米トラベルカード会社の次なるターゲットはNFLファン?NFLチームとのパートナーシップ契約発表! | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週のHOTメラメラニュース From the USA】



 「新しいライフスタイル:シンプルで早い!」を人々に提供する「IDカード」事業を行う米企業。次なるターゲットに選んだのは、NFL(フットボール)ファン!!? 


 シーズン開幕直前の好タイミングを利用して、フットボールチームとのアライアンス発表とともに、同社がPRしたものとは…?


【今週のサマリー】時計時間の無いアナタはここだけチェック!



 米で、RT(Registered Traveler)カードを提供し、人々により便利で快適な旅を提案しているFLO社が、NFL(National Football League)チームとのパートナーシップと、新サービス開始の発表を行った。


 RTカードは従来、空港のセキュリティチェック通過時に、同カードを保持していれば、、待ち時間無く特別のレーンを通過することができるという点が最大の売りのサービスであった。


今回、同社は新たな顧客・市場開拓の目的から、NFL仕様のRTカードの提供をスタートさせた。このカードを所有していれば、スタジアム入場時に「特別レーン」から入場できるというものだ。


 今回のパートナーシップ契約と新サービスの発表であるが、ちょうどNFLシーズン開幕前、ファンの関心もメディアの注目度も高まってきたタイミングで行った点で、そのPR効果が大きかった。


また、パートナー契約を結んだNFLチーム側からも、新しいファンサービス(CS向上)の一つとして発表してもらうように仕掛けて、NFLのチームをも巻き込んだ点でも、メディアの関心を集めた。


 また、事業課題を解決するための新サービスの企画段階から、既存サービスが解決してきた課題と共通する「待ち時間は苦痛だ」というキーファクトを導き出した。結果、少ない投資で、同じポイントに不満を感じていて、新たなターゲット・市場開拓につなげることができたのである。


 サービス開発時点から、どのようにサービスを認知・拡販させるのかを考慮し、商品のデザインにもこだわり、ファンを通じて口コミが広がっていくように仕立ておいた点からも、商品PRの成否が、そのサービス企画・開発段階から始まっていることが良く分かる事例である。



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【ニュースの裏側目



アメリカ国民の多くは、プロスポーツ観戦を人生の一つの楽しみにしていると言っても過言ではない。MLB(野球)、NBA(バスケット)、そしてNFL(National Football League:アメリカンフットボール)…。


そんな中でも、熱狂的なファンが多いのがNFLではないだろうか?


 NFLは現在9月のシーズン開幕直前、プレシーズンマッチが全米で行われており、国民のフットボール熱も最高潮に達しようとしている。そんな恰好のタイミングを利用して商品PRを行ったのが、「FLO corporation」である。


 ※FLO Corporation Website: http://www.flocard.com/


「FLO corporation」は、「新しいライフスタイルソリューション」を人々に提供している企業である。これまでの主力事業は、全米の空港がその事業展開の舞台だった。


 同社は、「FLO RT(Registered Traveler)カード」を人々に提供することによって、カード利用者には、通常よりも簡便に、そして快適に空港を利用できる機会を与えているのである。そのシステムはこうだ。


 アメリカの空港では、TSA(Travel Security Administration アメリカ運輸保安局)がその安全管理、セキュリティチェックを担っている。

 私たち日本人にも、スーツケースのTSAロックでおなじみであるが、アメリカの空港ではTSAの係員に荷物の中身の目視が義務付けられている。そのため、もしTSAロック付きのスーツケースで無いのに鍵をかけていた
場合には、勝手にスーツケースの鍵を壊して中身をチェックされることになるのである。


 さて、「911」以降、アメリカのみではないが、軒並み各国の空港でのセキュリティチェックが厳しくなったことは明白である。その結果、セキュリティチェックに要する時間が長くなり、結果待ち時間も長くなっている。
 
 空港での様々な手続き、そして搭乗までに要する時間、その煩雑さと長さには、多くの人々が辟易としている。とりわけ、多忙なビジネスマンや、空港を利用する頻度の高い人々にとっては、そのフラストレーションも大きい。


そこに目をつけたのが、このFLO社である。


 このFLO社の提供するRTカードプログラムは、TSAによって承認されたものであり、その所有者は、空港で、通常よりもシンプルで簡便な特別のセキュリティチェックポイント(レーン)を通過することができるのである。


