BIG MOTORの過去の悪事が次々と暴露されつつある。ではバイクの世界ではどうか。趣味性が高いバイクは、もっと伏魔殿ではないだろうかと思われよう。そんなバイク業界に「レッドバロン」(以下RB)という全国展開の新車・中古バイク店がある。果たしてRBはBIG MOTORと同じ構図だろうか。
約30年ほど前、それまで私のバイクのお世話になっていた自転車屋が廃業した。昔は自転車屋に毛が生えたような個人経営のバイク店が主流で、私も高校生の時からその店のご厄介になり、バイク整備のイロハを教わった。そんな店が廃業となり、これから先、バイクをどこで買おうか、整備してもらうかと考えたあげく、全国に展開しているRBを選択した。
当時、私のバイク仲間でRBのお世話になった者はおらず、あくまでも噂に過ぎないがRBの評判は芳しくなかった。しかし、新車の値引き額が大きいこともあって、私は悩んだ末にRBでバイクを買い換え、その後30年ほど同じ店でお世話になっている。
先日、そんなRBへタイヤ交換に行った。そこで店長に、「レッドバロンはビッグモーターのようなことない?」と冗談めかしに問い掛けると、「うちはそんなことありませんよ」と全否定するかと思ったら、「うちの店は大丈夫だと言えますけど、全ての店がそうだとは言い切れませんねぇ。所詮は人が対応する部分が多いので・・・」と冗談とも本音ともとれるようなことを言う。会社の方針はまともだとしても、店長や社員全員が全て同じレベルでないことはどんな大会社、一流企業でも同じ。変な人間は少なからずいる。だから、これから書くことは、全てのRBに当てはまるかわからないので、その点はご勘弁を。
RBとは全国300箇所以上に直営店を展開している新・中古バイクチェーン。恐らく、日本で一番バイクを売っている会社だろう。非上場の会社で、年間売り上げは857億円(2022年)ということはわかっているが、上場していないので財務状況の実態はHPではわからない。バイク販売での業界1位、全国展開、非上場という点でBIG MOTORとそっくりだ。じゃあ、実態も同じようなものか?私の限られた経験ではあるが、少なくても「なんだぁ、この店は!とんでもない会社だな!」と感じたことは無い。そんなRBの実態を書いてみよう。
まずは売買について。RBで過去30年ほどの間に、8台ほど新車を購入している。同時にそれまで乗っていたバイクを買い取ってもらっている。その間、変な費用を上乗せしたり、買い取ってもらった後に難癖を付けられて減額させられたことは一度も無く、そんな実体験の中で不満や不信を感じたことは無い。
新車の値引き額は近年めっきり減ってきて、以前のような大幅値引きは望めないが、中古のバイクは比較的高額で買い取ってくれる。その額が他と比べてどうなのかわからないが、少なくても「意外にイイ値が付いたな」と満足することはあっても、「ゲッ!そんなに安いのぉ?」と不満に感じたことは無い。そのバイクがリフレッシュされ、再び店頭に並んだ時の値札を見ると、びっくりするほど強気の値札が付けられているが、売却後にどんな値付けをされようが構わない。RBは近年「バイク王」を強く意識しているようだし、新車ではあまり儲からないので、大きな利益が出る中古バイクに注力しており、買取には積極的。それでも、グイグイと有無を言わさず強引に買い取ろうという感じが無い点はいい。
店頭に欲しいバイクが無い場合、全国に展開しているRBから探してもらえる。今乗っているCRF250RALLYは当初納期未定だった。しかし、他のRB店にあったものを持って来てもらった。走行距離0kmだったが、デモ車ということでエンジンは掛けた実績があることを正直に伝えてくれたし、デモ車だからということで、少しばかり値引き増額してくれた。但し、他の店からバイクを引っ張ってくる場合、別途運送料(数千円~)が掛かり、これは買う側の負担となるのがちょっと不満ではある。まあ、昨今のバイク市場ではなかなか即納といかないので、こうやって全国の店から持って来てくれるのは全国チェーンの大きな強みだ。
登録に際しても、意味不明で不審な費用は見当たらない。納車整備料は掛からず、税金など法定費用を除けば、登録手数料のみ(軽二輪で19800円)。買い取ってもらったバイクの下取りに関わる諸費用も発生しない。今乗っているバイクに自賠責保険が一年以上残っていれば、それを新しいバイクに付け替えることができるそうで、それをするかどうかも聞いて来る。任意保険や盗難防止、ETCも勧められるが、私の場合はネットの保険に加入しており、それを使うことを言ったら、すぐに引き下がった。ETCは今乗っているバイクから載せ替えを依頼するが、交渉次第では無料もしくは割安でやってくれることがある。とにかく、なんだかんだとやたらと勧めてきて、訳のわからない諸経費を上乗せし、姑息に稼ごうという感じは受けない。いらないものは、いらないと言えばそれで済む。
バイクの売買に関しては概ねこんな感じだ。次にアフターサービスについてだが、それに関しては次回書こう。