【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!
昨年の奈良県橿原市の妊婦死産、また今月上旬に発生した東京都の
妊婦の死亡を受け、社会や人々の日本の医療体制・制度に対する関心、
また同時に注目が高まっている。
そして、こういった痛ましい経験を経てもいっこうに改善されない状態に、
人々は不安と嫌悪を募らせている。私たち自身がどのように自己防衛を
図ればいいのか、また日本の医療の現状や体制等に関する情報を強く
求めているのである。
そんなニーズに対し、企業や政府、機関はきちんと情報を発信し、
またその機会をある意味利用する形で、事業や組織の存在意義を
PRすることができているだろうか?
アメリカでは最近、下記の面白い取り組みが発表された。
1)妊婦、新生児向け医療情報の、携帯電話やつぶやき投稿サイトを
通した提供
2)NPOによる、インフルエンザ予防接種情報提供・検索サービス
スタート
3)地域密着型総合医療サービス提供をうたう病院と、放射線治療
センターを展開・運営する企業とのJVによる、新たな治療
センターの建設
最近アメリカを騒がせたハリケーンによる国民の意識の高まりを
捉えた情報発信。昨今の社会情勢を考慮して考えられた情報提供と
その手法。また、「季節による流行」トいうタイミングをキャッチした
サービス提供開始。「絵にかいた餅」に終わらせない、企業理念の実行。
世の中で何が問題になっているのか、地域や人々は何を求めて
いるのか?そこに、事業戦略を見出したのであり、またそうすることに
よって、価値あるサービスを展開できたのであり、人々やメディアの
関心も集まったのである。そしてその結果、各機関や企業の認知度が
高まり、ブランド価値の向上につながったのである。
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【ニュースの裏側】
「脳出血で救急搬送された妊婦、7つの医療機関で受け入れ拒否後に死亡」
この衝撃的なニュースが先週大きく取り上げられ、一週間たった今も、
何ら明確な謝罪や対応策も見えない状態になっている。
昨年の奈良県橿原市の妊婦死産、また上記の今月上旬に発生した東京都の
妊婦の死亡を受け、人々の日本の医療体制・制度に対する関心、また同時に
注目が高まっている。
そして、こういった痛ましい経験を経てもいっこうに改善されない状態に、
人々は不安と嫌悪を募らせている。私たち自身がどのように自己防衛を
図ればいいのか、また日本の医療の現状や体制等に関する情報を強く
求めているのである。
そんな折に、アメリカの医療サービスに係るいくつかのニュース、
取り組みを見つけた。日本でも、同じような対応、事業のPRを行うことが
できるのではないだろうか、またその姿勢や手法が参考になる部分が
あるのではないだろうか?
なぜこのタイミングを、上手に利用しないのだろう?
なぜこのタイミングに、適切な情報やサービスの提供を行わないのだろう?
