今回は、見積時に前提が変わって比較できないという問題について。
注文住宅では設計変更で金額が変わるということが往々にしてあります。
オプション選択によって、オプション分の金額が追加される、というのはよくある例ですが、そのオプションによって、幾ら増額されるのか、を考慮してそのオプションを追加する・しないを決めますよね。
それはそのオプションによってオプションをつける前の金額が変わらないという前提があって初めてそのオプションの増額分が意味を持つわけです。
では、バルコニーの面積が変わったり、高さ制限の関係で屋根の形状を変えざるを得なかったり、小屋根裏収納を作ったり、場合はどうかというと、その変更(多くは面積が増える)によってどれだけ価格が上がるかを知りたいわけです。
当然、予算があるので、その予算範囲内で出来ることを選択しないとならない。
小屋根裏収納を例に取ると明確になるのですが、小屋根収納へ登る階段が増えるわけです。
2階建ての住宅に小屋根裏収納を作ると、変更前は1階から2階へ登る階段が1つ。小屋根裏収納をつけると、1つ分の階段を追加する。単純な算数ですよね。
今回は長屋(2世帯)になり、2つ分になるので変更前の階段は2つ、変更後の階段は4つになります。
追加分の階段は2つにならないとならない。
見積の内容を確認すると、追加階段数が3つになってる。
前提が合わないじゃないですか。
こういった前提が合っていない見積を平然と出してくるわけです。ちゃんと内容を1つ1つ確認しないと、前提を変えて価格を釣り上げる、ということをやってくる。
では、バルコニーの変更、屋根の形状変更についてどうなのか、というと、その部分の価格もまるっと全体価格を示すだけになってる。
通常は、予算オーバーになるので、少し面積を減らすとか、そういった調整をして、予算内に収める、ということをしないと、ローン破綻してしまいます。
手段を選ばないで良いから、顧客からできるだけ金をぶんどれ、と指示されているんじゃないかと、悪意すら感じてしまう。
また、この見積金額が出てくるのが遅すぎる。
一部変更合意契約直前に出てくる。
すると、予算調整できない状態で契約を結ばざるを得ない状況なってしまうわけです。
スケジュールが遅延すると、施主が想定していたキャッシュフローが悪化してしまうため、遅延なく引き渡しをしてもらわないとならない。
そういった足元を見られてしまっているのかも知れません。
結局、矛盾を抱えたまま変更合意契約をすることになってしまいました。