【今週のHOTニュース From the USA】
アメリカ最大のティーン向けSNS&オンラインマガジンの運営企業が、
通巻250号のメモリアル発行号に合わせて、サイト登録者数の飛躍的な伸びと、
ある女性社員の昇進を大々的に発表!?
一見無関係な2つのトピックスを発表し、ニュース性を増したその意図とは?
【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!
1999年にスタートしたアメリカ初のティーンによる、ティーンのための
SNSサイト兼オンラインマガジン「Kiwibox」が、通巻250号のメモリアル号を
発刊した。
この通巻250号の発行と同サイトをPRするために、Kiwiboxは2つのトピックス
を発表した。
一つは、同サイトのユーザー登録数が、2008年7月から2008年9月の
3ヶ月間で「187%」も増加したというもの。これは250号の節目を
飾るにふさわしいニュースであり、サイトの影響力・パワーをPRする上での
重要なファクトであった。そして、もちろん今回のリニューアルは、「250号」
という節目に合わせて、タイミングを計って準備・実行されたのである。
二つ目のトピックスとは、今回kiwibox全体のマネジメントエディターに
就任した、Blair Edelman(ブレア・エデルマン)という女性の昇進である。
通巻250号においてCEO自らが、ブレア・エデルマンを含む同社の4人の
編集スタッフを紹介するという、250号の発行を支えてきた裏方の「人」に
着目した記事を執筆した。
この記事を通して、同社の社員の業務・能力に対する正当な評価姿勢を示し、
社員やサイトを訪れるティーン、ひいては広告主に対しても好印象を与える
企業姿勢をPRしたのである。
また、記事内で彼女ら社員たちの言葉で、「サイトの価値」「同社で働く
楽しさ」「ユーザーであるティーンへの感謝・メッセージ」を語ってもらう
ことで、同サイトの親和性を高めたのである。
ウェブサイト、自社メディア、店舗、商品、各種パンフレット、会社案内
社員、ユーザー、クライアント…企業の持つ大切な「資産」は多種多様である。
それらを上手に、自社のサイトのPR、企業PR及びエンプロイー・
コミュニケーションの手法として活用した事例である。
【ニュースの裏側】
「Kiwibox」
これは、アメリカ初&最大のティーン向けSNSサイト&オンラインマガジンの
名称である。ご存じだっただろうか?
※Kiwibox Official Website : http://www.kiwibox.com/
このKiwibox.comは、1999年にスタートしたアメリカ初のティーン向け
SNSサイトである。
このSNSサイトの面白い点は、ここで閲覧できるトピックスや記事のほとんどが、
メンバー登録をしているティーン自身によって書かれているという点である。
そこで取り上げられているトピックスは、ファッション、音楽、ゲーム、
恋愛、ライフスタイルを中心にありとあらゆる項目に及ぶ。無論、誰でもが勝手に
記事投稿ができるわけではなく、「レポーター」になるには申込みとそれなりの
努力が必要である。
ちなみに、サイトで公開されている「レポーター採用基準」は下記の通り。
・13歳以上
・サイトのプロフィールを完全に入力していること
・毎週最低1本以上の面白い記事が書けること
・サイト上からトピックスを選び、それについて300字から800字で
オリジナル記事を書き、事前に編集部へ送付すること
・申込フォームの記入&応募
要は、きちんと選別された「ティーンライター」達が活躍しているのであり、
そこで記事を執筆するティーンになることは、ある意味「あこがれ」なのである。
そして、ユーザーと同じ「ティーン」によって書かれた記事・意見だからこそ、
共感しやすいのである。さらに、「自分だって!」と、よりユーザーの
参加意識を高められるのである。
そういえば、余談ではあるがアメリカの「ティーンセレブ」の筆頭と言えば、
マイリー・サイラス(Miley Ray Cyrus)。ディズニーチャンネルのテレビドラマ
「シークレット・アイドル・ハンナ・モンタナ」でブレイクした超有名
セレブである。
その言動、ファッション、メイクアップがティーンの動向に大きな影響を
与えると言われている。そんな彼女がマーケットに与える「アイコン」
「インフルエンサー」としての影響力は言わずもがなである。無論、彼女に
関するトピックスも、同Kiwiboxに度々登場している。
私自身は、日本の同世代の女性有名人にそこまで大きく影響を受けたという
記憶はないが、「○○が身につけた洋服は、雑誌の発売直後に即完売!」
といったことは、良く耳にする話である。
アメリカでもこれは同様だ。そしてそんな「セレブ情報」や「ホット
トピックス」を全米中に媒介しているのが、この「kiwibox」なのである。
そのため、「Kiwibox」は様々な広告主やマーケッターにとって、
