醸造機械の専門メーカー。清酒やしょうゆの醸造機械で国内シェア8割を占める。
人工知能(AI)を使い、職人の麹(こうじ)作りを支援するシステムの開発が進む。プログラミング言語「Python(パイソン)」をゼロから学んだ社員らが、2025年の発売へ準備を進める。
「理想と現実の溝を埋めるには、デジタルしかない」。デジタルトランスフォーメーション(DX)の旗を振る藤原加奈副社長が考えたのは18年のこと。人口減による市場縮小を受けて事業のあり方を変えようと、微生物の高度利用を目指す将来計画を打ち出した。
醸造機械の生産管理システムを導入し、経験や勘を頼りに組んでいた生産や調達の作業計画をデータに基づき決めるよう改めた。身近な通話アプリを使ってデジタルへの抵抗感を下げ、150近い取引先も巻き込んだ。調達業務の月400時間削減といった目に見える成果が出ると、社員156人のやる気が高まった。国家資格のITストラテジストなどデジタル関連の資格保有者は18年の1人から7人に。溶接など他の分野でも資格を取得する人が出てきた。
『日本経済新聞』2024/04/23付
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