The Body Shopが消費者の購買行動に関する調査結果を発表&Face Bookに参戦!? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週のHOTニュース From the USA】


  「The Body Shop」が、消費者の「エコ意識」に関する新しい調査結果を
 リリース&SNS「Face Book」に新しいアプリケーションを提供。
  調査結果から、同社が読み取った、取るべき新しい企業戦略とは!?





【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!



  美容関係商品をトータルに提供する、「The Body Shop」が2008年7月に
 アメリカおよびカナダの9500人を超える消費者に対して実施した調査結果を
 発表した。


  それによると、概して「価格だけではなく、倫理・道徳など商品や
 サービスの背景にあるストーリーが重要だ」と答える消費者の数が増加
 しているそうである。


  同社では上記のような調査結果を受け、自社の企業活動、理念、そして
 ひいては商品の価値をより効果的に消費者に伝えていくための、新たな
 戦略を立案・実行した。それは、大手SNS「Face Book」への、
 アプリケーションの提供である。



  このアプリケーションには、同社の企業理念でもある「フェア
 トレードの推進」「環境保護」を実行し、社会的企業としての責務を果たす
 というメッセージが強くこめられている。


  その結果、ユーザーはアプリケーションから同社の企業姿勢、商品への
 理解を深めることができるのである。また同時に、消費者への啓蒙活動や
 商品・サービス情報の伝播を、彼ら自身で相互にさせてしまう仕組みをも
 作ったのである。



  口コミやネットのパワーは、今や誰もが意識するところであるが、そこで
 どのような手法で、どのような情報を流すかが重要なのである。


  同社は、今回の調査結果から、同社は商品自体のスペック情報ではなく、
 その背景にある「消費者の道徳意識、倫理感に訴えるようなストーリー」が
 求められている情報であり、それを伝播させることが効果的なPR手法だと考え、
 実行したのである。



  消費者やユーザーの声の姿を正確に把握し、声を聞き、その上でPR戦略を
 立て、実行することが、基本であり、やはり大切なのである。



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【ニュースの裏側】


「The Body Shop」と言えば、若い女性を中心に強い人気を誇る、
 ビューティー&コスメのトータルブランドである。

  

  1976年に、創業者アニータ・ロディックによってスタートされ、現在では
 世界50カ国以上に2000店舗以上を展開する一大ブランドとなっている。

  

  また、同社の最大の特徴は「社会的企業(Ethical Beauty Retailer)」と
 呼ばれることからもわかる通り、そのブランドスタート当時から、企業の
 社会的責任を強く意識した、ブランドづくり・製品づくり・企業活動を
 行っていることである。ちなみに、同社の企業理念は下記のとおりである。



 <<Our Values私たちが大切にすること>>

1 Against Animal Testing
  化粧品の動物実験に反対しています

2 Support Community Trade
  公正な取引によって、地域社会を支えます

3 Activate Self Esteem
  ひとりひとりの個性、自分らしさ、生き生きした生き方を大切にします

4 Defend Human Rights
  ひとりひとりの人権を守り、大切にします

5 Protect Our Planet
  私たちを取り巻く、環境・地球を保護します



 ※The Body Shop Official Website http://www.thebodyshop.com/_en/_ww/index.aspx




  さて、そんな同社がこの度、2008年7月にアメリカおよびカナダの9500人を
 超える消費者に対して実施した調査結果を発表した。


  それによると、概して「価格だけではなく、倫理・道徳など商品やサービスの
 背景にあるストーリーが重要だ」と答える消費者の数が増加しているそうである。



  他にも以下のような調査結果がリリースされた。


   1 76%の回答者が、企業の倫理観や彼らの活動を重要視しながら商品購入を
     決めるようになってきていると回答


   2 1のうち43%の回答者が、毎週のデイリーな消費活動において、上記の
     価値観・購入基準をもとに消費活動を行っていると回答


   3 70%の回答者が、商品購入の基準として、「品質」と「ブランドの
     信頼性」と回答


   4 39%の回答者が、企業の社会的評判に基づいて商品を購入すると回答


   5 38%の回答者が、商品購入の基準として、「価格」と「価値」と回答




  米国の経済環境は、昨年からのサブプライムローン問題もあり、決して良い
 状況とは言い難い。しかしながら、そういった厳しい環境の中においてすら、
 消費者の「エコ」「企業の社会的価値」などに対する意識は高まってきている
 ことを、調査結果は示している。



  The Body Shopのブランド部門のディレクターであるShelley Simmons氏は、
 この調査結果から下記のような声明を発表している。



  「より多くの消費者が、商品やサービスを提供するビジネスからより多くの
  情報や価値を要求するようになってきている」



  「消費者は、もはや自分たちが価値の高い商品を購入する権利があるという
  ことを感じるだけを求めているのではない。企業の提供する商材自体が、
  どのように消費者の手まで届いたかという全過程において、透明で誠実な
  取引と手段によってもたらされていることを知りたいと思っているのである。」



  「消費者は、企業が原材料などの供給者を公平に扱い、そして環境への
  負荷を最もかけない方法をとっていることが確実である商品だという、その
  確証や背後にあるストーリーをも知りたいのである。」



  「小売業界は、このような強い消費者集団の存在に気づき、そして対応
  しなくてはならない。もし業界が、このような「エコ消費者」の期待に
  こたえることができるならば、それは結果として、取り巻くすべてに対して
  利益を生むこととなる。消費者にも、供給者にも、地球環境にも、そして
  私たち企業、業界にも。それこそが、全てにとってのwin-winなのだ。」





