米大手ペット保険会社が、9月の全米緊急時対応月間に合わせて自社サービスをPR!? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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【今週のHOTニュース From the USA】


  米大手ペット保険会社が、全米緊急時対応月間に合わせて、啓蒙活動の一環として、「ペットに対しての緊急時の備えと、緊急時にできること」を発表。その真の狙いとは!?
 


【今週のサマリー】時間の無いアナタはここだけチェック!


  米大手ペット保険会社が、9月の「National Preparedness Month(NPM)(全米緊急時対応月間)」に合わせて、「緊急時に備えてペットのために 知っておくべきこと」を発表した。


  全米緊急時対応月間は、9.11のテロ後に肝いりで発足した米国土安全保障省によって主催される、国を挙げてのキャンペーン月間である。多くの政府関連機関、軍、地方自治体、企業をも巻き込んで一大啓蒙キャンペーンを展開しているのである。


  結果として、米国民の、「緊急時(危機発生時)」即ち、突然の災害やテロ行為に見舞われた時にどうするのかという点に対する興味・関心、そして理解度が高まっているのである。


  だからこそ、最近の「ペットも大切な家族の一員」と考える大のペット 好きが増えている傾向の中で、「有事に対する備え」として「ペット保険」に加入することの必要性を理解してもらえやすいと、同社は考えたのである。


  政府が多くの資金を投下し、展開した広範囲のキャンペーンによって啓蒙され、モチベートされた消費者の「有事への備え・危機管理に対する飢餓感」が、自社にとってチャンスであると判断し、自社商品のPRに結びつけた好事例である。 
 


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【ニュースの裏側】



去る9月1日(月曜日)は日本では防災の日。



  全国各地で様々な防災訓練や啓蒙イベントが行われていたのは、ニュース等でも報道されたとおりだ。


  しかしながら、訓練に参加した当事者でないと(であったとしても)、なかなか「防災の日」であることも、「災害に対しての備えが大切」であることも、「私たちは常に災害による「緊急事態」に陥る可能性」があることも、本当に真剣に考えて、実際の行動に移すことはなかったのではないだろうか?



  かくいう私は、あまりにもラジオから「防災の日」であることが繰り返されたためか、少々影響を受け、帰宅途中に「ミネラルウォーター」の2Lボトルを6本も買い込み、緊急時用のストックとしてシンク下に保管。
 無論、その程度ではもちろん不十分なのですが…


  ちなみに、この防災の日は1923年同日の関東大震災をきかっけに制定されたもの。
 



  さて、このような「防災の日」もしくは「災害に備える日」はお隣の米国にも存在する。まだ長い歴史があるものではないが、9月1日から9月30日までの1ヶ月間を「National Preparedness Month(NPM)(全米緊急時対応月間)」として、国を挙げての啓蒙活動(キャンペーン Ready Campaign)を大々的に行っている。


  2005年にスタートした同キャンペーン、今年も第5回目が、去る9月1日にスタートしたばかりだ。


  このキャンペーン(Ready Campaign)は 9.11同時多発テロを受けて、ブッシュ大統領の肝入りで、相当の規模で発足した米国土安全保障省(U.S. Department of Homeland Security(DHS))が主催しており、 毎年9月の1ヶ月間がNPM月間なのである。
 


  では、その内容はどのようなものなのか?



  基本的にはアメリカ国民に、自然災害やテロ攻撃などの緊急時に対し、事前に備えておくことの重要性に対する認識を高めさせ、日頃から対応策を準備しておくことを促すことを目的としている。



  今回のキャンペーン月間の主要目的は下記の通りだ。


  ①Prepare:Get an Emergency Supply Kit  
     備え:エマージェンシーキットを準備しておこう

②Plan:Make a family Emergency Plan 
計画:家族で緊急時の計画を立てておこう

③Get involved:Be Informed 
起こりうる「緊急時」とはどんなことか知っておこう



  この3つの柱それぞれに、具体的な情報が紐づけられてHP上でも提供されている。


  例えば、①のエマージェンシーキットについてならば、「水が必要。食べ物ならこれが…。乳幼児や高齢者がいる場合にはこんな物も…」 といった具合に具体的にアドバイスをしてくれている。


②の緊急時のプランを家族で立てようという項目であれば、家族会議で決めなくてはならないことや、緊急時の連絡先や名前、血液型など個人の情報を書き込んで所持しておけるようなツールの雛型などが提示され、PDFなどで誰でもダウンロードできるようになっている。


  
  さて、この「Ready Campaign」を上手に自社のPRに利用した企業が存在する。


それが、「PetFirstHealthcare社」である。

 
  ※PetFirstHealthCare Web Site: http://www.petfirsthealthcare.com/




同社は、インディアナ州ジェファーソンビルに本社を構える、ペット保険を取り扱う企業であり、現在北米でペット保険を取り扱っている企業の主要6社に入っている。



ちなみに主要六社は下記の通り。


  ・Hartville Group Inc. http://www.hartvillegroup.com/
・Petfirst Group Inc. http://www.petfirsthealthcare.com/
  ・PetHealth Inc. http://www.pethealthinc.com/
・PetPartners Inc. http://www.akcphp.com/BHIACMS/
  ・Securican General Insurance Company http://www.securican.ca/
  ・Veterinary Pet Insurance Co. http://www.petinsurance.com/




  ではなぜ、このペット保険を提供する同社が、今回のタイミングで自社の提供するサービスをPRしたのだろうか?