 例えばチェックインの際には、マイレージのステイタスが高い会員向けには特別のカウンターが設けてあり、通常のカウンターよりも短時間でチェックインができるように便宜が図られている。それと同様に、RTカードの会員には特別の待遇が空港のセキュリティチェックの際に付与されるシステムなのである。


 現在、利用できる空港はサンフランシスコ空港や、ワシントンDC近郊の2空港、ニューヨークのJFK空港(一部ターミナル)など、19か所であり、今後は、ロサンゼルス空港をはじめ、さらに6つの空港で利用が可能となる。


 RTカードには2種類の会員カテゴリーがある。ゴールド会員(普通会員)は、年会費100ドル、プラチナ会員は年会費200ドルで、それぞれに付与されるサービス内容に差異がある。両会員ともに、特典のベースとなる当該空港での特別なセキュリティチェックレーンを利用できる点は同じだ。


 さらに、このカードには、「旅をシンプルに、簡便にする」という目的のもとにいくつかの追加特典が盛り込まれている。それは、下記のようなものである。


 

  <Beyond The Lane Benefits>


   ・住宅ローンの優遇
   ・ゴルフクラブレンタルのディスカウント
   ・ギフトカード購入のディスカウント
   ・ホテル利用料のディスカウント
    (世界10000軒以上のホテルで、最適価格から5-20%オフ)
   ・レンタカーディスカウント
    (Avis, Budget, Dollar社に対応。5-30%オフ)
   ・オンラインでのクルーズ・ツアー予約、ディスカウント
     (ノーキャンセルフィー。5-55%オフ)
   ・旅先、移動先への荷物事前配送サービス利用料金のディスカウント
    (初回50%オフ、以降10%オフ(毎回))
   ・駐車場利用料ディスカウント
   ・グローバル電話レンタル利用料ディスカウント
   ・エアポートラウンジ年間4回まで利用料無料(プレミアム会員のみ)


 
 総じて「旅」にかかわる様々な場面でのサービスについて、ディスカウントが設けられている。この他にも、プレミアムメンバーには多数の「コンシェルジュ・メニュー」が設けられており、会員は「レッドカーペット」を歩くような心持ちで旅を楽しむことができるという謳い文句になっている。



 さて、前述の事業をスタートに業績を拡大してきたFLO社であるが、「日常的に空港を利用し旅する人」だけをターゲットとしていたのでは、その売上拡大も伸び悩んでしまう。


 実際に、様々なクレジットカードのゴールドメンバーやマイレージステイタスの高い会員向けのサービスにも、特別なセキュリティチェックサービスは設けられていなくとも、旅にまつわる様々な不満を軽減する
サービスは包含されていることが多い。


 そこで、今回FLO社は新たなカード会員獲得のサービス開発・発表を行ったのである。


 FLO社は、アメリカのプロフットボールチームとのパートナーシップ契約を行った。即ち、チームのホームスタジアムへの入場時のセキュリティチェックの場面にこの「カード」を導入することにより、「特別セキュリティ
チェックレーン(Fast-Lane)」を設けたのだ。


 契約を結び、2009年の導入を行うのが、The Washington Redskins, The Baltimore Ravens, Oakland Raidersだ。さらに現在、同カードの導入を計画しているのは、Sanfrancisco 49ers, Denver Broncos, Atlanta Falcons


これにより、FLO社は全米各地の多くの「フットボールファン」を新たに会員として取り込むことができ、新たな市場開発、会員数増加につなげることができる。


 そして、パートナーシップを結んだ各チームにとっても、大切なファンの人々にさらなる「サービス」を提供することができるのである。 実際に、両者はこのようなコメントを出している。



 「今回のパートナーシップは、我々の事業展開を拡大するうえで重大な 意味を持っている。今回の試みによって、我々の事業が人々が、日常 生活における毎日・毎週・毎月のルーティーンの全ての側面をより シンプルにするサービスやプロダクトを求める欲求と合致していることを 証明することとなるだろう(FLO社CEO)。」



 「私たちの大切なファンが、重要なゲームの日に、この「ファースト・ レーン」を利用してのスタジアムへのアクセスを享受し、「レッドカーペット」 の扱いを受けられるということは、とても喜ばしいことだ。これまで、 キックオフ前に1時間以上も待たなくてはならなかったところが、この特別な カードを持つファンは、71000席のM&T BANKスタジアムにたった10分の待ち 時間で入場できるようになるだろう(Baltimore Ravens)。」



