鶏卵を割って殻を取り除き、液状にした卵「液卵」を提供する食品原材料メーカー。パンや菓子の原料として業務用の液卵を販売している。業界シェアはキユーピーに次ぐ1割程度を占める。
全国の工場で設備を増強し、最大生産力を現在の1.3倍となる年間約7万7000トンに引き上げる。福岡県や愛知県の工場で大型機械を相次ぎ導入するなど、2024年度まで2年間で計20億円を投じる。鳥インフルエンザの流行で卵不足に陥った昨春の「エッグショック」でも供給を維持した実績を強みに国内シェアの倍増を狙う。
本社を置く福岡事業部(福岡県粕屋町)では割卵機を1台追加して3台体制とし、生産能力を1.5倍の年間1万5000トンとする。稼働開始は6月下旬を見込む。50トンの卵を割るのに10時間かかっていたのが6~7時間に短縮されるほか、割卵後の貯蓄タンクと殺菌機も新たに1台ずつ設置し、需要に応じ増産できるようにする。
東海・北陸地方で販売が好調なことから、名古屋事業部(愛知県安城市)でも供給体制を強化する。液卵を自動計量しながら充填する装置を23年に新たに設けたのに続き、24年秋には2台目の殺菌機が稼働を始める。首都圏向けでは関東事業部(水戸市)で1時間に8トンの処理能力を持つ殺菌機や貯蓄タンク3台などを増設した。
東証スタンダード上場企業。
『日本経済新聞』2024/05/30付。
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