消費者、サプライヤーを巻き込んだ環境改善・社会貢献活動の展開でブランドイメージが1年間で向上! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週のスゴい★PR】


~消費者、サプライヤーを巻き込んだ環境改善・社会貢献活動の展開で
  ブランドイメージが1年間で飛躍的に向上!~


  【イギリス ロンドン発 Marks and Spencer】



【今週のシナリオ】


ブランドのイメージを改善したい、向上させたい…これは多くの企業が
抱える課題であり、またそのために日々様々な広報/PR活動を展開
している。


今回は、イギリスで自社のブランドイメージの向上に1年間で大きな成果
をあげた、マークス&スペンサー(Marks & Spencer:以下M&S)の
2007年にスタートした取り組みを紹介したい。


同社は、自社ブランドの衣料品・靴・ギフト商品・家庭用雑貨・食品などを
販売するイギリスロンドンに本社を構える大手小売事業者。1894年、
マイケル・マークスとトム・スペンサーの2人で開業。


現在ではイギリス国内に600店以上を展開するほか、約40カ国285店舗の
フランチャイズ店を持つ(M&Sホームページより)。従業員数はイギリス
国内に約6万3,000人、海外を合わせると約8万人に上る。また、グループ
全体の売上高は80億ポンド(約1.5兆円)を超え、毎週2100万人が同社の
店舗を訪れていると言われている。



さて、そんな同社が先日あるプレスリリースを発信した。それは、代替
エナジーの利用契約に関するもので、その規模はイギリスの小売業者の
中で最大規模のものとなった。
M&Sは、NPOWER社から風力発電や水力発電などにるクリーン電力
を購入し、2009年4月から、国内の店舗やオフィスで利用を開始すると
発表したのだ。


これは、実は同社が展開している「PLAN A」プロジェクトの一環で
発表されたものだ。


「PLAN A」は、2007年1月に発表されにスタートし、2012年まで展開され
るものであり、同社は会社を挙げてのキャンペーンの最中にある。
このキャンペーンで掲げる5つの柱は、下記の通り。


1:Climate Change:気候変動に対応
2:Waste:廃棄物削減の推進
3:Sustainable Raw Materials:持続可能な原材料資源野利用促進
4:Fair Partner:フェアパートナーとの取引
5:Health:健康増進を啓蒙、サポート



これら5つの柱を掲げ、2012年までに達成すべき合計100個のコミット
メントを公表し、積極的にCSR活動、持続可能な社会の実現
(Sustainability)、企業活動及びイメージのグリーン化を推進している。


同社では、イギリスの消費者は、環境問題や商品の原材料が人体や
環境に与える影響について非常に高い関心を抱いていると認識した。

そこで、消費者からの信頼を維持し、ブランド力を高めるために、同社が
あるべき姿勢を以下のように導いたのだ。

一つは、「常に消費者のニーズに対して敏感であること」。また二つ目には、
「消費者の関心事項について、双方向のコミュニケーションを積極的に
とること」である。この流れから、「PLAN A」がスタートしたのだ。



スタートから約2年がたったこの「PLAN A」。同社は、当初に掲げた100の
コミットメントを順調に達成し続けている。また、その過程や結果に
ついては、今回のプレスリリース、またニュースレターや、メール
マガジン、店頭告知などを通して随時情報発信を行っている。



達成された成果の中で、わかりやすい一例をあげてみる。


例えば、先の5つの柱のうち「廃棄物削減」の項目について同社が
発表した成果がある2007年4月から2008年5月の1年間で、実に1,402トン
(「象255頭分」と原文では表記されている)の包装資材の削減を
達成している。


より詳細には、インゲンのトレーをなくし、92%の資材削減。
また、精肉用パックをスキンパックに変更し、69%の資材削減といった具合だ。
さらに、同社はこれら個別商品のパッケージだけではなく、サプライ
チェーンへの流通に用いる梱包材を、ダンボール箱から繰り返し使用できる
トレーに変更することで、年間27,000トンのダンボール箱を削減した。



このような、各項目に対する達成具合や進捗レポートは、「PLAN A.com」
という今回のプロジェクトサイトで細かく紹介されている。


これらの地道な活動が功を奏し、同社ではブランドイメージの改善に
成功したのである。それは、「The Image Power Green Brand Survey」と
いう、毎年1回アメリカとイギリスで行われている消費者意識調査の結果
に明らかに表れている。


ちなみに、2007年5月に発表されたイギリスのランキングは、以下の通り。


2007 The Image Power Green Brand


1 Body Shop
2 Smart
3 Waitrose
4 The Co-operative Bank
5 Tesco
6 Marks & Spencers
7 Dyson
8 Sainsury's
9 BP
10 Aveda


そして、これが2008年6月に発表されたイギリスのランキング。


2008 The Image Power Green Brand


1 Body Shop
2 Marks & Spencer
3 Waitrose
4 Tesco , Sainsury's (同率)
5  Asda
6 Dove , Google (同率)
7  The Co-operative Bank
8 E.ON
9 Morrisons
10 Method


見てのとおり、M&Sは、2007年の6位から、2位までランクアップ。
これまで不動の1位をキープしていたBody Shopにも迫る勢いになって
きたというのだ。


M&Sでは、「消費者の関心事」に対して敏感であり、またそれを
自社の次なる経営戦略に生かすことを心がけてきたと発表している。


その結果、「イギリス国民は、気候変動という大きなレベルの問題
よりも、ゴミ問題やリサイクルなどの毎日の生活レベルの問題点に
対して、より関心を持つようになってきている」という消費者
の動きを察知することができたのだ。