今回紹介する、アメリカで実施・発表された取り組みは3つ。
1)妊婦、新生児向け医療情報の、携帯電話やつぶやき投稿サイトを
通した提供
2)NPOによる、インフルエンザ予防接種情報提供・検索サービス
スタート
3)地域密着型総合医療サービス提供をうたう病院と、放射線治療
センターを展開・運営する企業とのJVによる、新たな治療
センターの建設
一つずつ見てみたい。
1)妊婦、新生児向け医療情報の、携帯電話やつぶやき投稿サイトを通した提供
「March of Dimes」は、妊婦への各種情報提供や、早産に伴う危険や
未熟児へのサポート、また新生児ケアのための各種研究を支援する
機関である。
同機関はそもそも、1938年に当時アメリカで大きな問題であった
「ポリオ」に対しての、研究や対策をサポートするファンドとして設立された。
その後現在は、妊婦や新生児に係る病気やあらゆる健康面での危険に対する
研究、調査、開発のサポートに注力している。
※March of Dimes Web site: http://www.marchofdimes.com/
さて、同機関の展開する活動の一つとして、妊婦や新生児を持つ女性に
対しての情報提供をスタートさせた。その一つの目的は、忙しく働く女性に
対するスムーズな情報提供であり、またもう一つの目的は、最近もアメリカに
大きな被害をもたらしたハリケーンなどの緊急時下への備えとしての
情報提供である。
まず、「Twitter」という個人がつぶやきを発信・投稿することにより
情報をシェアし、人々がつながるコミュニケーションサービスを利用しての、
毎日の情報発信を開始した。そして、そこからの情報は、テキスト
メッセージとして携帯電話での受信も可能なのである。
なぜこの「Twitter」を利用したのかについて、同機関の担当者は
以下のように述べている。
「私たちは、あらゆる女性が、あらゆる最新の医療、サイエンス分野の
情報や研究結果に関する情報を得て、理解することを奨励するために、
あらゆる最新のテクノロジーを利用していく。」
また、アメリカ国民の多くに強烈な印象を残した昨今のハリケーンなどの
緊急時の対応として、何を知っておけばよいのか、何をすべきなのか…
そういった情報をウェブサイトを通して発信している。
無論、緊急時だけではなく、「妊娠前」「妊娠中」「出産後」「早産」
など各状況に応じた、女性が必要とする情報や、各種チェックリストなどの
コンテンツも順次拡充している。
日本でも同様の問題がある。
女性が働くことも当たり前になり、出産目前まで勤務をしている
忙しい女性も少なくない。そんな彼女たちにとってありがたい医療情報の
提供とはどのような手法なのか?対象となる人たちが「利用しやすい」
方法での情報提供が重要だ。
そして大きな地震が起きた場合、妊婦や新生児を持つ女性が特に
ケアすべきことは何なのか?またどういった機関でどのような治療が
受けられるのか?そういった情報をきちんと事前に提供しておくこと、
また女性の意識を高めておくことが大切だ。
こういった点を、昨今の社会情勢や事件から敏感に察知し、提供する
サービスの戦略を企画・実行し発表したのが今回の取り組みである。
2)NPOによる、インフルエンザ予防接種情報提供・検索サービススタート
「インフルエンザ」…冬の訪れとともにこの言葉を聞く機会も増えてくる。
そんなインフルエンザの流行シーズンを前に、アメリカのNPO「The Asthma and
Allergy Foundation of America(AAFA 以下AAFA)」によって提供されたのが、
この「インフルエンザ予防接種情報提供・検索サービス」である。
※AAFA Web Site: http://www.aafa.org/
同機関は、「Flu Shot Finder」というサイトをオープンさせた。
このサイトを訪れた利用者は、自分の居住地の郵便番号を入力し、検索ボタンを
押すだけで、インフルエンザの予防接種に関する情報が得られるという仕組みだ。
予防接種は、どこで(医療機関名・実施場所)、いつ、何時から何時まで
やっているのか、問い合わせ先という必要情報を瞬時に得ることができるのである。
こうした公益性の高い情報提供を通して、先述の2機関はそれぞれの
事業活動の意義や、機関自身の存在・またその意義をパブリックに対し
PRしているのである。提供する情報は、人々のニーズに合致し、関心の
高いものであり、また、その対応と実行のスピードは迅速であり、手法は
時流に乗ったものになっている。
また、公共性の高い機関であるからこそ、様々なしがらみを超えて、
多岐にわたる価値ある情報を統合して提供することができるという
自身の利点を生かしているのである。
3)地域密着型総合医療サービス提供をうたう病院と、放射線治療センターを
展開・運営する企業とのJVによる、新たな治療センターの建設
