精密機器用のネジを製造販売する。
ネジ加工の泰洋産工（株）（大阪市西区）を子会社化した。買収により、ナイロンを塗布しネジを緩みにくくする技術を取り込む。接着剤を使う一般的な緩み防止加工に比べ化学物質の利用が減り、環境に優しい点に着目した。自動車産業などの需要を開拓する。
東京鋲兼が6月1日付で泰洋産工の創業家から全株式を取得した。譲渡価格は非公表。泰洋産工は創業者が2015年に死亡し、親族が株式を所有していた。創業家は取引先である東京鋲兼の傘下に入ることが、従業員の雇用を守る観点から最善と判断したとみられる。
泰洋産工は1965年の設立で、2024年3月期の売上高は約7億円だった。従業員数はパート含め33人。米ナイロック社（ミシガン州）から、ナイロンを塗布してネジの緩みを防ぐ技術についてライセンス供与を受け、自動車向けのネジの加工を手掛けてきた。
東京鋲兼は買収後も、泰洋産工にライセンス供与を続けることでナイロック社と合意したとしている。東京鋲兼の23年12月期の売上高は約350億円。泰洋産工の社長には外部から招く人材を充てる。
『日本経済新聞』2024/06/13付。
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