恰好のマーケティングチャネルともなっている。
さて、そんな「Kiwibox」は先日、通巻250号の発行という節目を迎えた。
その節目に合わせて、同サイトは2つのトピックスを発信している。
一つは、同サイトのユーザー登録数が、2008年7月から2008年9月の
3ヶ月間で「187%」も増加したというもの。この飛躍的な登録者数の伸びは、
同時期にサイトで行われたリデザインによるものだとの見解を示している。
徹底的にユーザーのサイト上での行動と彼女たちの意見を集約・分析し、
トピックスの拡充とユーザービリティの向上を図ったそうである。
もちろん、この3ヶ月で200%近いユーザー数の伸びは、250号の節目を
飾るにふさわしいニュースであり、サイトの影響力・パワーをPRする上での
重要なファクトであった。そして、もちろん今回のリニューアルは、「250号」
という節目に合わせて準備・実行されたのである。
しかし、今回「kiwibox」のCEOであるLin氏は、もう一つフォーカスすべき
「トピックス」を設定していた。そして、それによって「Kiwiboxはどんな
ポリシーを持ったSNSであろうとしているのか、またKiwiboxとはどのような
企業なのか?」ということを示し、さらに親和性を高めようとしたのである。
その2つ目のトピックスとは、「ある女性社員の昇進」である。
その女性とは、今回kiwibox全体のマネジメントエディターに就任した、
Blair Edelman(ブレア・エデルマン)。先述のCEO、Lin氏によれば、
「今回の通巻250号という記念すべき快挙は、過去9年間の多くの
ティーン達によるサポートと、ブレア・エデルマンをはじめとする、
我々の専門的な編集チームの献身的な活動によるものなのだ。
そしてこの両者があってこそ、kiwiboxはティーンの表現の場として
プラットフォームたりうる存在となるのである。」
通常の雑誌や新聞などの署名記事とは異なり、kiwiboxでは、ティーンからの
投稿コンテンツや記事を管理・編集するエディターやスタッフたちの名前や
姿が表に出ることはない。
あくまでも、「kiwibox」ではユーザーでありレポーターであるティーンが
主役であり、そこに徹底してきたからだ。
とは言え、働く社員達に「輝く」場(表舞台に出るチャンス)を設ける
こともたまには必要なのである。
褒められる、認められる、称賛されれば社員はうれしいものである。
そして、そんな場面を目にすることは、その他の多くの社員の
モチベーションアップにもつながる。
通巻250号においてCEOであるLin氏自らが、ブレア・エデルマンを含む
同社の4人の編集スタッフを紹介するという、裏方の「人」に着目した記事を
執筆している。その記事を通して、同編集部では社員の仕事や能力を正当に評価し、
昇進などの機会を適切に提供しているのだという事実を示すことができている。
それは、社員にとってもまたサイトを訪れるティーンやひいては広告主に
とっても、好印象にうつる企業姿勢であろう。
そういえば日本でも、ある商品を紹介する際に、その「開発者」や
「仕掛け人」などにフォーカスした記事を展開している例が見かけられる。
そこにストーリーがあり、感情が見え隠れするドラマを感じるからこそ、
人々の関心を引き付けられるからであろう。
この手法を商品やサービスのPRに利用しない手はない。
さて、記事中では、彼女ら社員の言葉を通して、「kiwibox」の魅力が
語られ、そこで働く楽しさと喜びが伝えられている。彼女たちが自身の
キャリアについて語る、そんな率直な言葉から、同サイトの価値が
高められているのである。
そして、これは企業への就職説明会などの場で流される映像などにも
共通する効果であるが、そこで働く、ターゲットに比較的近い世代の
社員達の精力的な姿や、彼女らの率直な言葉ほど、参加者たちへの
説得力と影響力の大きいものはない。
記事中の彼女らの言葉を通して、サイトだけでなく、ひいては
同社の企業価値も高められているのである。
また、改めて同サイトを支えてくれているティーン達への感謝の
言葉が述べられ、それが「一緒にサイトを作っていこう」という
呼びかけとなり、サイトとユーザーの結束を強めるという効果を
もたらしたのである。
「おかげさまで250号!」…、支えてくれるティーンと社員達。その
両者への「感謝」を表現したメモリアル号の仕立てになっている。
「おかげさまで●周年」「おかでさまで●個突破」…など、ユーザー
やカスタマーに支えられて…というメッセージを、商品やサービス・
店舗PRの際のコピーに利用している場面は多くあるが、今回のKiwiboxの
仕立てもまさにそれである。
特に、同社にとってはティーンは、ユーザーでもありまた、大事な
レポーター(情報提供者)でもある。彼女らの満足度を高めておくこと
は、サイトの継続的な発展に必要不可欠なのである。
さて、何かと「アイコン」に影響を受けやすいアメリカのティーン。
