テレビの設置も楽じゃない | 直球オヤジの自由奔走生活

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座右の銘は「"行きたい"、"やりたい"、"欲しい"と思った時が"その時"」。55歳で早期退職し、高齢者と呼ばれるまでの今が"その時"。趣味のバイクや自転車は年齢的に待ったなし。エコノミーな生活で趣味を楽しむ。これをどう追い求めるかが、このブログのメインテーマです。

新しいテレビがやって来た。でも、たかがテレビの設置に思わぬ苦戦を強いられた。なんでこんなんだろう。

昔懐かしブラウン管テレビだった頃、テレビを台の上にドンと置いて、コンセントとアンテナ線を繋げばハイ終わりだった。ところが今のテレビはそうはいかない。テレビごときのことで何を言っているのかと思われそうだが、
10年ぶりに買い替えた今回の苦労を綴ってみたい。

まずは、古いテレビをどかす。居間のラックの上に設置してから約10年。イヤ~な予感がした。動かそうと思ってもビクともしない。当時、地震での転倒を懸念して、テレビの台座の下に
ゲル状の耐震マットを敷いて固定した。これで大地震が来ても大丈夫だ。そして10年放置。それがしっかりラックの天板と馴染んでしまい、強固に完全に固着してしまった。押せども引けども捩じっても剥がれない。仕方ないので、カッターで粘着面を剝離した。ようやくテレビと台は分離できたが、ラックの天板が大きく損傷しボロボロ。そこで天板を上下逆にして、傷が付いた面を下にして見えないようにした。その作業に大きくロスをした。

さあ、気分を変えて新しいテレビのお出ましだ。まずは、
B-CASカードを挿入する。ところがこのカードが小さい。スマホのSIMカードよりずっとマシだが、1.5cm×2cmほどで老眼の高齢者は苦労する。このカードをテレビの裏の挿入口に入れるだけなのだが、方向性があるので要注意。これがわかり難いのだ。テレビ本体にそれが図示はされているが、印刷されていないし、小さいので実に見ずらい。エイッと差し込んだら、間違っていた。差し替えようと思ったら、挿入口から外に飛び出している部分が少なく、一向に掴めない。工具箱からラジオペンチを取り出してことなきを得たが、これが無かったら大変だったかも。二回目はメガネを外して方向性をちゃんと見極め、無事にカード挿入。でも、なぜこんなカードが必要なのか、さっぱり理解できない。

さあ、いよいよテレビをラックに載せる。いや待て。載せてから
様々なコードを接続しなければならないから、今一度確認しておこう。BS放送も含めたアンテナ線が2本。DVDプレーヤーのHDMIコード、HDDレコーダーのUSBコード、古いVHSビデオのコードもあり、これらが交錯する。これをテレビ設置後戸惑わないように整理しておく。さあ、設置。コード類も予め整理しておいたので苦労することなく接続できたが、何だかんだと色々あるもんだ。

ここまで来て、取説を読むと、
転倒防止措置のことが書かれていた。テレビの後ろに付属の樹脂バンドを固定し、それをラックの天板に固定する。文字で書くと単純だが、その場所はテレビの裏だから狭くて暗い。そんなスペースに頭と手を突っ込んで、キリでビスの下穴を開けて、バンドをビスで固定するのは思いのほか大変な作業。こんな作業をしなくたってテレビは使えるから、やらない人も多かろう。しかし、大地震が来たらひとたまりもないだろうな。

ここまで来たらゴールは近い。テレビの電源をON。画面の指示通り順を追ってやれば普通はできる。戸惑うことはなかった。そして最後は
Wi-Fiに接続だ。今のテレビはネットに接続してネット動画が見られる。その為には自宅のWi-Fiルーターに接続する必要がある。その作業はスマホやパソコンなどと同じで、特に難しいことはない、と思っていた。ところがこの作業ではルーターにアクセスする為の暗号キーを入力しなければならないのだが、このキーは数字とアルファベットが混じったもの。これをテレビのリモコンでどうやって入力するのか。数字はチャンネルのボタンで入力するのは容易に理解できるが、アルファベットは?チャンネルボタンの機能を切替ることでできるはずだが、どうやって切り替えるのかがわからない。取説をひっくり返してもわからない。5分程ああでもないこうでもないとやっていたら、「なぁ~んだ、そうやってやるのか」とわかった。「そんなこと簡単」だと思っていたことに、思いも寄らず苦労した自分が腹立たしい。

これで終わりと思ったら、
HDDレコーダーの件が残っていた。古いテレビに接続していた外付けのHDDレコーダーは、買い替えずに使うことにした。ところが以前のHDDレコーダーを引き続き新しいテレビで使う場合、今まで撮り溜めたものは見られなくなる。そのことは事前に知っていたので慌てなかったが、今回古いレコーダーをONしたら、最初に「初期化しますか?」というメッセージが出て来てドキッとした。これに「はい」と答えたら、全てが消える。私は撮り溜めはしていないが、カミさんがある番組を多く残していた。カミさんにその旨を伝えて決断を迫る。しぶしぶOKしたが、テレビを買い換えると古いテレビで録画したものは見られなくなることは、決して常識ではないだろう。「初期化」は作業的には簡単だが、精神的な動揺を感じる人も多かろう。今のテレビの買い換えにおいては、そんな労苦も付随する。

こうして無事にテレビは使えるようになったが、さて
古いテレビはどうやって処分したらいいんだっけ?確か自治体では回収してくれないはず。ネットで調べたら、家電リサイクル法に則り、所定の方法で廃却しなければならないことがわかった。郵便局で所定の用紙に記載して家電リサイクル券を購入し、それを持参して所定の場所に持って行かなければならない。リサイクル料は2970円!。私は車を持っているし、テレビの大きさも巨大ではないから運べるが、車が無かったり超大型のテレビだったら、どうするのだろう。それにしても今の時代において、郵便局で手書きの伝票を事細かく書いてしかできない手続きなんて、遅れている。

こうして全ての作業が終わったが、今回感じたのは、高機能、多機能、高性能、大型化もいいが、増々ややこしくなったということ。ただ、それらの多くは
お金さえ払えば何とかなるもので、設置も廃棄も結構な額の費用を支払えば、自ら手を下さなくてもできる。でも全てを自分でやろうとすると、貧乏人やデジタルに疎い人、高齢者にとっては、たかがテレビの買い替えだが思った以上に大変だ。これは決してテレビだけではない。今後は車も劇的に進化変貌する。今までシンプルだったものが、時代とともに複雑で異質なモノになっていく。これも時代の流れではあるものの、ヤレヤレ。