【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】
「自転車シェアリング」は、ヨーロッパを中心にして国際的に成功している
ビジネスモデルだと言われている。例えば、フランスはパリ市では「ヴェリヴ」
と呼ばれるこのプログラムは、地元民・観光客にもはや定着している。これは、
2007年7月15日、パリ市が正式にサービスを開始。実際の運営・管理はフランス
の大手広告代理店JCドゥコーが担当している。
ちなみに日本でも、例えばJR西日本の「駅リンくん」は、ビジネスとしても
成功していると言われている。運営は同社の子会社である駅レンタカー関西
が行っており、京阪神エリアの駅を中心に、岡山、島根にも営業所がある。
1回(1日)の利用が300円(一部500円)、1か月定期なら約2000円ほどだ(
別途保証金(利用退会手続き後返却)が必要)。
さて、この「自転車シェアリング」。実は、アメリカではまだ実施されていな
かったのだが、2010年5月から、ミネソタ州ミネアポリスでついに導入される
ことになった。
その名は、「Nice Ride Minnesota」。
※Nice Ride Minnesota Website
http://www.twincitiesbikeshare.com/
そして導入開始1年前の今から、このニュースが話題になっている。その理由
としては、もちろん「アメリカ初」であることも作用しているが、それだけ
ではない。馴染みやすいネーミングや、キュートなブランドロゴ、デザイン
があってこそ、メディアも取り上げやすく、また人々にも受け入れられ
やすいのだと言われている。
ミネアポリス市の担当者が、自転車シェアリングのプログラムを導入する
にあたり、今回の一連のブランドアイデンティティ、ロゴやデザイン作成を
手がけた デザイン会社「Duffy & Partners」を訪れた際に、以下のように
依頼をしたそうだ。
「私たちはすごいアイディアを持っています。このアイディアを実現させる
ために、多くのスポンサーを獲得したい。そして、そのためにブランディング
を行いたい。」
さて、この今回の「Nice Ride Minnesota」というネーミング、実は映画
「Fargo」などでも以前に提示された、ミネアポリスを説明する一つの
わかりやすい文化的表現「Minnesota Nice」からアイディア得たのだと、
先述のデザイン会社はコメントしている。
「Minnesota Nice」というフレーズは、ミネアポリスの土地柄や住民の
気質を表現するものとして、長く知られているものだ。ホスピタリティ
溢れる人柄や、礼儀作法をわきまえた対応などが好意的にとらえられた
表現である。
ちなみに、「Fargo」は1996年に公開されたコーエン兄弟によるブラック
コメディサスペンス。ノースダコタ州の都市「ファーゴ」が舞台であるが、
実際には映画の冒頭シーンのみで、それ以外はうミネソタ州のミネアポリス
やブレーナードを中心に展開されたものだ。
日本でも、映画やドラマのロケ地は、その制作・上映をきっかけに話題と
なったり、また住民自身も土地の魅力や良さを再確認したりする現象が
ある。
特に最近では、毎年NHK大河ドラマのロケ地は、一つの観光戦略の
目玉となっているのは、ご存じの通りだ。今なら、「天地人の直江兼続
の生誕地=新潟県南魚沼市」といったところだろうか。行政もこれ幸いと
ばかりに、かなり気合の入ったキャンペーンやプロモーションを実施して
いるようだ。
※南魚沼市観光協会ウェブサイト
http://www.tentijin.jp/
今回のミネアポリスの事例も、そういった人々の記憶に残っている同市の
イメージや響きを上手に活用し、思い起こさせることで、よりブランドが
浸透しやすく、また定着しやすくなることを狙ったのだ。
また、デザイン面はいたってシンプル。今回のプロジェクトのスタートに
合わせて、様々な告知物、広告物、グッズなどが制作されているが、そこに
現れたデザインは、「NICE RIDE」と記したシンプルなもの、また単純化
された自転車の絵(シンプルな線画)と、その両者の組み合わせという、
非常にいさぎよいものだった。
ちなみに、良くみると、この自転車の線画では、ちょうど前輪と後輪を
つなぐハンドルとサドルの部分が、アルファベットの「N」と「R」で
構成されているのがわかる。
このデザインのシンプルさは、衣服の上に刺繍しやすいかどうか、また
道路の自転車レーンにステンシルで描きやすいかどうかという、実際的
な技術面をも考慮しながら生み出されたものだと、デザイナーはコメント
している。
今回の「Nice Ride Minnesota」自転車シェアリングは、来年の5月に、
ミネアポリス市の75のキオスクに1000台の自転車を設置して開始される。
また、同市に続き、セントポールにも拡大する予定だ。
アメリカのその他の都市にどのように拡がっていくのか、またその際には
どんなブランディング戦略をとるのか、今後の展開が楽しみだ。
【今週の目ウロコ度】
2ウロコ
「温故知新」科目 論語より
【編集後記】
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。
自転車シェアリングといえば、皆さんどんなイメージをお持ちですか?
私自身は、いまだ旅先での「レンタサイクル」の範疇から抜け出せて
いません。もちろん、その用途としても非常にありがたいものですよね。
ただ、パリ市の実績などでは、日常の買い物や通勤・通学の用途として
も定着しているそうです。
結果として、環境保護や、健康管理、路上駐輪や放置自転車の撤廃など
といったより大きな効果へとつながっていくそうです。
今回の事例のデザイン、かわいいですよね。こんなデザインに彩られた
自転車なら、乗るのも素敵かも!…なんて心動かされるのは私だけでは
ないはずです。乙女のオシャレ心、侮るべからずです。
※マーケティングPR ~PR/広報のお役立ちコンテンツ~
http://www.interbreed.co.jp/prtop/
※公式英語ブログ http://sugoiprjapan.seesaa.net/
※七里ガ浜レンタルスタジオ http://shichirigahamastudio.blog44.fc2.com/
【インターブリードからのお知らせ】
○/ 「社長さ~ん、PRですよ~」
<□
/> 「良い商品なのに思うように売れない。どうしたら売れるのか?」
「会社のブランド力を上げるためには、どうしたら良いの?」
「せっかくの新商品、雑誌やTVでもっと紹介してもらいたい!!」
★「Web広報(オンラインPR)」をサポート
http://www.interbreed.co.jp/prtop
★プレスリリースの効果を上げて、メディアで紹介されたい!
【スゴい★プレスリリース添削塾】プロの視点で添削&指導!
http://www.interbreed.co.jp/prtop/sugoi/sugoi.html
★企業と人の出会い(人材の発掘・確保)をプロデュースしています!
「経営プロフェッショナル人材」「コミュニケーション人材」
http://www.interbreed.co.jp/jinzai/index.html
■【スゴい★PR】では、メールマガジンの相互紹介を行っております。
相互紹介を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。
発行されておりますメールマガジンの内容によっては、御断りする
場合がございます。予めご了承くださいませ。
お問い合わせ:jinsenji@interbreed.co.jp