 ちなみに、今回のアメリカンフットボールスペシャルのRTカードのデザインは、もちろんそれぞれのチーム仕様になっており、熱狂的なファンの「コレクターズ心」をも刺激するアイテムに仕立ててある。


 また、今回パートナーシップ契約を大々的に発表したチームの一つ、The Washington Redskinsでは、このレッドスキンRTカードの所有者には、チームのオフィシャルショップで10%ディスカウントが受けられるという
特典も用意し、またチームが得るカード売上収入は、全てレッドスキンのチャリティー基金に充填すると発表し、こちらのPRにも抜かりがない。


 今回の新サービスの発表、まず、ちょうどシーズン開幕前のファンの関心が高まってきたタイミングで行った点でそのPR効果が大きかったといえる。そして、その発表時にNFLのチームをも巻き込んだ点も、メディアの関心を集めずにはおかない賢い戦略だ。


 また、「待ち時間は苦痛だ」というキーファクトから、同じポイントにフラストレーションを感じていて、その軽減のために投資を惜しまないであろうターゲットを設定しサービスの企画・開発を行った、マーケティング・商品企画・
開発戦略の面でも優れている。


 さらには、商品のデザインにもこだわり、ターゲットに響き、ファンを通じて口コミが広がっていくように仕立てた点においても、その波及PR効果が期待できる。



 蛇足かもしれないが、ただひとつFLO社、チームの両者にとっての不安要素は、このカードが普及しすぎて「Fast-Lane」が「Slow-Lane」になってしまうことだろうか(笑)?そうなれば、「Rapid」、「Express」などと、さらに
バージョンアップさせて、さらに年会費収入を得られるということにつながる…、深読みかもしれないが今後の、NFL他チームや他のスポーツ競技などへの拡大過程とともに興味深い事例である。


 


【PRの切り口】



 今回のパートナーシップ契約と新サービスの発表であるが、そのタイミングが大きな成功の要素だった。ちょうどNFLシーズン開幕前、ファンの関心もメディアの注目度も高まってきたタイミングで行った点で、そのPR効果が大きかったのである。


 また、パートナー契約を結んだNFLチーム側からも、新しいファンサービス(CS向上)の一つとして大きく発表してもらうように仕掛けて、NFLのチームをも巻き込んだ点も、メディアの関心を集めやすくした要因と言える。


 また、事業課題を解決するための新サービスの企画段階から、「待ち時間は苦痛だ」というキーファクトを導き出し、同じポイントに不満を感じていて、その軽減手法に、関心を持ちやすく、投資を惜しまないであろうターゲットを設定しサービスの企画・開発を行った、マーケティング・商品企画・開発戦略の面でも優れている。


 開発時点から、どのようにターゲットにアピールし心を掴んでいくのか、サービスを認知・拡販させるのかを考慮し、商品のデザインにもこだわり、ファンを通じて口コミが広がっていくように仕立ておいた点においても、その波及PR効果が期待できる。


 商品PRの成否は、そのサービス企画・開発段階から始まっているのである。
 



【今週の目ウロコ度】


3ウロコ

フグフグフグ


「一葉知秋」科目


 

【編集後記】



 
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺明佳(じんせんじさやか)です。


 こんにちは。夏の暑さもお盆過ぎまで…と言いますが、ここ数日少しずつ涼しい夜も増えてきました。…と感じ始めたところ、早速TVのCMで、秋・冬使用のチョコレート菓子のCMを見ました。


 真夏はチョコレート菓子は溶けることを心配したりして敬遠しがちですが、なぜでしょう。冬場になると、「口どけ」感重視のチョコレートが幅を利かせ、私もついつい購入してしまいます。そんなことを思い出させるCMでした。

 要は、タイミングですよね。同じCMを2週間前の35度を超える猛暑日に見ていても、なんとも思わなかったはずなのです。でも、少しずつ秋の気配を感じるようになったタイミングだからこそ、そのCMが言葉がすっと入って
くるんですよね。人間の心理、社会の動きを事前に察知しながら、タイミングよくPRを行っていくことでその効果は大きく変わるのだと思いました。
 
 
 ※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/



【PR会社のPR】



○/ 「社長さ~ん、PRですよ~」
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