米大手アパレルブランドが大統領選挙に合わせて、広く国民に対して展開する、PR戦略とは!? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週のHOTニュース From the USA】


 米大手アパレルブランドが、大統領選挙シーズンに合わせて、国民に
「情熱と意思」を籠めて投票することを奨励。
店舗やオンラインショップへの来訪をも促すその仕掛けとは?




【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!



米大手アパレルブランド、「GAP」が、来る11月4日のアメリカ
大統領選挙に合わせて、面白いキャンペーンを展開する。


 キャンペーンの名は、「Express Yourself:Vote For Campaign」。


「一人一人が自分の意思や情熱を表現し、投票を行おう」と国民に
対し呼びかけるキャンペーンなのである。



  GAPの企業理念には、「self expression and individuality」があり、
「自己表現」を行うことは同社の理念に通じる部分なのである。


  同社は、キャンペーンTシャツの企画・販売、限定バッジの販売・
 オークションの開催、各店舗でのキャンペーン告知、著名人を利用した
 メッセージ発信、Webサイト構築、SNSコミュニティの利用を通して、
 キャンペーンを展開する。


  GAPという企業規模があるからこそ、このように多岐にわたる
 キャンペーン活動が展開できるという点はあるが、一つ一つの施策が
 完成度が高く、真似できるアイディアやヒントが盛り込まれている。


  また、忘れてはならないのは、アメリカ国民のほとんどが
 「イベントモード(お祭りモード?)」になっている好機を利用したと
 いう点だ。


 
  日本でも、近々解散総選挙の予定も聞こえているが、政治イベント
 のみならず、スポーツイベント、各種展覧会や博覧会、季節のイベント
 シーズンなど、今回のGAPのようにアイディア次第でその「波」に
 乗りやすい場面は意外に多い。


  そこに気づくか否か、また利用しうるアイディアと企画力があるか
 否かが、成否の分かれ道である。 



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【ニュースの裏側】



  アメリカでは、来る11月4日の大統領選挙が近づくにつれ、
 候補者同士の論戦、それを取り巻く支持者の活動もより活発化
 してきている。


  投票日まで1か月を切った最終局面において、米最大手アパレル
 ブランドであるGAPが面白いキャンペーンを展開する。


「Express Yourself:Vote For Campaign」


  つまりは、「一人一人が自分の意思や情熱を表現し、投票を行おう」
 と国民に対し呼びかけるキャンペーンなのである。

 



  GAP Inc.…日本でも多くの店舗展開しており、広く周知されている。
 本国アメリカをはじめ、カナダ、イギリス、フランス、アイルランド、
 日本などで実に3100店舗を展開。2007年度の売上は、$15.8
 billionにのぼる。また、同社は傘下にBanana Republic, Old Navy, 
 piperlime, Athletaといったブランドも展開している一大企業である。


  ※GAP Inc. Website  http://www.gapinc.com/



  今回のキャンペーンを展開するにあたり、同社のマーケティング
 部門取締役であるIvy Ross氏は以下のように述べている。


  「40年近くにわたり、自己表現と個性は、GAPのハートであり魂である
 核となる部分であった。今回の歴史的な大統領選挙という機会に、GAPは
 アメリカ国民に、彼らの意思や意見を表現するためのプラットフォームを
 提供したいと考えたのです。」




  GAPでは、自社のブランドポリシーでもある「自己表現」に紐づけながら、
 今回のキャンペーンの企画を立案・実施したのである。


  それでは、実際にこのキャンペーンではどのような具体策が打たれ、
 またそれによりGAPは何を達成しようとしているのだろうか?


  まずは、具体策についてみてみたい。

 
  さすがは、GAP!その具体策も徹底されている。むろん、企業規模が
 あってこその施策である部分は否めないが、それでも一つ一つの施策や
 そのアイディア、手法には真似ることができる部分も多いのではないだろうか?



  1)「gap.com/vote for」ウェブサイト


   GAPでは今回のキャンペーンに合わせて専用のWEBサイトを立ち上げている。
  その中では、キャンペーンの趣旨はもちろんであるが、その他にも
  カスタマーを訪問させるための、さまざまな魅力的なコンテンツが用意
  されている。


   ここで重要なのは、ユーザーが「訪問したくなる」、そして訪問した
  ユーザーが「誰かに伝えたくなる」ようなコンテンツを盛り込んだ
  サイトにしておくことである。


   ・10人のオピニオンリーダー、セレブによるビデオメッセージ
   ・限定Tシャツの販売
   ・コラボレーションソングの制作秘話



  2)「Vote For _」Tシャツの企画・販売


   このTシャツはシンプルな白地のTシャツ。胸の部分に「Vote for __」と
  プリントされており、forの後に、購入者それぞれが「自分が何のために
  投票するのか?」という言葉を入れて自己表現をする仕組みになっている。