アメリカマサチューセッツ州の「Harrington Memorial Hospital」。
同病院は、「Total Local Care(TLC)」をその信条としている。地域の住民に対し、
あらゆる医療サービスを提供するということだ。
※Harrington Memorial Hospital Web site: http://www.harringtonhospital.org/
その信条を有言実行すべく、フロリダ州の「21st Century Oncology Inc.」との
JVを発表した。ハーリントン病院では、24時間の救急医療サービスを
はじめとしたあらゆる最先端技術を用いた治療体制を設けている。
そこに今回、先述の企業との提携によって、主にガン患者に対する放射線治療を
提供する施設を新たに建設することになったのだ。
※21st Century Oncology Inc. Web site: http://www.21stcenturyoncology.com/index.asp
今回の決定に際し、同病院のCEOは下記のように述べている。
「今回のセンターの建設により、同地域の人々は長い時間と距離をかけて治療に
行く必要がなくなる。我々が信条とする「TLC」を提供することができるのであり、
それこそが地域の人々が求めていることなのである。」
今回、日本で起こった妊婦の死亡問題に係わり、様々な医療に関する問題や
窮状がクローズアップされた。無論、簡単に解決できる問題ではないだろうし、
病院側の経営難、医師不足、管理する自治体の財政逼迫など様々な要因や
しがらみも複雑に絡んでいることもわかる。
しかし、同じような問題や緊急事態は、今日にだってまた再発するかも
しれない。誰の責任だ…と責任の所在を押し付け合ってばかりいても仕方がない。
先述の3つの事例は、企業が、病院が、各種組織が、社会情勢を的確に捉え、
また人々や社会の声(ニーズ)を聞き、そこからサービス・事業のアイディア
を得たのである。また、その戦略を迅速に、的確な手法を用いて実行した。
社会や人々の関心事であったからこそ、メディアも含めた注目度は高く、
各人にとってその事業内容や信条をPRする好機であったのだ。また、その
実行によって、企業・団体の存在意義や価値を示し、また人々から認知され
一定の評価を得たのである。
自身の過去の失策や、社会が抱える課題や問題、人々のニーズの中に、
自社の次なる「ありたい姿」を世の中にPRするに役立つ手法やその
アイディアがある。
また、公共性・公益性の高いサービスを提供する企業・機関だからこそ
できる活動や事業もあり、その企画・実行をきちんと社会に対しPRする
必要がある。
そして、もう一点。今の日本の状況のような、「危機発生時」の迅速かつ
適切な対応によって、関係者に対し、人々や社会が抱く「評価」や「価値」は
大きく左右されるのではないだろうか?
【PRの切り口】
今回のアメリカの3件の医療に関係したサービス・事業展開の事例は、
社会情勢を的確に捉え、そこからニーズやアイディアを拾い、迅速に
対応したことにより、企業や組織の価値を高めた事例である。
世の中で何が問題になっているのか、地域社会や人々は何を求めて
いるのか?そこに、事業戦略の端緒を見出したのであり、またそうすることに
よって、人々に求められる、価値あるサービスを展開できたのである。
また、時流にのっているからこそ、その問題が深刻であるからこそ、
人々やメディアの関心も集まったのである。そしてその結果、各機関や
企業の認知度は高まり、ブランド価値の向上につながったのである。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「舟に刻して剣を求む」科目
時勢の移り変わりを知らない、またはそれに反応できない、頑固で
融通の効かない者のたとえ(そうあってはならない)(呂氏春秋)
【編集後記】
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。
今回の東京都での妊婦死亡問題は、私にとっても衝撃的でした。
東京は、とはいえ私の地元などに比較すると医師の数も、医療機関の数も
整っていると思っていました。そして、問題発生後の責任のなすりつけ合い
のような誠意ない発言には、さらにがっかりです。
こういった問題が発生した後だからこそ、その対応姿勢が問われても
いるし、無論平時よりも人々の関心は高く、またその眼は厳しいものに
なっているのに、です。
無論、様々なしがらみもあるでしょう。しかし、社会問題や、人々の
発する声をきちんと聞いて、対応していくこと。それこそが、企業の
価値を落とさない方法であり、またあるいはヒット商品や人気のサービス
を生む近道なのではないでしょうか?
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