そしてその観察を、同社の100のコミットメントの中からまずは、
包装資材の削減や、ショッピング袋の削減といった項目に対して、
積極的に取り組み、成果を発表することに注力してきた。


こうして、消費者の注目度の高い事象にフォーカスした企業活動を
展開したM&Sは、狙い通りのブランドイメージを早期に醸成する
ことに成功したのだ。


ちなみに、「PLAN A.com」では、ユーザーをより巻き込んだ形で
プロジェクトを進行するためにいくつかの仕掛けを行っている。


・ニュースレター、メールマガジンの発行
 →定期的な情報発信、ユーザーとのコミュニケーション維持。


・「Your Pledges(あなたの約束)」コンテンツの提供
 →ユーザーが自分自身の、環境改善、ゴミ削減への取り組み実績
  や経過を入力し、管理できるコンテンツ。
  ユーザーは「参加」することで、より忠誠心やマインドシェアが
  高まるという事実を、有効に活用している。


・1000ポンド(約13万6千円)節約できる、生活スタイルの改善
 ポイントを提示
 →ユーザーに「響く」コンテンツ(情報)提供を随時行うことで、
  サイトへのトラフィック数や、ユーザーの関心を維持。


・提携団体であるOxfamへ古着を寄付すると、M&S店舗で使用できる
 5ポンドの割引券をプレゼントを実施
 さらに、友人へもお得情報を広めるための、E-cardを用意
 →ユーザーに「還元(profit)」を与え、参加意識を高める
 →ユーザーのネットワークを利用し、さらなる口コミ効果を期待 



このように、5カ年計画の良好なスタートを切ったM&S社。
間もなく行われる最新版の調査に向けても、今回の代替エネルギー利用
に関するニュース発表を含め、様々な企業活動のアピールに余念がない。
消費者がどのような判断を下すのか、楽しみである。


※Marks and Spencer Website: http://corporate.marksandspencer.com/




【今週の真似したいPRの切り口 From UK】


企業が理想とするブランドイメージを、消費者にも同じく抱いてもらうため
には、どのような取り組みが有効なのか?



この疑問のヒントとなる事例が、イギリスロンドンに本社を置くMarks &
Spencer社(以下M&S)の取り組み、「PLAN A」だ。


「PLAN A」は、環境保全やゴミ・資源問題などへの同社の取り組みを
より、深く、早く、また広範囲で実行するためにスタートしたプロジェクト。
2007年から2012年までの5年間の間に、達成すべき合計100個の目標を掲げ、
消費者やサプライヤーを巻き込みながら展開している。



この活動が功を奏し、同社は、「グリーン=エコ」というブランドイメージを
より一層獲得することに成功した。それは、「The Image Power Green Brand
Survey」という、毎年1回アメリカとイギリスで行われている消費者意識調査の
結果に表れている。

2007年版で6位だった同社は、2008年版では第2位に浮上。イギリスで不動の
1位を誇るBody Shopにも迫る勢いだったのだ。




同社によれば、消費者からの信頼を維持し、ブランド力を高めるために
企業に必要なことは、以下の二点。

一つは、「常に消費者のニーズに対して敏感であること」。また二つ目には、
「消費者の関心事項について、双方向のコミュニケーションを積極的に
とること」である。




最近のイギリス国民の関心事は、「気候変動」という大きなレベルの事象よりも、
「ゴミの削減」「リサイクル」という毎日の生活レベルの問題にあると言われて
いる。そこで、M&Sでは、まずはこの「ゴミの削減」「リサイクル」に関する
達成目標について、積極的に対策を施し、その成果や過程を定期的に発信して
きたのだ。

店頭での告知、プレスリリース、ニュースレター、メールマガジン、ウェブ
サイトの頻繁な更新など、消費者とコミュニケーションをとれる場を最大限に
利用して、情報発信を行っている。


また、消費者に対しては、同社のこの活動に賛同し、主体的に参加するように
呼びかけ、彼らの関心事に関連するコンテンツをウェブサイトで提供している。




もちろん、多くの企業が同様に環境問題に対して様々な取り組みを行っている。

今回のM&S社の取り組みは、消費者の声に呼応し、優先的に達成すべき
具体的な課題を選択し、実行。またその成果を共有することによって、
ブランドイメージ向上という成果を得ることができることを示している。




【今週の目ウロコ度】


4ウロコ
  
 「他山の石」科目

 自身がより良くなるために役立つ他人の言。どんな他人の言葉も、自分を
 顧みる材料となるという意。 




【編集後記】
 

【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


 今回の取り組みでは、M&Sは「環境問題」という大きなカテゴリーの
 中から、 消費者の現在の関心事である、より小さなカテゴリーにあえて
 フォーカスし、重点的に施策を展開した。


 おそらく、これによって消費者のM&S社の取り組みに対する理解を
 より容易にしたであろうし、その評価も高まりやすい状態を醸成して
 いたのだと思う。

継続的にCSR活動を展開し、グリーンのイメージが定着しているBody
Shopにどこまで迫り、またどういった手法で差別化していくのか、今後の
 展開も楽しみだ。


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