自分たちの信奉する同サイトのために、生き生きと働くサクセス
ウーマンとして映るであろう、ブレア・エデルマン氏の昇進トピックスは、
サイトの大切なユーザーでありレポーター・情報源でもあるティーン達、
その心理に大きな影響を与えることを期待していたのである。
また、彼女たちの良きロールモデルとして提示し、ティーンの健全な
育成に貢献する同サイトの姿勢を示そうという意図も見え隠れしている。
今回、Kiwiboxでは同サイトの順調な成長と、サイトの魅力をPRするための
切り口として、「オンラインマガジン通巻250号」「登録ユーザー数が200%
近い飛躍的な伸び」「女性社員のマネージメントエディター昇進」という
3点を用いた。
そして特に3点目の切り口には、そこに「Kiwiboxで働く社員の満足度向上、
モチベーションアップ」、「Kiwiboxという企業の価値向上」を狙うという
CEOの意図も含まれていたのである。
「社員」は大切な企業の資産である。社員との円滑なコミュニケーション
(エンプロイー・コミュニケーション)が、企業活動にとって重要であると
いうことが、強く認識されてきている。
今回、Kiwiboxでは自社の記念すべき250号のオンラインマガジンと、
同社のプレスリリース発行を通して、それを実行する場とした。
プレスリリースを発信することは、あらゆる企業に可能なことである。
また、自社のウェブサイトや、店頭、パンフレット、会社案内など様々な
企業の資産(ツール・場面)が、今回のKiwiboxにとってのオンライン
マガジン記事と同様の場として利用できるのではないだろうか?
その際の切り口(トピックス)は、商品自体が持っているかもしれないし、
社員やパートナーからかもしれない。また、カスタマーやクライアントを
介して提供されるものかもしれない。これらの「企業の資産」を有効に
PR活動に使ってほしい。
【PRの切り口】
今回のKiwiboxが、オンラインマガジン通巻250号発行の発表という機会に
合わせて利用した、同サイトと企業をPRするための切り口には、
いくつかの要素がある。
一点目は、タイミングを合わせてウェブサイトリニューアルによる「結果」
を用意していた点。そしてその数値によって、客観的にサイトの成長性と
影響力を示そうとした点である。一つのトピックスだけでは少々、ニュース性
が低い場合には、合わせ技も効果的である。
二点目は、ウェブサイト・企業を支えてきた「人」である「社員」に
フォーカスし、彼女らの言葉でウェブサイトを語らせることにより、企業と
サイトの信頼度を高めた点である。さらに、社員にフォーカスしたことにより、
彼女らの、同社で働く満足度とモチベーションを高めるという、エンプロイー
コミュニケーションにも成功したのである。
また、上記2点に共通し、同サイトのユーザーであり、レポーターでもある
「ティーンへの感謝」というメッセージを発信している。それにより、支えて
くれる彼女たちの顧客満足度をも、結果的に高められたとも言えるのである。
その結果として、より強いウェブサイトへの支持と、ウェブサイトのさらなる
影響力強化を志向していたのである。
ウェブサイト、自社メディア、店舗、商品、各種パンフレット、会社案内
社員、ユーザー、クライアント…企業の持つ大切な「資産」は多種多様である。
それを上手に、自社のPR活動に活用したいものである。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「瑠璃も玻璃も照らせば光る」科目
互いに異なるものでも、方法によってそれぞれの真価を発揮するという意。
【編集後記】
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。
「オンラインマガジンの通巻250号発行」
確かに、これだけではニュース性は低い。今回のKiwiboxがアメリカの
ティーンの間で人気のSNSサイトであるとしてもである。
しかし、それに合わせて、サイトの人気を示す客観的な数値と、ティーンの
良きロールモデルとなりうる女性像を提示し、サイト(マガジン)と企業の
価値を高めたことで、メディアやユーザーの注目と関心を集めることができた
のである。しかも、社員の自尊心(出世心)もくすぐるような仕立てで!
「実力あるサイト&企業」のPRのために、1)通巻250号、2)登録
ユーザー数の伸び、3)優秀なスタッフという3つのトピックスでうまく
デコレーションしたのだ。
一つ一つは小さなニュースの種でしかなくとも、ひとつの目的のために
それらを集約させることで、パワーが増大する。そんなことを感じました。
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【PR会社のPR】
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