【今週のHOTニュース From the USA】
アメリカの次なる消費ターゲットジェネレーションY(Y世代)が、最も「グリーン」なブランド(企業)だと回答したブランドとは…!?
企業のエコ活動の実際と、消費者の認知には乖離が存在!
【ニュースの裏側】
昨今、「企業が何らかのエコ活動に参加する」「企業の環境保護への意識が高い」といったことは、「当たり前」に求められることとなってきている。
多くの企業が、CO2排出量の削減、市民活動への参加、ボランティア、再生可能資源の利用など、様々な形で「環境保護活動へ参加」をし、またそこにコスト,パワーともに多くを投下している。 そう、企業は「クリーンでグリーン」な企業イメージを求めているのである。
では,そういった企業の涙ぐましい努力は、どのように消費者に受け取られているのだろうか?その面白い調査結果がアメリカで報告された。
調査はCMT(The Bentley Center For Marketing, Bentley College)によって、アメリカ全土の学生に対して行われ、その平均年齢は21.8歳。ちょうどアメリカでは、「Generation Y(Y世代)」と呼ばれているマーケッターにとってキーターゲットとなる消費者集団である。
では、まず対象となった「ジェネレーションY」とはどんな世代なのか?
アメリカでおそらく、最も一般的に認識されている定義は、「1980年代初頭から1990年代生まれ」であり、日本では、1976年以降生まれのポストバブル世代(ポスト団塊ジュニア世代)を指す。今後マーケティングのメインターゲットとなる消費の中心世代なのである。
Q:「どの企業が最も「GREEN(グリーン)」なのか?」
アメリカのジェネレーションYの回答は下記の通りだ。
回答は、ジェネレーションYの「認識(どのように受け取めているか)」とダイレクトにリンクしており、必ずしも企業側が行っている活動の「実体」とリンクしているわけではなかった。
■Most Green Brands
(最も「グリーン」と認識するブランド)
※ブランド名とその最頻出理由
1:Toyota ハイブリッドカー
http://www.toyota.com/
2:Honda 燃費の良い車
http://www.honda.com/
3:Whole Food オーガニックフード
http://www.wholefoodsmarket.com/
4:General Electric 代替可能燃料 http://www.ge.com/
5:Trader Joes オーガニックフード http://www.traderjoes.com/
6:Beyond Petroleum 広告内容 http://www.bp.com/
7:Ben&Jerry 環境に配慮した企業スタンス http://www.benjerry.com/
8:The Body Shop 動物実験を行わない http://www.thebodyshop.com/bodyshop/
9:Energy Star エネルギー効率の良さ http://www.energystar.gov/
10:Timberland リサイクル http://www.timberland.com/
11;Senenth Generation 環境に優しい製品 http://www.seventhgeneration.com/
12:Hewlett Packard 製品のリサイクル http://www.hp.com/
13:Apple その他 http://www.apple.com/
14:Google その他 http://www.google.org/
15:IKEA その他 http://www.ikea.com/
■Least Green Brands
(最もグリーンと認識しないブランド)
※ブランド名とその最頻出理由
1:Exxon mobil 汚染と利益
http://www.exxonmobil.com/
2:Hummer 燃費の悪い車
http://www.hummer.com/
3:Ford SUV車とトラック
4:General Motors SUV車とトラック http://www.gm.com/
5:British Airlines 環境に対する関心・配慮の欠如 http://www.britishairways.com/
6:McDonalds 浪費・無駄 http://www.mcdonalds.com/
7:Wal-Mart 低価格、高汚染 http://www.walmart.com/
8:Shell 汚染 http://www.shell.com/
9:Nike 労働問題 http://www.nike.com/
10;Apple 一般的に http://www.apple.com/
11:General Electric 汚染 http://www.ge.com/
12:Nintendo グリーンピースによる評価が低かった http://www.nintendo.com/
13:Range Rover 燃費の悪い車 http://www.landrover.com/
14:Chevrolet SUV車とトラック http://www.chevrolet.com/
15:Beyond Petroleum 汚染 http://www.bp.com/
調査を行った、ピエール・バートン氏とイアン・クロス氏は下記の通り結果を分析している。そこには、「グリーンなブランド」と認識される3つのタイプがありそうだと。
1:The Good…「グリーン」として認識されている 例:ホンダ
2:The bad…「グリーンでない」として認識されている 例:ハマー
3:The Ugly…「グリーン」とも「グリーン」でないとも認識されており、ブランド(企業)としての個性が確立されていない。例:ゼネラルエレクトリック
また、着目すべき事実として、「「ジェネレーションYがどう認識するのか」がカギ」である。しかし、消費者の認識と企業側の実際のアクションとの間には大きな乖離が存在している」と。