  実は、先に述べたNPM月間の3つの柱であるが、その①の項目中に、「ペットに対して備えるべきアイテム」という項目も記載されているのだ。


  日本でも同様であるが、最近は「ペットも大事な家族の一員」だとして、本当に子供のように可愛がり、世話を焼いているペット好きが数多くいる。

 そんな多くのペット好きにとっては、緊急時に家族の一員であるペットに対してどんな備えをし、対応をしたら良いのかという問題は、非常に関心が高く、また重要なのである。


  そう、自分自身や家族、大切な住まいに対する備えと同じように。



  日本でも、各種生命保険をはじめ、火災保険・地震保険など、災害時や緊急時の備えとして、ほとんどの人が何らかの保険には加入している。そう、金銭面の備えは、やはり重要なのである。怪我をした場合の治療費や入院費の補助として、緊急時の建物や家財の補償として。
 

  そんな「もしもの時の備え」を大切な家族の一員である「ペット」にも…と考える人が徐々に増えてきているのである。ただ、一部ではそれでもペット保険への加入率は、発祥の地イギリスで15%程度、アメリカでも4.3%程度にとどまるとも言われている。言い換えれば、まだまだ開拓の余地があるとも言えるのだ。



  そのため、同社にとっては、さらなる保険加入者の獲得のためにも、ペットを愛するオーナー達に、「私たちが生命保険に加入するのと同じように、緊急時の備えとして「ペット保険」への加入が良策」であることを伝えていかなくてはならなかったのである。



  そんな時に、国を挙げてのキャンペーンイベント、「緊急時対応月間(NPM)」である。


人々の関心が、「緊急事態の発生に備えて、何をしておけば良いか?起こったらどう対応すればよいか?何が必要になるのか?」という点に、自然に集まり、高まってくるのである。



  そして、上手に啓蒙された人々は、「備え合えば憂いなし」と認識し、メディカルキットを準備したり、耐震補強グッズを購入し住居に設置したり、火災保険に加入するなど…実際に様々な行動を起こすのである。


  
  そんな風に人々の「危機管理マインドシェア」が高まっている、ある意味、お膳立てが整えられたとも言える好機を利用しない手は無い!と考え、同社はこの機会に打って出たのである。



  同社のCEOである、Brent Hinton氏はこのように発言をしている。



 「ペット達は自分たち自身で生きのびることができません。自然災害などの緊急時の状況はペット達にとって耐えがたく、ストレスの多いものです。しかし、ちょっとした備えで、災害時にもペット達の安全を確保することが
できるのです。」


  
  では、ペットの安全を確保するために具体的に何をすればよいのか?


  それについて、同社は下記のような情報を発信している。


 

  1:シェルターを確保しておこう


   大規模な避難命令や退去勧告の時には、赤十字も含めたほとんどのシェルターでは、衛生上、安全上の

規制からペットは受け入れられない。そこで、ペットのための代替シェルターを事前に見つけておくことが

  大切だ。自分たちの居住エリア以外の親類、友人などにペットを預かってもらえるか尋ねてみよう。
   また、ホテルやモーテルなどでペットOKな施設を探しておこう。



  2:ペットのサバイバルキットをまとめておこう


   ペットフード、水、薬、獣医の記録、おもちゃ、鎖や首輪、飼い主の連絡先、最近のペットの写真(離れ離れ

になってしまった場合のため)などを日頃からまとめて準備しておこう。



  3:災害発生時にはペットを屋内に入れておこう


   災害発生時に、ペットを外に出したり、屋外についないだままにしてはいけない。ペット達が、不安や恐怖か

らどこかへ逃げ出して、走り去ってしまわないように、屋内に安全な場所を事前に準備しておき、必ずそこに

連れてくるようにしよう。



  4:災害発生時には犬と猫は別の場所へ


   平常時には、犬と猫はお互いにうまく暮らしていける。しかし、ペット達は緊急時には理性を失って予想外の

行動をとる可能性がある。犬と猫など、種類の異なるペットは別々の場所へ。


  
 <緊急時にペットを残して、人間が別の場所へ避難しなくてはならない場合に覚えておくべきこと・やるべきこと>



  1:ペットを屋内へ


   ペットを屋内へ入れ、ドライフード(汁気のある缶のフードは劣化する可能性がある)と十分な水を与えてお

こう。



  2:屋外に、残してきたペットの情報を設置しておこう


救助隊などの活動や捜索活動が始まった時のために、ペットの情報を、自宅屋外のわかりやすい所へ設

置しておくことが大切だ。どんなペットが、屋内のどの場所に残されているのか、それらを記載しておこう。



  3:電話番号をペットの首輪やネームタグなどに残しておこう


   飼い主の連絡先、名前や、かかりつけ獣医の名前、電話番号をネームタグや首輪、もしくはペットを残した

側などに残しておこう。

  

