AIを用いた手術支援業務を手掛ける。
同社の「EUREKA α（ユーリカアルファ）」は、AIが患者の体内にある内視鏡の映像をリアルタイムに解析する。手術の対象となる線維組織の位置を、AI搭載のモニターで青色で表示する。医師はそれを参考にしながら、もう一つの通常モニターで手術を進める。胃がんや大腸がんなど患部の見分けが難しい手術に効果を発揮するという。
内視鏡手術は腹部に開けた小さな穴などからカメラや手術器具を入れ、映像を見ながら手術する。通常の開腹手術に比べて患者のリスクや負担が少なく回復も早い。日本内視鏡外科学会の調査によると、国内で00年に約5万件だった手術件数は21年には6倍の30万件近くに増えた。
一方、モニターを見ながら専用器具を使うため高度な技術や経験が求められる。手術中に動いたり形が変化したりする臓器を正確に認識するのは非常に難しく、若手医師と熟練医師で判断の正確性に差があるという。アナウトはこの差を埋めるためにAIによる支援システムを開発した。
AIを活用した手術支援は安全上の課題などから、これまでは手術前の画像診断などに限られていた。アナウトは手術中に使える国内初のシステムとして2023年6月に厚生労働省に申請し、24年4月12日に製造販売承認を得た。まず国内100カ所の病院での導入を目指す。
『日本経済新聞』2024/04/19付
https://anaut-surg.com/