  さて、このような調査結果と分析から、The Body Shopは新しい取り組みを発表した。


  それは、今年5月に日本語版が上陸したSNS「Face Book」への新しい
 アプリケーションの提供だった。


  アプリケーションは、「Together and Fair Pledge initiative」。


  同アプリケーションを通して、消費者に対して、商品購入をする際に、
 「より社会的道義、倫理」などを考慮することを奨励しようとしているのである。



  フェイスブックユーザーが、このアプリケーションにサインインすると
 いうことは、「毎週最低でも一人の人に対し、新しく発見したフェアトレードに
 基づいた商品やサービスについて情報を伝達する」活動に同意したということに
 なるのだ。



  ユーザーは、友人、同僚や家族に情報を伝え、そしてFB上の掲示板にも
 どんどん情報を投稿していく。もちろん、強制能力やノルマがあるわけでは
 ないので、あくまでも利用者個人の「意識レベル」に任されているのではあるが。


 
  それでもその波及効果は、全世界に草の根的に広がっていく大きな可能性を
 秘めているのである。




  先出のSimmons氏は以下のように続けている。



  「インターネットと口コミの力は巨大なものだ。我々はこれまでの
  調査結果から、友人、家族、同僚からの個人的なおすすめや情報は、
  非常に効果的であると認識している。」



  「我々は、消費者が情報をもっと簡単に手中にできたなら、社会的
  道義や倫理観に基づいた購入決定をするはずの消費者の存在がいると
  いう感覚をかぎとっている。」



   The Body Shopでは今回の調査を通して、消費者の動向や意識を
  つかみ、それを自社の商品・ブランド戦略を正しい方向へ、より積極的に
  展開するために有効に利用したのである。


   日本でも、様々な企業や業界で、消費者の意識調査を含めたマーケティング
  リサーチが行われているであろう。しかし、その結果を上手に活用できて
  いるだろうか?社内で少し共有されたのちに、書庫にお蔵入り…などと
  いうことはないだろうか?


   もし、そうであるならもったいない話である。。。




   今回、The Body Shopでは、SNSを利用し、アプリケーションという
  たった一つの、しかし絶大な効果を持ちうる「ベース」を提供することで、
  調査結果から一つの戦略を実行に移した。


   この「ベース」には、同社の企業理念でもある「フェアトレードの推進」
  「環境保護」を実行し、社会的企業としての責務を果たすというメッセージが
  強くこめられている。


   その結果、ユーザーはアプリケーションから同社の企業姿勢、商品への理解を
  深めることができるのである。また同時に、消費者への啓蒙活動や商品・
  サービス情報の伝播を、彼ら自身で相互にさせてしまう仕組みを作ったのである。



   口コミ、ネットが消費者の購買行動に与える威力は、日本でも強く認識
  されてきている。


   商品やサービスに対してのおすすめ情報や評判はそこら中に溢れている。

   しかしそういった直接的な商品情報のみが、最早求められているのではない。


   より効果的な手法で口コミやネットを活用し、差別化された商品、価値の高い
  企業として消費者にPRするためには、「企業や商品が持っているストーリー」を
  きちんと情報として伝播させることが有効になりうることを、The Body Shopは
  示しているのである。




【PRの切り口】


   口コミやネットのパワーは、今や誰もが意識するところであるが、そこで
  どのような手法で、どのような情報をターゲットに対して発信していくか、
  どのような情報が流れるように「仕掛ける」かが重要なのである。


   The Body Shopでは、今回の調査結果から、同社は商品自体のスペック
  情報ではなく、その背景にある「消費者の道徳意識、倫理感に訴えるような
  ストーリー」が求められている情報であり、それを伝播させることが効果的な
  PR手法となってくると考え、実行したのである。


   消費者やユーザーの声の姿を正確に把握し、声を聞き、その上でPR戦略を
  立て、実行することが、基本であり、やはり大切なのである。


   またその際には、消費者やユーザーの「半歩先」くらいを意識すると良いの
  かもしれない。

  



【今週の目ウロコ度】


  3ウロコ

   フグフグフグ


  「実践躬行」科目
 
   掲げている目標や理念を、きちんと実行に移すことの意。



【編集後記】



 
  【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺 明佳(じんせんじ さやか)です。


  FaceBookユーザーであり、そしてThe Body Shopユーザーである私に
 とって、今回の取り組みとアプリケーションはなかなか興味深いもの
 でした。早速、アプリケーションにサイン・インしましたが、週に1回
 の情報発信となると、簡単そうでやはり意外に難しいものですね。


  自然と、日頃からアンテナを高くしておくようになりました。そうすると、
 ついブログなどでも「エコ」の話が増えるようになり、友人と出かける
 際にも、そのような場所に出かけるようになり…。すっかり、「調教」
 されているような状態です。


  私自身、何かを購入する際にその背景の「ストーリー」を知りたいと
 思っているタイプでしたし、それがあることで購入時の「満足感」の
 高まりを感じます。ブランドや企業の歴史、作り手の思い、実現したい
 夢などを聞くと、私がそれを所有することで、自分自身もその夢や、意識
 高く活動を展開する企業の一員になれたような、「自己満足感」が
 得られるからなのでしょう。


  価格で選ぶ、パッケージで選ぶ、ブランド名で選ぶ…、様々な購買活動
 の決定要素が、人によって存在します。しかし、自社の企業姿勢や商品の
 理解度を高めるために、その「決定要素」自体の持つ意義に対して、消費
 者の目を向けさせることから始める。少々時間はかかるかもしれませんが、
 社会的意義も高い、素敵な活動だと思いました。



 ※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/



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