NY発!経済・社会環境を見極め、自社で展開してきたCSR活動を集大成したスープレストラン! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週の真似したいPRの切り口 From アメリカ】



人々が不況にあえぐ今だからこそ、より効果的に人々に良い印象を与える
チャリティーイベント。自社の看板商品であるスープ20000杯を、
ニューヨーカーに無料配布!知名度の高い他団体とのパートナー
シップによって、メディアの注目度もアップ!



ニューヨーク発祥、現在では全米、カナダにそのフランチャイズ店舗を展開
するレストラン、スープキッチン。


同社では、1984年の創業以降、新店舗オープンの度に出店地の飢餓対策や
貧困層の救済を行うチャリティー団体への寄付を行ってきた。


今回、これまでの同社のCSR活動に対する認知や理解を深め、そして
企業価値をさらに上げるという目的のもと、ある取り組みが実行された。



それは「餓えるニューヨーカーに20000杯のスープを無料提供する」というもの。


しかし、同社単独で行ったのではメディアや人々の注目を惹くための
労力も計り知れず、また力足らずでもあるという課題を感じていた。
そこで、同社は下記の仕掛けを行うことによって、「ニュース」を作ったのだ。


1:知名度、公益性の高い団体とのコラボレーション
2:アイコンとなる著名人の起用
3:世間が注目する「オバマ大統領」を絡めたコメント発信
4:経済低迷、人々の生活が混迷する現在の社会情勢に合わせたタイミング



 結果として、スープキッチンでは、今回の集大成とも言えるCSR活動の
仕掛けを通して、それまで積み上げてきた同社の慈善活動全体にもスポットを
当てることに成功し、企業のブランド、イメージを向上させた。


 スープを無料で提供するという手法は、これまで同社が行ってきたもの
であり、何か新しい活動を始めたわけではない。
 しかしながら、単独ではなく上手く他者の知名度やパワーを利用したり、
メッセージを発信する方法を工夫することで、ニュースとなったのだ。 



   ■さらに詳しい切り口の裏側は、【お知らせ】の後に!■

    「コラボした団体はどこだったの?何がメリット?」
    「オバマ大統領へ提言?なぜ??」

          続きは【お知らせ】の後
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【今週のシナリオ】



アメリカはニューヨークに、「伝説のスープ男」と言われる人がいるのを
ご存知でしょうか?


彼の名は、アル・イエガネー氏(Al Yeganeh 以下:アル氏)。



イラン生まれの同氏は、渡米後、1984年にスープキッチンインター
ナショナル社(Soup Kitchen International 以下:スープキッチン)を
設立。NYマンハッタンに最初のレストランをオープンしました。


同レストランは、提供するスープのクオリティの高さで人気になった後、
改めて「The Original SoupMan」という店舗名でフランチャイズ展開を
スタート。第一号店はニュージャージーに2005年にオープン。


現在では、アメリカ、カナダを中心に50以上のフランチャイズ店を展開
する他、通販、スーパーマーケットでのスープのフリーズパック販売なども
行っています。



さて、このスープキッチンですが、2005年以来一貫して行ってきた
非常に評価の高い社会貢献活動(CSR)があります。


それは、同社が新しいフランチャイズ店をオープンする度に、出店地の
飢餓対策チャリティー団体に対して寄付を行ったり、スープを提供すると
いうものです。
ちなみにこれまでの寄付総額は、アメリカおよびカナダでトータル
55000ドル以上に及んでいます。


アル氏はもともと、「飢えに苦しむニューヨーカーを救済したい」と
いう思いを抱いていた。そこで「Al's Feed The Hungry Foundation」
という基金を主催し、飢えに苦しむニューヨーカーをサポートする
ための基金への寄付を、HP上などでも呼び掛けています。


このようにして同社では、新店のオープンごとに地域コミュニティに
対して自社の企業活動の利益を還元することで、企業価値を高めてき
ました。また、その活動を定期的にメディアに対してリリース発信を
行いながら、新店舗の認知を上げ、また消費者の「The Original
SoupMan」への理解を促してきました。
まさに地道なPR/広報活動の積み上げを行ってきたのです。



もちろん、これは企業の重要なPR/広報活動であり、継続してきた
意義は大変大きいものです。


しかし、一介のスープストアのCSR活動、なかなかアメリカ全国
レベルで取り上げられ、ニュースとなることも少なかったのです。
そこで、せっかくの有意義なCSR活動をもっと認知してもらいたい、
さらに同社の理念に賛同し、協力してくれる人々の輪を広げたい、
という思いから、今回その集大成とも言える、同じく同社のCSR
活動に絡んだ大きな仕掛けを行ったのです。



スープキッチンが行ったCSR活動は、「餓えるニューヨーカーに
20000杯のスープを無料提供する」というもの。


そして同時に行った仕掛けとは、大きく4つ。


1:知名度、公益性の高い団体とのコラボレーション


 「World Hunger Year」(以下:WHY)及び「New York City Coalition
Against Hunger」(以下:NYCCAH)、2団体との連携。