さらに、こう続けている。アメリカKLDリサーチ社による企業側の環境や社会に対する取り組みに関する調査データと比較すると、ジェネレーションYの認識と企業側の行動の間の関係性は限定的であることがわかる。
例えば、ジェネレーションYは、ナイキをグーグルよりも「グリーン」でないとして受け止めているが、KLDによれば、ナイキはより環境に配慮した効果的な活動を行っている企業なのである。
そのため、ピエール・バートン氏は、「不幸にも多くの企業は、信用に足る仮説や保障無しに多額の費用を「グリーン」であることに費やしている。このままでは、企業は気付かぬままに、「実質的には消費者からの支持を得られていない状態」を続けるかもしれない」と警鐘を鳴らしている。
ジェネレーションYにとって「グリーン」は広い意味を持っている。学生たちは、「グリーン」を狭い意味での「環境」に関わる問題としてとらえるのではなく、そこには「社会的責任」や「動物愛護」「人権問題」に対する取り組み・姿勢なども含んでいる。「ジェネレーションYにとって、「グリーン」であることとは、人類、動物、地球に対して「グリーン」であり、またその行動や指針が倫理観に裏打ちされ、「絶対的」であること」なのである。
また、ほとんどの学生が、ブランドが「グリーン」であることは、購入を決める際には「重要」もしくは「まあ重要」であると回答している。その他の事実として、年上の学生や女生徒は、より若い学生や男子学生よりも、購入の意思決定に際し、「ブランドが「グリーン」であるかどうか」に、より重要性を置いている。
無論、世代間で「グリーン」と認識されるブランド(企業)には差異がある。
しかしながら、アメリカでは今後の重要な消費者集団となるジェネレーションY世代がいかに「認識」するか、企業のどのような活動を、どう認知し受け止めるかという過程、及びその結果を企業はこれまで以上にウォッチしなくてはならないのである。
何はともあれ、日本のブランドが、「1位」「2位」を獲得したことは、やはりシンプルに何とも嬉しいものである。TOYOTAはハリウッドセレブもご愛用の「プリウス」に代表される「グリーン」なイメージ。
HONDAはVCM(可変シリンダーシステム)による低燃費運行の実現、エコドライブリーフレットの配布などが
「グリーン」なイメージとして捉えられているようだ。
また、今回のランキングに顔を出したブランドのコーポレートサイトを比較してみたが、「グリーン」なブランドとして認識されている企業サイトは、「環境への取り組み」に関して積極的に情報を公開している。また、企業としてのポリシーもはっきりと明示しており、コーポレート全体として「エコ活動、環境保全」に対して真摯に取り組んでいることが伝わるのである。
逆に、残念ながら「グリーン」でないとして名前が挙がったコーポレートサイトは、それらに比較すると情報の
発信が消極的で少ない印象を受ける。
同業種でもここまで違うものなのか。今一度自社のコーポレートサイトの作りこみ、発信するメッセージの内容や方法を、同業他社と比較しながら再検討してみることが効果的だ。
何よりも、こうした調査ランキングで上位に入ったTOYOTA、HONDAの2社にとって、この調査結果こそが自社の企業PRとして絶大な効果を持つのである。
日々の小さなPR活動が、たなぼた式にさらなるPR効果を呼ぶ。
その芽は、もしかしたら遠く海の向こうで萌芽し、逆輸入できるかもしれない。
TOYOTAさん、HONDAさん、ぜひこの調査結果を逆輸入して自社のPRに役立ててください。
胸を張って、「最もグリーンなブランド」だと。
【PRの切り口】
「環境保護」「エコ」を広い意味で捉えて、企業・商品をPRしてみる。
今回の調査では、単純に「自然環境保護活動」のみが「グリーン」なイメージを企業やブランドに付与するのではないことが明らかになった。
また、どういった具体的な企業活動やその情報発手法法が消費者にとって「グリーン」「エコ」「環境にやさしい」企業だと受け止められるのかには、まだまだ謎の部分が多い。
しかしここで今一度、自社のターゲットとなる消費者の属性を捉え直し、現在の「エコ活動」を見なおしてみてはどうだろう?果たして無駄なコストになっていないだろうか?
そこで覚えておきたい一つのヒントは、倫理観に支えられ、社会的、道義的責任を果たしていく企業姿勢に対し、「グリーンの称号」は付与されるようである、ということである。
【今週の目ウロコ度】
3ウロコ
「人のふり見てわがふり直せ」科目
【編集後記】
【スゴい★PR】編集担当の秦泉寺(ジンセンジ)です。
「グリーンなブランドって?」という今回のアメリカ発の調査結果ですが、私自身にすごくビビッドに響いたネタでした。日本におけるY世代(ポスト バブル世代 1976年~)にぴたりとはまる私だからでしょうか?
最近では商品を選ぶ際に、「商品の背景がきちんと見えるもの」を選ぶ傾向にあります。そういった情報を開示していることに、企業の倫理感を 見ているからなのでしょうか。最大の理由は、「その商品を選び使用する
「私の倫理感」」という自己満足を得たいがゆえかもしれません。商品の購入を通して、私自身の社会的責任を果たすことができる。要は、目に見えない付加価値が商品に組み込まれ、消費者に「選ぶ理由」を与えてくれ
ているのです。巧みです。
※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/editorsayakajinsenji/
【PR会社のPR】
○/ 「社長さ~ん、PRですよ」」
<□
/> 「良い商品なのに思うように売れない。どうしたら売れるのか?」
「会社のブランド力を向上するために何ができるの?」
「せっかくの新商品、雑誌やTVで紹介してもらいたい!!」
→企業と社会、人のコミュニケーションを創造しています
「総合PRサービス、マーケティングサービス」はコチラ
http://www.interbreed.co.jp