商品の「ストーリー」を語ることで、消費者とコミュニケーション。商品力&企業価値UPの手法とは? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週のHOTニュース From the USA】


 商品の背景にある「ストーリー」を語ることで、消費者とコミュニ
ケーション。商品自身とそれを提供する企業のブランド力を向上させる
その方法とは?




【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!



 アメリカで、商品のライフストーリーを消費者に提供することで、商品力
と企業力を高める動きが広まっている。


 青果物生産・販売大手のドール社では、青果物のロゴシールに3桁の数字
をプリントしている。消費者は、ドール社のウェブサイトへいきその数字を
入力することで、自分がいま口にした果物が、どのように生産されたのか、
どんな人が育てていたのかといった情報を得ることができるのである。


 また、家族経営の個々のコーヒー農園と契約を結び、コーヒー豆を販売
しているクロップトウーコーヒー社でも、ウェブサイト上にコーヒー豆
を生産している個々の農園の情報を詳細に提供している。「Trace Your Cup」
と称されるコーナーでは、農園の立地や環境情報から、栽培社の顔、そして
彼らからのメッセージも閲覧できるようになっている。


 このように消費者に対し、商品の背景にある「ストーリー」を提供する
ことによって、消費者は商品者サービスをさらに深く理解し、またある時は
生産者に親しみを感じ、さらにある時には生産者や販売者の理念に対して、
より一層の共感を抱くことを狙っているのである。またそうすることにより、
自社商品のコアなファンを増やし、商品力(ブランド力)を上げることに
成功しているのである。


  
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【ニュースの裏側】



 「自社の商品を消費者にPRしたいが、アピールするポイントが
  これといって見つからない…。」


 そんな時に、どんな商品やサービスであったとしてもアピールが可能な
ポイントがある。それは、商品やサービスの背後にある「ストーリー(
Product Life Story)」である。


 「ストーリー」と言っても、実に様々だ。商品の開発秘話、開発に
携わった開発者の素顔に迫るストーリー、また商品に利用されている素材
一つ一つの特徴や生産工程に係るストーリー、さらには商品が消費者の
もとに届くまでの流通系ををたどるストーリー…。




 アメリカでは、この「ストーリー」の提供が、消費者に求められている
情報であり、この「ストーリー」の提供を通して、カスタマーに自社商品の
理解を深めてもらい、商品、ひいては企業活動に共感してもらうことが重要
であるとの認識が強まってきている。


 特に、フード業界において、原材料がどこで、どのように、誰によって

生産され、どのように流通し、自分たちの口に入っているのか…

その情報を求めるカスタマーの数が増えてきているとされている。


 そしてそこには、昨今の経済環境の変化や、地球環境問題に
対する認識の広がりなどが影響しているのである。


 
 日本でも、食の産地偽装問題や、薬物混入、偽造表示などの一連の
食品産業に対する不信感の中で、消費者のこういった情報を求める
傾向は一段と強まっているし、求める層の裾野も拡大している。


 これまでは、中でも知識にどん欲である、トレンドに対する感度が高い、
また、より教育された消費者ほど、こういった情報を強く求める傾向にあり、
また彼らに対しては提供する価値があるとされていた。


 しかし、昨今の「ヘルシー・オーガニック志向」や「エコ」「地球環境
保護」「フェアトレード」などのムーブメントが、この情報要求をする層の
拡大を後押ししていると言われている。


 その結果、企業はあらゆる消費者層に対し、様々な「ストーリー」を
提供する必要性が出てきたのである。




 このような流れを受けて、消費者への「ストーリー」提供に取り
組んでいるアメリカの事例をいくつか挙げてみたい。

 
 
■Dole Food Company,Inc.(ドールフード社)

 
 ドール・フード・カンパニー(Dole Food Company, Inc.)通称Doleは
米の多国籍農業・食品企業である。カリフォルニア州ロサンゼルス郡の
ウェストレイク・ビレッジ市に本社を置き、世界90カ国以上に拠点を展開
している。日本法人は株式会社ドールで、バナナやパイナップルなどの
果物やジュースなどでおなじみである。



 ※Dole Food Company,Inc. Website: http://www.dole.com/



 では、このドール社ではどのような取り組みを行っているのだろうか?

 日本で販売されているドール社の青果物にも張られている、ロゴシール。
アメリカではこのロゴシールに、3桁の数字が記載されている。これは、
Dole Producer Code(DPC)と呼ばれるもので、青果物の生産者を表して
いる。


 消費者はこのコードを、同社の「Dole Organic Project」のウェブ
サイトで入力することで、バナナ、パイナップルやマンゴーなどが、どの
ようなオーガニック農園からやってきたのか、その情報を得ることができ
るのである。現在約30の農園が登録されており、農園の場所や設立などの
背景、農園の作物やそこで働く人々の写真も閲覧できるようになっている。
また、いくつかの農園からはその輸送や包装に関する情報も提供されて
いる。


 ドール社では社の方針として、「消費者を教育すること」と「地球に
やさしい農業の方法の発展」を掲げている。その一環として、オーガニック
PJを展開しているのであり、その価値を消費者に理解してもらい、
支持を取り付ける方策として、このコードを導入し、商品の背景にある
「ストーリー」を提供しているのである。




■Crop to Cup Coffee Co.,(クロップトウーカップコーヒー社 以下C2C社)