   「マケイン」「オバマ」と両候補者の名前を入れてもよいし、「愛」
  「未来」などの単語でもかまわない。


   同Tシャツは、10月15日から先述のHPで、また10月23日からは
  全米のGAP店舗で販売される(販売期間は11月4日まで)。

 
   ここで面白いのは、カスタマー参加型である点だ。

   GAPの側で、forの後をあらかじめいくつか用意しデザインしておくことも
  もちろん可能である。しかし、昨今のカスタマーは「一方通行」「押し付け」
  を嫌う傾向にある。


   また、同社のコアでもある「自己表現」の企業メッセージを伝えるためにも、
  ここで「カスタマー参加型」としておく必要があったのである。



  3)「Songs Of Freedom」オリジナルコラボレーションソングの制作・発表


   メッセージビデオや店舗などでキャンペーン期間中に流されるオリジナル
  ソングも制作している。ミュージシャンのMatt White氏とのコラボレーションに
  よるものであり、店舗で聞くことができるほかに、先述のGAPのHP、Matt氏のHP、
  またiTuneでの配信が行われる。


   ファッションに興味が無い層や、そこに大きな関心を抱いてない層に対しても
  アプローチを試みているのである。


   また、「Vote for_」というキーワード、Tシャツというアイテム、そして
  このオリジナルソング…このようなキャンペーンを彩る素材をしっかりと
  準備することによって、企業側のメッセージや意図がぶれなく伝わり、
  またそれを受取るカスタマーの側にとってもシンプルで理解しやすく、
  さらに人に伝えやすいものになっている。



  4)「Vote for buttons」Facebookアプリケーションの展開


   日本にも上陸し徐々に利用者を増やしているSNS「Facebook」。GAPは今回、
  同SNS上に一つのアプリケーション(グループ)を展開している。


   ボタン型(バッジのような形)のアイコンに、「何のために投票するのか?」
  に対応するさまざまな言葉やイラストがデザインされている。ユーザーは
  グループに参加することによって、自分に合ったメッセージボタンを選び、
  自身のプロフィールページに表示し、「自己表現」を行うことができるのだ。


   また、同グループ内では様々な意見の発信(書き込み)も可能である。
  さらには、このグループを同SNS上で結びついた友人たちに紹介し、どんどん
  巻き込んでいくことができるようになっている。


   ちなみに、同グループに参加すると、全米のGAP店舗どこでも利用できる
  「15%オフチケット」がもらえる仕組みになっている。
 


   Facebookのユーザーは最早世界中に広まっている。むろん、発祥の地
  アメリカでこのアプリケーションを利用することによる影響は最大の
  ものとなる。しかし、彼らの「友達」ネットワークは世界中に広まって
  いるのである。そんな彼らの「招待」によって、GAPの企業姿勢が世界中に
  認知され、またブランド力を高めることにつながる。


   さらに、単純ではあるが「15%オフチケット」によってわかりやすく、
  カスタマーの来店意欲を上げ、来店のきっかけを与えている。



  5)店舗デザイン


   10月23日から11月4日の間、全米のGAP店舗のショーウィンドーで
  同キャンペーンが告知される。

   事前に選ばれた70人のアメリカ国民のそれぞれの「Vote for」の表現を
  キーモチーフとして、その装飾・展示が展開されるのである。



  6)「限定バッジ」の販売&オークション


   10月23日から、10人の著名なアーティストによってデザインされた
  限定バッジが、GAP店舗で販売される。

   バッジは1個5ドル、売り上げのうち1個につき1ドルが、‘Declare Yourself’
  という活動を展開する団体に寄付される仕組みになっている。


   ちなみにこの‘Declare Yourself’は直訳すると、「自分自身の意思表示をする」
  という意味である。この活動は、アメリカのTVアイコンであるNorman Lear氏によって
  スタートされたものである。その活動の目的は、アメリカ国民に対し大統領選挙で
  投票を行うための「登録」を啓蒙するものである。



   また、通常の店舗での販売だけでなく、さらに特別の限定バージョンのバッジ
  10個セットのオークションを実施する。この売上金については、全額が先述の
  Declare Yourselfに寄付される。


 
   「限定」や「コラボレーション」といった企画物に、人は弱いものだ。
  そういわれると、通常よりもなぜか気になり、所有したくなる。そんな心理を
  ついた仕掛けである。



  7)NY5番街のキャンペーン特別ブース


    NYの5thAvenueにはGAPの通常の店舗がある。今回のキャンペーンに合わせ、
   店舗のすぐ隣に特設ブースを設置した。何のための特設ブースなのか?

