国連で、日本が提出した「核廃絶決議案」が賛成144、反対4、棄権27で採択されました。しかし、賛成国は昨年の167か国から144か国に減少し、共同提案国は昨年の108か国から77か国に減少しています。
昨年に比べて核軍縮に取り組む表現が後退している、
ことが減少の原因ではないかとも言われています。
「あらゆる核軍縮」の「あらゆる」を削ったり、
「核軍縮」の前に「効果的」を加えたり、
昨年触れていたオバマ大統領の広島訪問に
今回は触れなかったりした点が、指摘されています。
河野外相はブログで次のように述べています。
次の二つが目標であり、その二つとも達成できた、と。
●1か国でも多くの核兵器国に賛成、さらに共同提案してもらうこと
●核兵器国に加えて、核兵器禁止条約に賛成した非核兵器国と賛成しなかった非核兵器国双方から共同提案および賛成してもらえる国を増やすこと
しかし、共同提案国、賛成国とも減っています。
また記者会見では
「賛成国を増やすのではなく、核保有国が核軍縮に再び関与してもらうのが目的だった」
と述べ、上記ブログとは矛盾しています。
とはいえ、決議の表現を後退させたことにより、
・アメリカとイギリスが共同提案国になったこと、
・フランスが決議で賛成に回ったこと、
は一定の成果であると考えられます。
ただ、先日の「核兵器禁止条約」にも賛成し、
今回の「核廃絶決議」にも賛成をする国も多くあるのだから、
日本も両方に積極的になるべきではなかったか。
今回、「橋渡し」を理由に表現を後退させたとしても、
一方で、先日の「核兵器禁止条約」に賛成していれば、
今回、賛成が減少することはなかったのではないか。
「正当化」といわれても仕方がないように思います。
そして、河野外相はともかく、
あべ総理が深く考えているのか、不安が残ります。