鋼製ラック製造・販売・施工を手掛ける。
物流センターなどで使うAGV(無人搬送車)向けのラックを開発した。物流業界で急速に高まる省人化や省力化の需要を取り込む狙い。
開発したAGVラックは3種類。主力として期待する「L型1000」は棚板5段で、耐荷重は1段あたり100キログラム。ラックの下部に入り込むAGVの様々な機種に対応できるよう、地面から土台部分までの高さを6段階にわたって調節できる工夫も施した。近年の物流業界は人手不足に頭を悩ませており、無人化や自動化といった「物流革命」が進む。AGVラックは中国やインドのメーカーが先行しているとされるが、4月に社長に就任予定の下川浩二専務は「安全で頑丈な日本製品を求める引き合いは強い」と自信をみせる。
同社は1950年の創業で、当初はシャッターやディスプレーの塗装を手掛けていた。現在の主力事業は、顧客企業が工場や倉庫に設置する専用ラックなどの受託加工で、売上の約8割を同事業が占める。このため顧客の事業動向に売り上げが左右されやすく、新たな収益源として自社製品の販売事業に力を入れている。
2009年に投入した折り畳み式スチール棚「スピードラック」シリーズが中心だ。利用者は工具や専門知識は不要で、数十秒で広げたり折り畳んだりできる。使わない時は薄く折り畳めるため、保管スペースの効率化や輸送コストの低減といった効果を期待できる。こうした手軽さや頑丈さが注目され、自衛隊に採用されている。国税局でも膨大な書類保管が必要になる確定申告シーズンに活用され、ラックのレンタル費の削減につながったという。
『日経産業新聞』2020/03/31付。
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