【今週のHOTニュース From the USA】
米ファーストフードチェーンが仕掛けた、「5ドル現象」
戦略を思い立ったきっかけと、その効果とは?
【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!
米ファーストフードチェーンのひとつ、サンドウィッチで有名なサブウェイ
が、昨年から$5メニューを看板商品とするキャンペーンを展開していた。
長引く悪化した経済環境の中、外食の機会から離れ行く消費者を何とか
つなぎとめよう、そして願わくば新たな需要も掘り起こそうとして始まったのが、
この「$5メニュー」なのである。
サブウェイでは、消費者の、「節約・倹約」志向にいち早く対応することが
重要であると考えた。昨年のサブプライムローン問題に端を発した、アメリカ
経済の混乱と低迷は、一般家計に深刻な影響を与え、人々が「外食費」を削ろう
とするであろうことは、容易に想像できたのである。
そのため、「外食=高い、余計な出費」という消費者の持つ観念をくつがえす、
そうとは感じられない価格設定で、「一般家庭の財布に優しく、手軽で
利用価値の高いメニュー」であることを打ち出すことにより、消費者を
つなぎとめ、またほかのファーストフードチェーンからの客足をも取り込んだ
のである。
ちなみに、この$5メニューはほかのファーストフードチェーンにも波及し、
「$5 Phenomnon(5ドル現象)」と呼ばれるまでになった。
サブウェイでは今回のキャンペーンを非常に効果が高かったものとして
評価している。客数を伸ばし、売り上げがアップしたたことはもちろん、実は
客単価もあがったというのだ。
さらに、他の業界各社も巻き込んだキャンペーンは世間のニュースとなり、
さまざまなメディアで取り上げられ、サブウェイのプロモーション効果は
絶大なものとなったのである。
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【ニュースの裏側】
長引く不況、経済の先行き不安。
家庭の財布の紐は、よりきつく閉められるばかりとなって久しい。
その影響は日々の生活のさまざまな場面に現れている。そのひとつとして、
「サラリーマンのお小遣い(ランチ代)」が話題となっていた。
ランチといえば、大体一日あたり1000円以下に抑えることが一つの目安
だったのではないだろうか?それが昨今は、「500円=ワンコイン」が
新たな目安として台頭してきたとメディアで取り上げられていた。
コンビニエンスストアでおにぎりの販売が好調な理由。
それを説明する一つとして、会社員が昼食としておにぎりを購入する
機会が増えているからだという説もあった。手軽でヘルシー、最近では具や
味のバリエーションも豊富。そして何よりも価格も安い。
たとえば、一回のランチをおにぎり2個とお茶にすればワンコインでおつりが
十分にくる。おにぎりを3個にしても良いだろう。外でランチを食べるよりも
幾分か安く、そして待つこともない。
さて、そんな外食の機会から離れ行く消費者を何とかつなぎとめよう、そして
願わくば新たな需要も掘り起こそうとして始まったのが、アメリカのファースト
フードチェーンが展開した「$5メニュー」なのである。
きっかけは、日本でもおなじみのサンドウィッチチェーン、「SUBWAY(サブウェイ)」
が昨年2007年のサンクスギヴィングデー直前に、フロリダ州のフランチャイズ
からスタートした、「$5 Footlong」プロモーションだった。
※Subway Website:
Footlongはその名のとおり、少々大きめのサイズのフレッシュサンドウィッチ。
中のメインの具材を、チキン・ターキー・ローストビーフの3種から選べ、
野菜やシーズニングも、ほかのサブウェイのサンドウィッチ同様に、好みに
合わせて選ぶことができる。
さて、その後キャンペーンはアメリカ全土のフランチャイズ店に拡大し、今年の
3月までキャンペーンおよびその告知が大々的に展開されていた。
ではなぜサブウェイはそのような戦略に打ってでたのだろうか?
その理由は単純明快であった。消費者の、「節約・倹約」志向にいち早く
対応することが重要であると考えたためである。昨年のサブプライムローン
問題に端を発した、アメリカ経済の混乱と低迷は、一般家計に深刻な影響を
与えた。またゆえに、人々は「外食費」を削ろうとするであろうことは、
容易に想像できたのである。そのため、「外食=高い、余計な出費」と
感じられない価格設定で、「一般家庭の財布に優しく、手軽な利用価値の高い
メニュー」であることを打ち出すことにより、消費者をつなぎとめよう、
またほかのファーストフードチェーンから取り込もうとしたのである。
また、今回サブウィがキャンペーンの想定利用シーンと設定したのは、下記の
ようなターゲットだった。
1:独身男性 夕食
2:母親と子供 ランチ(シェア)
3:ティーンエイジャー クラブ活動やスポーツゲームの前のスナック
4:働く女性(出張中) ランチ・夕食
10台から40台まで男女問わず幅広く設定し、その利用シーンを具体的に
プロモーションツールに盛り込んだのだ。
そのサブウェイの戦略・思考を裏付ける要素として、日本でもさまざまな
団体・機関や民間企業により実施されている各種消費者調査の結果があった。
アメリカで行われた消費者調査では、低迷する経済環境の中で消費者の財布の
紐をよりきつく締める傾向は顕著に現れてきていたのである。
また、具体的に回答者の50%以上が、「レストランでの出費を控える」と
述べていた。そこにいち早く危機感を感じ、対策を打ったのである。
さて、通常の価格設定よりも約25%お得な値段設定になっていた、
サブウェイの$5メニュー。その実際の、集客・売り上げ・認知・・・効果は
果たしていかほどだったのだろうか?