 WHYは、1975年に著名なアーティストであったハリー・チャピン氏
と現在も専務取締役を務めるビル・アイレス氏の両者によって設立。そ
の後も、ブルース・スプリングスティーンやジャクソン・ブラウンなど著名な
アーティストの支持を受けている。


 アメリカ全土の貧困に苦しむ家族を救済するために、給食施設やシェルター、
地域の団体と協力して、食料の提供をメインに、職業訓練プログラムの
提供なども行っている。


 NYCCAHは、1980年代まで個々に貧困層の救済にあたってきた教会系などの
様々な団体を一つにまとめ、より強い実行力を持って活動するために、
組織された団体。食糧配給プログラムや、様々な事前活動を行う他、
ニューヨークの貧困問題に対する社会への啓蒙活動も行っている。
 
 
 去る2月25日、ニューヨークでスープキッチンはWHYとともにメディア
イベントを共催した。WHYに賛同するアーティストである、リサ・
ブッシェル氏を特別ゲストに迎え、彼女がWHYのチャリティーアルバム
から、シングル「TIME」のパフォーマンスを行った。


 また、NYCCAHのメディアへのコメントの中では、「スープキッチンの
多大な貢献にも感謝する」と発表されており、第三者の声によってスープ
キッチンの企業価値が上がる結果となった。


 これら2団体は、どちらも社会的な影響力が大きく、また知名度も高い。
そのため、人々やメディアの彼らの活動に対する注目度がもともと高い
のである。そのため、彼らと協働することによって、スープキッチンも
また、人々により認知される結果となった。



2:アイコンとなる著名人の起用


 アメリカメジャーリーグベースボールの殿堂選手たちが集う、「Major
League Baseball Hall of Fame legend」のReggie Jackson氏(レジー・
ジャクソン氏)を起用。

 同氏はアル氏の基金の活動を牽引する役割を果たしており、同氏によって
800ガロンのスープが3つの給食施設に寄付されることが決定。


 知名度もあり、好感度の高いレジー氏の起用によって、彼の行動への関心
から、スープキッチンへの関心・認知も高まっています。また、スープ
キッチンへのメディアでの取り上げられ方も向上する結果になった。



3:世間が注目する「オバマ大統領」を絡めたコメント発信


 未曾有の経済不況の中、オバマ新大統領の経済対策、また弱者救済策への
社会の関心が非常に高まっている。


 ちなみにオバマ氏は、氏のAnti-Poverty Planにおいて、2015年までに
アメリカの子どもたちの飢えを無くすと発表している。

 NYCCAHのエグゼクティブディレクターはメディアの取材などに対し、
このオバマ氏の政策に触れ、


 「私たち(社会、市民)は、オバマ氏をプッシュしなくてはならない。
  「私たちならできる」ではなく「私たちはできました」にならなくては
  ならないのです。」


 オバマ氏の有名な発言、「Yes We Can」を上手に利用。このような印象的
なフレーズがあると、メディアの側もニュースとしやすいし、人々の印象にも
残りやすくなる。



4:経済低迷、人々の生活が混迷する現在の社会情勢に合わせたタイミング


 長引く不況、倒産やリストラによって人々の不安が増し、また政府や様々な
団体からの保護、サポートを求める弱者も増加している。こういった社会の
ニーズ、また人々の関心が高いタイミングでの、今回の救済プログラムの発表、
イベント等の実施だった。

 平常時に、そもそもの人々の関心を高める段階からスタートしなくては
ならない場合と比較すると、より少ない労力でメディアや人々の関心を惹き、
印象に強く残すことができる最適なタイミングだった。




 スープキッチンでは、今回の集大成とも言えるCSR活動の仕掛けを
通して、それまで積み上げてきた同社の慈善活動全体にもスポットを
当てることに成功し、企業のブランド、イメージを向上させた。


 スープを無料で提供するという手法は、これまで同社が行ってきたもの
であり、何か新しい活動を始めたわけではない。
 しかしながら、単独ではなく上手く他者の知名度やパワーを利用したり、
メッセージを発信する方法を工夫することで、ニュースとなったのだ。 


※Original SoupMan Website:http://originalsoupman.com/

 


【今週の目ウロコ度】


3ウロコ
  
 「共同一致」科目

 二人以上が力や能力を合わせて事にあたる意味。 


 

【編集後記】
 

【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


 これまでのメルマガの中でも、ニュースをリリースするタイミングの
重要性や、リリースやコメントを発表する際の「書き方」「見せ方」に
よる効果の違いなどを紹介してきました。

 今回のスープキッチンの事例は、それらを複合的に組み合わせ、また
同じ志を持つ、自分よりもパワーのあるパートナーと連携することに
より、自社のポジションを上手に引き上げています。


 他人の力を利用することは格好悪い?そんなことを言うのは馬鹿げて
いますよね。変なプライドを捨てれば、実は案外すぐ近くに強力な
協力者は存在しているのかもしれませんね。


※公式英語ブログ http://sugoiprjapan.seesaa.net/
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