貼り薬メーカー。消炎鎮痛剤など湿布薬の中で、薬効成分が入った膏体を不織布に塗り広げた貼り薬を「パップ剤」と呼ぶが、同社はこのハップ剤で世界シェア約4割を握る。年間製造枚数は約12億枚。欧米など海外約50カ国・地域で使われており、5割は海外向け。ほとんどがOEM供給のため、身近な製品だが社名を知る人は少ない。自社ブランドにこだわらない戦略が功を奏した。自らは販売網をほとんど持たず、経営資源をパップ剤の開発・製造に集中。他社にない製品を次々生み出すことで、販売提携先の医薬品メーカーを増やし、世界に製品供給を広げていった。8月下旬には本社隣接地に新工場が完成する。貼り薬では最近、吸着力がある肌色のテープ型が市場シェアを伸ばしており、テープ剤の主力製造拠点とする。狭心症やぜんそくなどの飲み薬の代わりに使うテープ剤で新分野に進出。パップ剤と並んでテープ剤でもシェア拡大を狙う。同社が今、次の大型製品として照準を定めているのはアルツハイマー型認知症向けの貼り薬。エーザイと共同開発を進めている。貼り薬は薬品によっては経口薬より効き目があり、副作用が出た時にも剥がすことで症状を軽減できるなどの利点があるという。
『日本経済新聞』08/04付。
http://www.teikoku.co.jp/
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