「We Boobed」イギリス小売業界で起こった「ブラジャー戦争」!逆境を逆手に売上アップ! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週の真似したいPRの切り口 FROM US】

 

「Bra-wars」


「Bra」つまりは、女性用の下着「ブラジャー」を取り巻く論争が、イギリスの
多数の女性やメディア、小売業界を巻き込み、ホットな話題になっていた。


この論争の口火を切ったのは、イギリスの「Marks and Spencer(マークス
アンドスペンサー)社」
だ。



同社は、1884年に設立され、全世界に840店舗以上を展開する小売業者。
ちなみに、イギリス国内では第一位の衣料品小売業者で、その他にも
食料品や各種家庭用品、家具なども、自社ブランドを中心に広く扱っている。




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※Marks and Spencer Website
http://www.marksandspencer.com/



イギリス国民からのブランドに対する支持も高い同社が、バッシングの対象
となったきっかけが、「ブラジャー」の販売価格に関する同社の施策だった。

同社は、DDサイズ以上のブラジャー(つまりは大きめサイズ)に対し、
それ以下のサイズのブラジャーよりも2£高い価格設定をして販売
を行ったのだ。

当時の同社の言い分は、


「より良い性能、品質のブラを提供するための技術開発、適切な素材
利用のサポートのためになら、我々の顧客は1.5~2£は喜んで払うと
賛同してくれている。」


というものだった。



しかし、そんな同社の姿勢に反旗を翻した一人の女性がいた。



Beckie Williams(ベッキー・ウィリアムズ)さん、26歳。



※ベッキーさんが紹介されている記事/インタビュー


■Yahoo UKのインタビュー記事

■London Evening Standardの記事



彼女の行動は素早かった。まず、SNSサイトFacebook上に意思を同じく
する人たちが集うグループ「Busts 4 justice」を創設。


このグループは瞬く間に賛同者を集め、現在では1万8000人を超える
メンバー数になっている(2009年6月8日現在)。


さらには、なんと同社の株式まで購入。ステークホルダーになることで、
面と向かって意見を言え、また企業側もより「聞く耳」をもって
くれるだろうという考えからだった。
ベッキーさんは、7月の株主総会に出席する予定だという。



さて、このベッキーさんの行動と主張は、瞬く間にイギリスで話題と
なり、サポーターからのマークスアンドスペンサーへの意見も相次い
でいた。また、オンライン・オフラインともに多くのメディアが今回
の一連の騒動をウォッチ&レポートしたのだ。




そんな中、こうした消費者の空気を読んだ、ライバル企業が出現した。



同じくイギリス大手スーパーマーケットチェーンの「Asda(アスダ)」
が、サイズAからFカップまでのブラが、一律4£という企画商品の
販売を開始したのだ。



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■Asda Company Website



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■Asda Clothing Line George Website


同社は、


「消費者の誰も、例えば男性用の靴下の大きいサイズのために、追加の
費用負担をするなんて考えないでしょう??」


「一つの価格が、全てのサイズにマッチするのです!」


「(私たちの£4ブラが)女性たちのバストをサポートするように、
 私たち(アスダ)は、顧客のお財布もサポートします」


とコメント。

また、明らかに暗にマークスアンドスペンサー社をさしながら、
「ラージサイズに対する「偏見」をなくそう!」と呼び掛けていた。



この一連の、アスダの競合の失態と世の中の風潮を察知した、
迅速な対応もなかなかのものだった。



しかし、マークスアンドスペンサー社もこのまま引き下がるわけが
なかった。


同社は、このAsdaの一律4£ブラ販売開始(2009年5月7日(水)の
直後に、DDサイズ以上のブラに対して設けた2£の価格差を撤廃する
と発表したのだ(発表は5月8日、2009年5月9日から撤廃)。



また、それだけではなく、合わせて失敗をも好機ととらえ、大きな
キャンペーンを仕掛けた。

マークスアンドスペンサー社は全面的に、自らの過ちを認め、



「We Boobed!!=私たちはへまをやらかしました」


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という見出しの広告を全国紙で展開。


ちなみに、「boob」(過去形がboobed)はイギリス英語の俗語で
「へまをやる」という意味。これは、名詞の場合は、女性の
「バスト=breast」の意味をもつ。


広告の豊かなバストの女性のビジュアルとも合致した、2つの意味
がかけ合わさった上手いキャッチコピーだったのです。


さて、この謝罪広告に合わせて、同社では「全ブラジャー25%オフ」
のセールを5月9日から5月25日まで実施した。


その結果、このおよそ2週間のセール期間中の店頭売り上げは、昨年
同時期に比較して約30%もアップ!
また、オンライン上での売り上げも、前年163%と大きな伸びとなった。

そして、同社の謝罪広告でもあった「We Boobed」で、モデルが
身につけていたグリーンのブラは、販売開始前の事前予約の時点で
すでに売り切れとなったという盛況ぶりだった。


今回の一連の「Bra-wars」は、マークスアンドスペンサー社の
クライシス発生時の「謝罪」手法、逆境を逆手にとったマーケティング
戦略。そして、アスダ社の競合や世の中の風潮をキャッチした迅速な
対応など、PR戦略のヒントとなるポイントや、世の中の動向に対して
日々アンテナを高くしておく必要性など、学ぶところが多い事例だ。

  

 

【今週の目ウロコ度】


 3ウロコ
  
  「失敗は成功の母」科目
   
   Failure is a stepping stone to success.
  

 

【編集後記】

 

【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


 こんにちは。


 今回の件に関連して余談を一つ。マークスアンドスペンサーは、本国
 イギリスで非常にブランド評価が高いと申し上げていましたが、それを
 裏付ける結果が出ています。
 イギリスで一般消費者5000人以上を対象にして行われたブランド意識
 調査の結果、同社は第一位に選ばれたのです。
 
 ※調査結果はコチラから  


 今回の一連の「Bra-wars」の影響があったかどうかはわかりかねますが、
 同社の対応の速さと機知から判断するに、来年もまた1位をキープする
 のでしょうか…?



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