板商品の
名前でもある。(ちなみに、オープン時の店舗名は「Dwarf Grill」で、
その後改名。)


Truett Cathy氏が始めたこのレストランは、その後1960年代にアトランタの
ショッピングモール内から店舗展開をスタートし(最初は、Greenbriar Mall)、
現在アメリカでは、チキンレストランの中で、第二位の規模を誇るまでに
成長した。


今日では、ワシントンDC及びアメリカ国内38の州に、1428の店舗を構え
ているが、依然として家族経営を続けている。アメリカ南部及び南部バプテスト
協議会にルーツと深い関わりを持つ同レストランは、それゆえになんと現在
でも日曜日は「お休み」になっている。ある意味、厳格なしきたりに拘束
されたオカタイレストランなのだ。


※Chick-fil-A Website
http://www.chick-fil-a.com/



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余談ではあるが、アメリカ全土でチキンナゲットの販売を開始した最初の
レストランが、このChick-fil-Aなのだそうだ(1982年)。



さて、このレストラン、近年ソーシャルメディア戦略に力を入れ、話題と
なっている。


2008年に、同レストランは初めてソーシャルメディアFacebookのチェックを
スタートした。当時、アメリカでは既に超ポピュラーであった同メディア、
このスタートは決して早いものではない。


その際に、Facebookの自身のプロフィール上で、既に500人以上が同
ブランドについて何らかのコメントやアクションをしている事実を
発見した。


また、同時にある熱心なファンによって同レストランのファンページが
創設され、そこには25000人のファン登録がなされているという嬉しい
事実も発覚したのだ。


しかし、そこではまだ何も体系だったアクションや、キャンペーン、
ファンの集いなどは行われていなかった。



この状況を見て、同レストランのMichael McCathren氏は、ファンページの
開設者で、熱心なファンであるBrandy Bitzer氏(ビッツアー氏)に
コンタクトをとってみることにしたのだ。


この当初のコンタクトの目的は、ビッツアー氏が持っているファンの
集まりを、誰か他の適切な人間に譲り渡し、ブランディングの帰すべき
目的地にうまく誘導するためだった。(何とも都合の良い理由だが)。


しかし、ビッツアー氏との会話の中で、彼女が真のブランドエヴァンジェリスト
であることがわかり、同レストランはその方針を変更した。



ビッツアー氏は、コネチカット州在住で、最寄の同レストランからは遠く
離れた地に在住している。しかし、彼女が仕事でLAを訪れた際に、同
レストランのチキンサンドウィッチを口にし、ファンになったというのだ。

その後、仕事に合わせてレストランを再訪し、2007年11月にFacebookの
ファンページを開設、写真やプロフィールなどをアップロードしはじめ、
現在まで拡大してきた。



結局、同レストランとビッツアー氏は、ファンページの管理権を共有
することで合意した。そして、ビッツアー氏を、同レストランの本部
であるアトランタに招待し、同社イベントの際にスピーチを行って
もらったのだ。



この合意を皮切りに、同社はFacebook上で初のキャンペーンを実施した。

7月には、「Cow Appreciation Day」という例年のイベントに合わせて、
フォトコンテストを実施。これは、オリジナルの牛(ホルスタイン)
コスチュームに身を包んでもらい、その写真を応募してもらうという
ものだ。



しかし、チキンサンドウィッチのレストランが、なぜゆえに「牛」
なのか?


その理由は、同社が1995年以来行っている「Eat More Chicken」キャンペーン
と関係している。このキャンペーンに合わせて、同レストランはホルスタイン
をアイコンに使っており、ホルスタインが「もっとチキンを食べよう」という
スローガンを訴えているのだ。



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ちなみに、現在も同レストランのウェブサイトにはホルスタインが多く
登場しており、一見するとチーズや乳製品、もしくはビーフハンバーガー
を提供するレストランのようにも見えるのは、このためである。


自店の商品である「チキン」の消費を奨励するために用いた、逆転の
発想でなかなかユニークだ。



さて、このキャンペーンでは400人以上の参加者から、様々な牛コスチューム
の写真が送られてきた。また、同時に「Cow Appreciation Day」に参加
しようという広告キャンペーンをFacebook上で展開し、これには、18000人
以上の参加表明があった。



こうして、ソーシャルメディアの持つ威力を実感した同レストランは、
より大きな仕掛けに打って出た。


秋の大学フットボールシーズンの開始と労働者の日を祝うタイミング
に合わせて、Facebook上での無料でサンドウィッチを提供するクーポン
券の発行を行ったのだ。25000枚用意されたクーポン券は、5日間で
全てなくなり、去る8月には同レストランのファンの人数は、なんと
100万人に達した。


2008年に25000人だったファンが、1年あまりで100万人に増加というの
だから、その拡大スピードたるや驚嘆に値する。



現在では、その成功を受けてTwitterの利用も開始。こちらも、キャンペーン
やクーポン配布の口コミ流布に、大きなパワーを持っていると、同レストラン
はコメントしている。



今後の展開として、同社はFacebook上の100万人のファンを活用して、
様々なサンプリング調査を行う予定を発表している。


また、先のビッツアー氏からの新店舗オープン時にFacebook上でオープニング
セレブレーションイベントを開催してはどうかという提案を受け、今後は
それも実行していく予定だという。このイベントの主導権はあくまでも
ビッツアー氏側に残しており、同レストランは新店舗のオープンリストを
氏に提供することで合意している。


同社は、下記のようにコメントしている。


「今回の取り組みは、伝統的なマーケティング手法からの完全な脱却だと
いえます。もし、ソーシャルメディア戦略を遂行しようとするのであれば、
伝統的なスタイルではその実行は不可能なのです。」



南部バプテストの影響を色濃く残す、ある意味古い体質を持っているとも
言える同レストランの、時流に乗った新たな取り組みである。




【今週の目ウロコ度】


 3ウロコ
  
  「There is nothing permanent except change.」科目
   
   =変化以外に永久のものはない

  

【編集後記】


皆さん、こんにちは。メルマガ担当の秦泉寺 明佳です。


マクドナルドやKFCといったファーストフードの雄と比較すると、まだまだ
規模も小さい今回のChick-fil-Aですが、なかなかユニークなブランドだなと

感じました。

売りであるチキンの消費を奨励するために、あえてそのライバルともなりうる
「牛」を広告塔に利用するなんて、面白いですよね。

それにしても、ソーシャルメディアの影響力は本当に見逃せないものになって
いますよね。貴社の商品や店舗も、mixiやFacebookなどで想像以上に多くの
消費者から様々なサポートを既に受けているかもしれませんね。


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