カオス状態の夜の東名高速道路 | 直球オヤジの自由奔走生活

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座右の銘は「"行きたい"、"やりたい"、"欲しい"と思った時が"その時"」。55歳で早期退職し、高齢者と呼ばれるまでの今が"その時"。趣味のバイクや自転車は年齢的に待ったなし。エコノミーな生活で趣味を楽しむ。これをどう追い求めるかが、このブログのメインテーマです。

長女の引越しの手伝いで、東京まで東名・新東名高速道路を使って往復した。帰りは夜遅くになったが、ああ何てことだ。大小の車が組んずほぐれつの大バトル。こんなじゃ、いつ大事故が起きてもおかしくない。

自分の車を運転して、
夜遅くの東名高速道路を走ったのは2年ぶりくらいか。都内の一般道を抜けると、さあようやく高速道路だ。昼と違って渋滞の情報も無く、地元の静岡まで一直線。バヒューンと行くよ、バヒューンと

ところがまあ、渋滞こそしていないものの交通量が多いこと。さすが東京だ。大小の車が入り乱れて走っている。交通量が多いから、さほどスピードは出せず、90~100km/h程度。この位のスピードでこれだけ多くの交通量があると、追い越し車線も普通の走行車線化してしまう。ここは流れに任せて行こう。

東京インターから西に向かうに従って、乗用車が減り大型車輌が増えてゆく。厚木を過ぎた頃には顕著になり、大型トラックとそれ以外の車の割合は7:3位の比率になった。そうなると
第一、第二走行車線はトラックでほぼ独占状態となり、必然的に乗用車は追い越し車線を走ることが多くなる。こうして、徐々にトラック天国の様相を呈して来るのである。

そうやって秩序正しく走行してくれれば平穏な高速走行になるのだが、少しでも追い越し車線に空きができると、第二走行車線を走る
トラックの中から追い越し車線に車線変更する車が必ず現われる。一般車両の制限スピードは100km/h。対して、大型トラックの制限スピードは80km/hだから、交通規則を遵守すれば現実的には追い越せないのが普通。そして、何よりも大型トラックには速度制限を掛けるリミッターが装着されており、実際の最高速度は80km/h+αしか出ないようになっている。これにより、追い越し車線に出てきたトラックは、前方の道路がどんなに空いていようとも決してバヒューンとは走れず、80~85km/h程度で第二走行車線を走るトラックを、90km/h程度のスピードで長~い時間掛けて追い越すことになる。その間、追い越し車線を走ってきた普通車は、一番先頭を走るトラックの真後ろに数珠繋ぎにされるのである。

数珠繋ぎになると、そういう状態に
痺れを来たす車が必ず出て来る。走行車線に少しでも空きが出来ると、左の走行車線から猛スピードで追い越し車線の隊列を抜き、追い越し車線を塞ぐ大型トラックの前方に、何とかして割り込もうとする。「危ないなぁ」「強引だなぁ」と思うが、気持ちはわからないでもない。大型トラックはリミッターによって90km/h程度しか出ないのに、なぜ追い越し車線まで使って先を急ぐのか。それでどれだけ到着時間に差が出るというのか。

そんな状態が、神奈川県の西の端の大井松田付近まで続いた。ここから先、御殿場までの静岡県との県境付近は山間部でカーブが続く。下り線は二つに分かれ、各々2車線づつ計4車線になるから、今までのカオス状態は少し解消されるだろうと期待した。私は追い越し車線を走る前方の大型トラックの後ろに付いた。カーブも多く、勾配もあるこれからの区間ではトラックは不利で、すぐに走行車線に移ると予想したからだ。

ところが、このトラック、飛ばすこと飛ばすこと。
カーブが連続する区間なのに、メーター読みで120km/hを示したことすらあるほどで、常時100~110km/hでカーブが続く追い越し車線をグイグイ行く。トラックの前を走る普通車はこのトラックに追いつかれ、その迫力に負けて走行車線によけてしまうことすらあった。ペースペーカーとして私的には都合はいいが、前述した通り大型トラックにはスピードリミッターが装着されているのだから、こんなスピードが出るはずがない。恐らく何らかの方法でリミッターを解除しているのだろう。

こんな疑問を抱きながらもこの区間を通過し、御殿場インターを過ぎると、ここから
新東名高速へと繋がる。ここまで多かった交通量も、ここから先は従来の東名と分散されるので、流れは非常に良くなる。更に静岡県内の新東名高速道路は、大型トラックを除き制限速度は120km/hにアップされたので、昼間ならば追い越し車線を120~130km/h程度で快適に走れる。そんな道路でも大型トラックの制限スピードは80km/hのままだから、その速度差を考えたら追い越し車線に出てくることはまず無かろう。確かに少しはそういう傾向にはある。東京~御殿場間のようなカオス状態よりはマシになったものの、追い越し車線を120km/hで走る普通車の前方に、トラックが悠然と出て来ることがある。すると途端に90km/h以下の世界に変わってしまう。全車線とも順調に流れているのだから、追い越し車線にまで出て来る必要性はどれだけあるのか。

こうして
三車線全て大型トラックでビタッとブロックされてしまうシーンに何度も遭遇した。すると、業を煮やした高級車が左から迫り、ちょっとした隙を狙って、強引にそこをかいくぐって前方へ割り込もうとするのである。大型トラックとベンツには敵わない。更に危ないのは、快調に追い越し車線を120km/h程度で走っていても、車間距離を空けるとそこに大型トラックが入ってくることが多いので、車間距離を詰めてしまうこと。120km/hという高速で走っているのだから、充分車間距離を取らねばいけないのだが、トラックが追い越し車線に入ってこられないよう、普通車は車間距離を詰めてブロックする策に出てしまうのである。

夜の東名、新東名を西に向かうにしたがって大型トラックの割合は増え、トラックの独壇場になってゆく。夜の10時過ぎに静岡に着いた時には概ね9割がトラックで、「
トラック様のお通りだい!」という状況となる。こうなれば、全ての車線をトラックが独占したくなるのもわかる。私たちの生活を支える物流を支えているトラック輸送に敬意も抱いている。労働環境が厳しいことも理解している。でも、他の車輌のことも少しは考えて欲しいし、それにより交通事故が減らせるかもしれない。

最後に、東京から静岡まで約160km。その間に
目撃したバイクはたったの1台のみ(平日の夜間、晴れ)。バイクは取り分け存在感が希薄。トラック天国化した夜間の東名・新東名高速道路をバイクで走る場合は、くれぐれもご注意を。