サブウェイのキャンペーン開始から約1年が経過する今、そのキャンペーン
効果が発表された。
北米サブウェイフランチャイズ協会のトム氏によれば(私はフロリダ州で
2つの店舗を所有している)、彼の店舗の売り上げは、全国的なキャンペーン
プロモーションがスタートした後、約50%増加したそうである。また、1年
が経過した今でも、約30%増のままキープできているのだ。また、ほかの
フランチャイズ店舗の中には、売り上げが約75%も増加した例も報告されて
いるのだという。
ちなみに、キャンペーンを展開してから過去1年間のFootlongの販売個数は、
地球を約6周する長さに及ぶそうだ。想像もつかない・・・。
このサブウェイの「$5Footlong」キャンペーンの成功を裏付けることとして、
他のファーストフードチェーンも相次いで追随した点もあげられる。またその結果、
「$5Phenomenon(5ドル現象)」とまで呼ばれるようになったのである。
(その他の$5メニュー)
・Quizno $5 DeliFavorite
・Pizza Hut $5 Pizzamia
・Boston Market $5 Rotisserie Chicken with sides
ちなみに、最新の導入メニューはBoston Marketの看板メニューである
ロテサリーチキンのセットであり、2008年8月にスタートしたばかりだ。
そう、いまだに「$5現象」は作用し続けているのであり、それはもはや
消費者の意識の中にすりこまれた価格設定となっているともいえるのだ。
また、Boston Marketでは同様のラインナップとして、$5より少々高額な
メニューも準備している。そう、$5メニューを目玉商品、呼び水としての
機能を期待し、訪れたカスタマーの「買いあがり」を狙っているのである。
余談ではあるが、アメリカでは今年のはじめごろ、「$1Phenomenon」
という言葉も取りざたされていた。これは、マクドナルドが小さめサイズの
メニューを$1で展開したことに端を発するもので、ウェンディーズや
バーガーキングでも同じく$1メニューが販売されたのである。
しかし、その後あまり目立ったニュースは聞こえてきていない。
サブウェイでは、提供するフードの質を保ちながら、消費者の得られる
利益を最大化する(お得感を創出する)必要があると認識していた。
そう、安いだけで消費者の心をつかみ続けることはもはや難しく、特に
リピートさせ定番化させることは難しいと考えていたのだ。そして、自社に
とっても、極端な価格戦略は長く続かないし、ブランド価値を下げるおそれ
があると危惧していた。
そしてその目的を達成するためには、「$5」という価格設定が適していると
判断したのである。そうすることによって、顧客満足とひしめく競合の中で
自社が生き残るという両方の目的をやってのけることが可能だったのだと
発表している。
サブウェイは今回のキャンペーンを非常に効果が高かったものとして
評価している。客数を伸ばし、売り上げがアップしたたことはもちろん、実は
客単価もあがったというのだ。
さらに、他の業界各社も巻き込んだキャンペーンは世間のニュースとなり、
さまざまなメディアで取り上げられ、サブウェイのプロモーション効果は
絶大なものとなったのである。
【PRの切り口】
外食をすることは「義務」ではなく、「選択」である。そうであるがゆえに、
現在のような悪化した経済環境下においては、消費者の支出抑制対象の筆頭
にあがる項目なのである。そして今回のような外食産業にとって、その
マイナス影響は容易に想像できるものであった。
しかし、「外食=高い・無駄遣い」という消費者の意識を逆に利用すること
も可能だったのだ。そうではないと納得させるだけの商品を準備し、メッセージ
を発信すればよかったのである。
日本でも多くの消費者の意識調査報告などが発表されている。各種研究機関
の研究報告や学術論文も参考になるだろう。そこから、起こりうる消費者の
心理状況を読み取り、直接的にはマイナスの影響を及ぼしそうな場合であって
も、逆手にとって利用してみるのはひとつの知恵である。
その際には、わかりやすく「消費者の利益を最大化」しているということを
メッセージすべきである。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「以毒制毒」科目
逆効果を利用し、他を制圧する意
【編集後記】
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。
そういえば、日本でも100円を切った価格設定のハンバーガーなど、
衝撃価格が世間をにぎわせた時があったな・・・と思い出しました。
今でもいくつかのサイドメニューについては、わかりやすい100円などの
価格設定になっているように記憶しています。
でもいまいち分かりやすくないし、インパクトがない。
きっと、「ワンコインでランチはすべてOK」とうたわれたほうがわかりやすく
利用価値を大きく感じるのかもしれません。価格面、手軽さ・・・それらを
含めた私たちが得られる利益が最大化されていると感じるからなのかも
しれません。
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