 C2C社では、インドネシア及びウガンダの家族経営の農場やその輸出を
サポートする組合と契約し、そこで生産されたコーヒー豆をアメリカ
での店舗販売、ウェブショップを通しての世界中への販売を行っている。



 ※C2C Website: http://croptocup.com/index.php




 同社では、契約農家、小売業者及びレストラン、消費者の3者に対して
それぞれにメリットを提供することを社の方針として掲げている。


 その中で、契約農家に対してはフェアトレードを行うことはもちろん、
さらに市場平均価格の20%増しで買い取ること、利益の10%還元、また
コーヒーが購入されることに5%の還元が約束されている。


 小売業者及びレストランに対しては、確実な商品の提供はもちろんで
あるが、マーケティングツールの提供や、教育研修の機会を提供すると
している。


 さらに、消費者に対しても経済的な実利還元、及び教育の機会を提供
している。実利還元のユニークな方法として、C2Cでは、コーヒー豆の販売を
「DevelopNet Iganga」というNPOを通して行うことで、消費者の
商品購入代金から5%の控除を可能にしているのである。


 また、教育の機会としては、同社ウェブサイトを通して、「Trace
Your Cup」という、自分がいま飲んでいるコーヒー豆のもつ「ストーリー」
すなわち、生産地や栽培農家の情報を知ることができるシステムを
提供している。その中で、栽培農家の情報はもちろん、栽培者の家族構成や
彼らのビデオメッセージも閲覧できるようになっている。




 このように、企業は商品の起源「ストーリー」を消費者に対し開示する
ことで、消費者とコミュニケーションを図り、消費者の求める情報を提供
することにより、顧客満足を高め、また商品や企業に対するの信頼度と
その価値を高めているのである。


 そして、その「ストーリー」になる素材は、青果物やコーヒーであっても
良いし、また例えばある洋服に利用されている綿素材の綿花のルーツをたどる
内容であっても良いのである。素材は無限にある。



 アメリカのマーケティングコンサルティングファームLLCは、こういった
消費者の「ストーリー」を求める動きに対し、下記のように分析している。



 「現代において、商品購入のプロセスにおいて、消費者というものは、
それぞれに個々に異なった観点と手法を用いて自分が「必要とする」情報を
探しているのである。
 だからこそ、企業は様々な「ストーリー」を、様々なメディアや手段を
通して提供し、消費者に情報の「選択肢」を数多く与えることが必要に
なっている。」


 「こうした情報提供を効果的に行うことで、消費者とコミュニケーションを
図り、次に提供すべき情報を見極めていく、また新たな商品やサービス開発の
アイディアを得るといったマーケティング活動にも有効なのである。」




 消費者に「ストーリー」を提供することで、消費者は商品者サービスを
さらに深く理解し、またある時は生産者に親しみを感じ、ある時は生産者
や販売者の理念により一層共感することを狙っているのである。そうして、
自社商品のコアなファンを増やし、商品力(ブランド力)を上げることに
成功しているのである。


 

【PRの切り口】



 
 商品やサービスの背景にある、「ストーリー」を様々な切り口と観点で
語り、あらゆるメディアや手段を通じて消費者に提供する。そうした情報
は、消費者にとって商品の「付加価値」として受け取られるのである。
 これにより、商品やサービスのコアなファンを多く作り、他商品との
差別化ポイントを明確化し、商品価値を向上させることができるのである。
また、このように情報をきちんと開示する企業であることを示すことにが、
企業の信頼度、ブランド力を向上させることに有効なのである。

 

【今週の目ウロコ度】


 2ウロコ

  フグフグ


  
  「宝の持ち腐れ」科目

  役に立つものを持っているのに、しまいこんで使わないことの意
  
 



【編集後記】



 

 【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


 「情」や「親しみ」「共感」といった感情は、商品やサービス・店舗など
様々な対象に対して発生するものだと思います。それは、時として商品と
接している時間の長さに起因する場合もあり、また今回のトピックスのよう
に、商品の背景にある「ストーリー」に何らかの共感できる部分があった
場合もあるでしょう。


 例えば、「このコーヒーは100%オーガニックの豆を使用しています」と
表記されたいくつかのコーヒーが店頭に並んでいるとする。そうすると、
オーガニックであることはすでに当たり前なのである。そこで、私が判断
基準の一つとして求めるのが、価格などに加え、「オーガニック」という
言葉が包含する内容に差異があるのか?という情報なのです。


 商品はどのような過程を経てきたのか?開発者はなぜ「オーガニック」に
することが必要であると判断したのか?産地はどこなのか?また、生産者は
どんな顔の人で、どのような毎日を送り、どのような環境のもとで、どんな
風に生産活動を行っているのか?そんなより細かな裏側の情報が、商品に
付加価値を与えるのだと思います。


 また、その「ストーリー」の面白さで消費者を魅了できるかどうか、
「ストーリー」には、消費者の心をつかむ何かがあるかどうか、そこが
差別化の重要なポイントなのだと思います。
       
 
※公式英語ブログ http://sugoiprjapan.seesaa.net/
 ※編集者ブログ http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/
 ※七里ガ浜レンタルスタジオ http://shichirigahamastudio.blog44.fc2.com/




【【スゴい★PRのPR】】



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