    こういう仕掛けである。


    先述の「Vote for」Tシャツを購入したカスタマーは、このブースへ
   やってくる。ちなみに購入したそれぞれのTシャツデザインは、「Vote for __」。
   カスタマはーはそれぞれに、forの後に記入したい言葉を考える。


    そして、色およびフォントを決めたら、あとは特設ブースに設置された
   マシンによってプリントされ、それぞれのオリジナルTシャツができあがる
   という仕組みである。もちろん、ここでもオリジナルソングが流れている。





  以上が、今回のGAPが展開するキャンペーンの具体策である。
 期間を設定して「徹底した」キャンペーンを全米で展開するのである。



  では、今回のGAPのキャンペーンで、同社が狙いとするのは何だったのだろうか?
 そこにはいくつかの意図が見て取れる。



  1)投票活動の啓蒙(社会貢献活動)による、自社の企業姿勢PR、
    企業価値向上


  2)オピニオンリーダー、アーティスト等とのコラボレーションによって、
    社会・メディアの関心・注目を集める


  3)商品の売り上げを寄付することによるCSR活動


  4)限定商品等の発売による、話題(ニュース)創出


  5)SNS、Webを利用した、カスタマーへのブランド認知、および囲い込み


  6)1~6による、店舗への来店促進(売上UP)、WEBサイトへの来訪促進




  選挙、オリンピック、ワールドカップなどの大規模なイベントであったり、
 クリスマスやお盆・お正月などの帰省シーズン、GW等の大型連休など、
 ある特定の期間を想像してほしい。


  これらの期間は、企業側があえて何を発信しなくとも、多くの人々はその
 「特別な期間」であることを認識し、それに対して何らかのアクションを
 しようとしているのが普通である。


  ということは、そんなお膳立てされた状況を上手く利用すれば、
 平時よりも容易に、そして的確に、企業の意図をメディアを通して、
 人々の口コミを通して社会全体に広めていくことができるのである。



  さて、日本でも近々解散総選挙が実施されるであろうことは周知の
 とおりである。日本では「選挙に行きましょう」と、選挙管理委員会や
 行政以外が啓蒙している場面にはほとんど出くわさないが、
 こんな機会を利用してみるのも一つの手かもしれない。


  また、年末年始の帰省シーズン。「親孝行」「故郷を訪れる」
 「旧友と親交を深める」…そういったコンセプトをベースにして
 展開できるキャンペーンやPR活動はどうだろうか?



  「好機」と捉える事ができる時期を見逃さなければ、新商品の発売や
 新店舗のオープンなどの特別な機会でなくとも、企業、商品をPRし、
 またブランド力をアップするチャンスはそこら中に存在するのである。


 
【PRの切り口】
 
   新商品の発表や、新店舗のオープン、もしくは会社設立●周年など、
  わかりやすい「イベント」時に、商品や企業PRを仕掛けていくことは、
  皆がすることであり、わかりやすいものである。


   ただ、こういったわかりやすいイベントが年中にあるわけではない。

   しかし企業にとっては平常時であっても、今回のGAPの事例のように、
  社会全体が「イベントモード」になっているときは、わりと年間を通して
  存在する。


   そのような時期を上手く利用して、自社にとっての「好機」と
  できるかどうかが重要なのである。そしてその「好機」を捉えて、
  今回の事例もそうであるが、日頃からコンスタントにPR活動を展開して
  おくことによって、店舗へ集客し、またカスタマーの興味・関心を喚起・
  維持し、潜在顧客として囲い込んでおくことも可能になるのである。

 


【今週の目ウロコ度】


 4ウロコ

  フグフグフグフグ


  「光陰矢の如し」科目
 
  Time and tide wait for no man.(月日のたつのは早いものである)



【編集後記】



 

 【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


  アメリカでは、「選挙」をうまくビジネスの場面として活用している。
 以前、ケンタッキーフライドチキンも、民主党・共和党の予備選挙に
 合わせて企業PRを行っていました。


  日本ではどうでしょう・・・?あまり目にする機会は無いように思います。
 でも、選挙は私たち一人一人が、国政や自分たちの国の未来に対し、
 意思表示を行う重要な機会。私も含め、そこへの関心もそしてアクション率も
 下がっていますが、そんな大切な機会に対する国民の意識を啓蒙するような
 活動は、意義のあることだと思います。


  また、このブログを書いている今日は、「鉄道の日」なのだそうです。
 このような「●●の日」や「●●月間」など数多くありますよね。こんな
 ちょっとした「機会」を上手くキャッチしたり、そこからアイディアを
 もらってPR活動に結び付ける…、悪くないかもしれないですよね。
  「●●の日」に結び付けるのであれば、毎日「ミニPR」ができてしまいます!


  私自身は、「●●の日」にちなんで、それと結びついた「一日一善」でも
 行おうかな…などと思いました。
  今日は「鉄道の日」なので…、「公共交通機関を利用して、CO2排出削減に
 貢献する!」「電車内で携帯電話を使わない(メールも)」とか…。


    
 ※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/



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