   


  緊急時への備えは重要だから、家族を守るためにも十分な知識を得て、そして準備をしなくてはならない。


  そして、大切な家族にはもちろん「ペット」も含まれるのだから、彼らへの事前の準備も重要であり、実施して

 おかなくてはならない。

  そんな理論展開から、同社では上記のような情報提供を行ったのである。



  しかし、もちろんそれだけではない。その上で、人間や家財などへの緊急時(やもしもの時の)サポート・補償 

 が受けられる各種保険と同じように、ペットにも「ペット保険」という手段がある。


  だからこそ、大切な家族の一員であるペットのために、同社の「ペット保険」に加入しよう…と同社のサービス

 認知と加入をも促そうという戦略だったのである。




  国を挙げての、「National Preparedness Month(NPM)(全米緊急時対応月間)」という啓蒙活動が行われている好機をまさに上手に利用したのである。


  
  全米緊急時対応月間というこのタイミングだからこそ、人々の「緊急時への備え、緊急事態発生時の対応」に

 対しての興味・関心だけでなく、アクションを起こすことへのモチベーションも自然と 高まっている、好機だっ

 たのである。



  消費者の行動法則、「AIDMAの法則」ではないが、注意(Attention)、 関心(Interest)、 欲求(Desire)、 記

 憶(Memory)、行動(Action)の中で、 政府が多額の資金を投下して、認知・感情段階までをお膳立てしてくれ

 ていたようなものなのである。



  あまたの情報、商品、サービスに取り囲まれた消費者の「注意」や「関心」を引くことはなかなか困難である。


  しかし、今回のように積極的に政府や社会が、また時に異業種の業界が、人々に対して何らかの「モチベー

 ト」を起こさせるような働きをしてくれている状況は少なくない。


  そんな好機を上手に捉えて、モチベイトされた消費者に対して、再度必然性を伝え、アクションを起こさせる 

 ための導線(商材・サービス)とともに人々にPRする。


  今回のPetFirstHealthcare社の取り組みは、まさにそれを体現した好事例である。



 【PRの切り口】


  数多くの魅力的で新しい情報、商品、サービスが次々と登場し、またそれらに常に取り囲まれている消費者 

 から、「注意」や「関心」を引き出すことは、なかなか至難の業である。


  しかし、今回のように積極的に政府や社会が、また時に異業種の業界が、消費者に対して働きかけた結果、 

 もしくは何らかの社会環境の変化、政治的な変化等がきっかけとなり、消費者の興味・関心が「ある特定の方 

 向」に強く向いていることも少なくはない。


  今この瞬間であれば、多くの日本国民が、「次の総理大臣は誰になるのか」という点に、高い関心を持ってい

 ることは明白だ。つまりは、「政治」「選挙」「経済」「政治家」などに対しての関心が、平常時よりも高まり、そし

 て広範囲から高まっていることが予想されるのである。


  そんな好機を上手に捉えて、モチベイトされた消費者に対して、再度必然性を伝え、アクションを起こさせる

 ための導線(商材・サービス)とともに人々にPRする。


  政府が多くの資金を投下し、展開した広範囲のキャンペーンによって啓蒙され、モチベートされた消費者の

 「有事への備え・危機管理に対する飢餓感」が、自社にとってチャンスであると判断し、自社商品のPRに結び

 つけた好事例である。 
 



【今週の目ウロコ度】


3ウロコ

 フグフグフグ


「鉄は熱いうちに打て」科目
 

 政府や自治体などが主催する一大キャンペーンや、サッカーW杯、先般のオリンピックからサミット…こういった様々な大規模なイベントが展開され、世間の関心が集まっている時と場を、自社のPRの機会として捉え、そこに「乗っかってみる」、有効活用することは、効果的なPRの一手法である。




【編集後記】

 
 【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺(じんせんじ)です。


  防災の日に、うっかり(?)啓蒙された私なので、今回の事例の効果がが良く理解できました。ラジオやTVの

 ニュースで、私自身の「防災」に関する興味・関心を喚起され、そうか備えが必要なのかと欲求が生まれ、そし 

 て繰り返されることで記憶され、つい普段の買い物のために立ち寄ったスーパーで、「水のストックを」という簡

 単な店頭POPと、セール価格に惹かれて購入してしまいました。


  ただ、最後のスーパーでPOPを見なければ、もしそれがセール価格として表示されていなければ購入しなか

 ったかもしれません。


  いくら消費者の気持ちが高まっていても、直接的に特定の商品やサービスに対して高まっているのでなけれ

ば、待っているだけではそこに消費者は集まってきませんよね。


  でも、今回の私が水を購入するに至ったスーパーのように、もしくはペット保険会社のように、ちょっと「仕掛

け」を出すだけで、一度温まった消費者の心は、容易にキャッチすることもできるのですね。



 ※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/




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