【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】
先日、アメリカ第二位の書店チェーン「Borders(ボーダーズ)社」が、
スリリングかつユニークなマーケティング活動を実施し話題になり、
その結果、書店の認知度、また書籍の売り上げがアップするという成果
を生んだ。
「Borders(正式社名:Borders Group Inc.(BGI))社」は、アメリカミシガン州に
本社を置く、書店チェーン(本、雑誌、DVD、CD、ステーショナリーなどを販売)。
アメリカ・プエルトリコを中心に店舗数は1000を超え、従業員は全世界で
25000人以上。アメリカ第2位の書籍販売店。現在は、シンガポール、イギリス、
アイルランド、オーストラリアなど、インターナショナルにその店舗網を
展開している。
※Borders Group Inc.(BGI) Website
http://www.borders.com/
また、2008年に自社のECサイト「Borders.com」をオープンし、ウェブ戦略を
本格稼働した。そんな中、以下のような目的を達成すべく、ボーダーズは著名な
サイコ推理小説作家である「James Patterson(ジェームズ・パターソン)氏と
タッグを組んだユニークなマーケティング活動を展開したのだ。それは、
「Chain Thriller Campaign」。
※Border’s Chain Thriller site
http://www.borders.com.au/chain-thriller/home.asp
■実施概要
ジェームズ氏とそのファンがソーシャルメディアを利用しながら共同して、一冊の
小説を書き上げ、作品をウェブ上で無料で配信する。
・ウェブ上で、Chain Thriller「Airborne」の共同著者を募集
・作品の第一章と最終章をジェームズ氏が執筆
・残りの章(28章)を、一般から選ばれたユーザーが執筆
・作品は、1か月間かけて、毎日1章ずつリリース
・作品は、ウェブ上から無料でダウンロード可能
■実施目的
・ジェームズ氏の小説のコンセプトを世の中により認知させ、読者を巻き込む
(作品の認知度向上、理解促進)
・ジェームズ氏のプロフィール、存在の認知度向上
バズ生成と、関連書籍の売り上げアップ
・業界でのBordersの革新性やリーダーシップを示し、ソーシャルメディアを
通しての、顧客との新たな関係性を構築し、売り上げを伸ばす
ちなみに、今回ボーダーズ社がタッグを組んだジェームズ(James Patterson)氏は、
1947年ニューヨーク州ニューバーグ生まれ、現在はアメリカフロリダ州在住の、
サイコ推理小説作家。
「Alex Crossシリーズ」や「Women’s Murder Clubシリーズ」の作者としてよく
知られる。氏の著書は何度も全米No1ベストセラーとなっており、いくつかの作品は、
映画化、またTVドラマ化。映画「コレクター」の原作者としても有名だ。
※James Patterson’s Website
http://www.jamespatterson.com/index.html
※James Patterson’s Booklist(Kinokuniya Book Store)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%83W%83F%81%5B%83%80%83Y%81E%83p%83%5E%81%5B%83%5C%83%93/list.html
今回のユニークなマーケティング施策は大きく3つのステージに分けて
実行された。
第一段階として、ユーザーに著者のウェブサイトを訪問させるために、
パーソナルEメールキャンペーンを展開した。また、作品の共同著者の募集、
キャンペーンを告知し、ユーザーの関心を高めた。
キャンペーン用ウェブサイトページが作成され、またSNSサイトFacebook上に
はグループが作られた(800名を超えるユーザーがグループに参加)。
その結果、共同著者の募集には、2800人を超えるユーザーから応募があり、
その中から最終的に28名が選出された。
第二段階では、共同著者として選ばれたユーザー(28名)が、それぞれの章を
執筆することで忙しい間、すなわち著者選出という一つの山を超え、次の作品
リリースという山場までの谷間の期間に、世間の関心をキープするための施策
が展開された。
それは、SNSサイトTwitterの機能を利用したもので、「Daily thrill・on
Twitter」と呼ばれる仕組みを用いて行われた。
Twitterを通して、スリリングなシナリオのある一場面(設定)を毎日発信する。
その場面に対して、フォローしているユーザーは、それぞれに自身の短い
スリラー小説(シナリオ)の結論をつくらせたのだ。こうすることによって、
継続的にユーザーがキャンペーンに参加するような舞台(仕組み)を用意し
、関心を高くキープすることに成功したのだ。
第三段階では、完成した作品(章)の効果的な発表(配信)がその大きな目的
となっていた。ジェームズ氏と28名の著者によって完成された作品は、Eメール、
TwitterとRSS通知とキャンペーン用サイトを通して公開された。
2009年3月20日から4月19日まで、30日間にわたって、毎日1章ずつ公開された
作品は、E-bookとして無料でダウンロードできるようになっていた。
今回のマーケティングキャンペーンを通して、Bordersは自社のECサイトの認知
度を向上しトラフィックを増やすことに成功した。また、当初の目的通り、
ジェームズ氏の関連書籍の売り上げは大幅にアップ、今後発売される書籍に
対しても良い流れが生み出せたと評価している。
【今週の目ウロコ度】
2ウロコ
「洛陽に紙価を高からしむ」科目
晋書より
本がベストセラーとなること
【編集後記】
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。
最近は書籍をアマゾンで買うことが多くなりました。。。 もちろん、
従来の書店(実店舗)も好きで足しげく通うのですが、欲しい本が決まって
いる時にはアマゾンが楽なんですよね。
そんな自身の行動を省みると、書店の個別ウェブサイト(ECサイト)から
書籍を買うという行為には、なかなか至らないですし、利用しようという
考えにも及びませんよね。
今回のBordersの施策、面白いですね。
ちなみに、ミステリ・推理小説マニアな私の最近のはまりものシリーズは、
バリー・アイスラー(Barry Eisler)氏の暗殺者「ジョン・レイン」シリーズ。
日本では先日、映画版(レイン・フォール)が公開されていました。
機会があればぜひ。
※マーケティングPR ~PR/広報のお役立ちコンテンツ~
http://www.interbreed.co.jp/prtop/
※公式英語ブログ http://sugoiprjapan.seesaa.net/
※七里ガ浜レンタルスタジオ http://shichirigahamastudio.blog44.fc2.com/
【インターブリードからのお知らせ】
○/ 「社長さ~ん、PRですよ~」
<□
/> 「良い商品なのに思うように売れない。どうしたら売れるのか?」
「会社のブランド力を上げるためには、どうしたら良いの?」
「せっかくの新商品、雑誌やTVでもっと紹介してもらいたい!!」
★「口コミ、ソーシャルメディアを利用したニュースづくり」をサポート
http://www.interbreed.co.jp/prtop
★プレスリリースの効果を上げて、メディアで紹介されたい!
【スゴい★プレスリリース添削塾】プロの視点で添削&指導!
http://www.interbreed.co.jp/prtop/sugoi/sugoi.html
★企業と人の出会い(人材の発掘・確保)をプロデュースしています!
「経営プロフェッショナル人材」「コミュニケーション人材」
http://www.interbreed.co.jp/jinzai/index.html
■【スゴい★PR】では、メールマガジンの相互紹介を行っております。
相互紹介を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。
発行されておりますメールマガジンの内容によっては、御断りする
場合がございます。予めご了承くださいませ。
お問い合わせ:jinsenji@interbreed.co.jp