子供の引越しを手伝う | 直球オヤジの自由奔走生活

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座右の銘は「"行きたい"、"やりたい"、"欲しい"と思った時が"その時"」。55歳で早期退職し、高齢者と呼ばれるまでの今が"その時"。趣味のバイクや自転車は年齢的に待ったなし。エコノミーな生活で趣味を楽しむ。これをどう追い求めるかが、このブログのメインテーマです。

私の娘がこの4月から社会人となるのだが、それに先がけ引越しをしなければならず、その手伝いに大わらわ。引越しは何度やっても面倒なものだが、地域や時代によってゴミ処理の仕組みが違うことを、改めて認識する機会となる。

娘が入居しているアパートの賃貸契約満了と、就職する会社から提供される社宅入居可能日とがラップしていれば都合がいいのだが、今回そこにわずか二日間、
空白の日ができてしまった。この二日間をどう埋めるかがこの引越しの最大のポイントだが、その前に大物のゴミの処理がある。これがなかなか煩わしい。

就職する会社から指定された
借り上げアパートには、大物の電化製品は殆ど備え付けられており、それはありがたい反面、既に娘が持っているこれらをどうするかを考えねばならない。また、会社の経費で落とせる荷物輸送には上限があり、それを上回る荷物をどうするかもある。この二点が大きなポイントなる。もう成人した大人なんだから「自分で何とかせい!」と言いたいが、そうやって突き放すことはしない。引越しには段取り諸手続きが発生し、これらを上手くこなさないと非常に手間取る。頼れる存在があるのなら、頼ればいい。少なくても私は娘より多くの引越し経験があるので、その伝授を兼ねて手伝うことにした。まっ、暇だしね。

早朝、自分の車で東京に向かう。高速道路を突き進み、首都圏に入ると渋滞が始まった。交通集中による自然渋滞だが延々と30kmも続いているようだ。たまらず東京の手前で高速道路を降りたが、一般道も混んでおり一向に進まない。早速東京の巨大さを思い知らされる。これだけ交通量が多いと、自転車にしても歩行者にしてもノンビリしていられない。つくづく
地方の方が健全だと思うのだが、若者の多くは巨大都市に憧れる。まっ、私もそうだったけどね。

予定より随分遅れて娘のアパートに到着。まずは
廃却するものを処理してしまおう。冷蔵庫洗濯機は小型のものだが、小さな車では限度があるので、ここからは東京に住む友人に手伝ってもらうことにした。さて電化製品の廃却だが、近年これらを簡単に捨てられない。自治体は一切回収してくれない。「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」によって定められた製品は、その法律に則って処理しなければならない。事前に所定のリサイクル券を郵便局で購入し、その上で指定された場所に持って行くという手順となる。学生らは典型的だが、こういうことを全くやったことがない人は、この手続きで戸惑ってしまうかもしれない。娘は事前に調べて、手続きや持ち込む場所等を把握していたが、当日になって「さあ捨てよう」と思ったら、大変なことになる。

友人の車と私の車に冷蔵庫と洗濯機を載せ、隣の区にある指定された集積所へと向かう。家電量販店ではなく倉庫街の一角にある場所へ持って行くので、ナビがあっても簡単ではない。荷を下せば完了だが、
リサイクル業者の方は周囲にいても荷下ろしを手伝ってくれない。これは不親切な訳ではなく、他人の車に傷を付けたというような苦情を防止するために、一切手を下さないのだろう。

こうして二時間掛けて二つの家電を処理できたが、今回は友人もいたし、車も小さいながら二台あったので問題なくできたが、車を持っていなかったり、車があっても自分一人だけだったらほぼ不可能。そういう場合は
自宅まで業者が回収しに来てくれるが、もちろん有料。自分で持ち込んでも3000円程度(製品による)掛かるが、取りに来てもらうとプラス数千円掛かり、一台捨てるのに10000円近く掛かってしまう恐れもある。今や、物、特に大型家電は捨てるのも大変な時代なのだ。

次は
粗大ゴミの廃却。今回は回収してもらうのではなく、持ち込むことにした。これも事前に申し込み、コンビニで処理券を購入する必要がある(東京の某区の場合)。もちろん有料で、一個数百円。娘はこの際”断捨離”しようと、惜しげもなくバンバン捨てる。布団も粗大ゴミとして一部捨てるという。私が住む町では布団は可燃ゴミとして普通に捨てられるのに、東京のこの区ではNG。自治体によってこれらルールは違うから、事前によく調べないと回収されず、ゴミトラブルとなる恐れもある。

粗大ゴミを何とか一台の車に押し込み、友人と二人で指定された場所へ行こうとすると、娘が「
本人が行く必要がある」と言う。区のHPにそう書かれていたという。つまり、区民の出したゴミであることの確認する意味であろうが、学生の場合住民票を実家から移動していない者もいるだろうし、そういう場合どうなんだろう。それに引越し作業に大わらわなのに、本人が行かなければダメというのも困る。電話をして聞いてみた。すると「家族の人が持ち込むのなら本人が同行しなくてもOK。但し、本人確認ができる免許証などを持参すること」と言われた。これで娘本人が行かなくてもよくなったが、私と娘が親子関係であることをどう証明したらいいのだろう。

友人と二人で粗大ゴミを区の「資源循環センター」に持ち込む。ここでも係の人は5人以上周囲に立つだけで、
車に近寄ろうとしない。娘の免許証を見せると、私との関係まで問われなかった。家族であることを証明するために戸籍謄本まで求められたらどうしようかと思ったが、さすがにそこまで厳格なものではなかった。

こうして大物家電と粗大ゴミを処理してしまえば、残りは何とかなる。会社の経費で落ちる範囲の物は、宅急便の段ボールに詰め込む。そこからあぶれた物は私の車に積む。この時点で新たなアパートに入居できれば、このまま新居に持ち込むのだが
入居できるのは二日後。宅急便は日時指定ができるのでいいが、それ以外の荷物は私の車に目一杯積め込んで、一旦私の家に持って帰り、そのまま車に入れたまま保管する。二日後、再び車で東京へ行き、新居のアパートに荷を降ろすという手はずとした。渋滞が酷い東京に二度来なければならないのは少々うんざりするが、娘と事前に話し合った結果、こうするのが一番得策だという結論に達した。

現在北海道で勤めている息子は、4月から東北へ転勤となる。息子の会社では引越し業者に任せることはできるので親が手伝う必要は無いが、息子は増えてしまった荷物を減らすよう格闘しているようだ。娘はこうして何とか引越しができそうだが、僅か
4年で廃棄となった多くの品々を思うと、「もったいないなぁ」と感じてしまう。学生の一人生活だからということで安物ばかりだけど、まだまだ使えるものばかり。「もったいない」からと言って、捨てずにため込むといずれゴミ屋敷化してしまうから、要らないのに取っておくことはないが、資源の有効活用という点からすれば、ケチな私にとって忍びない。まあ、こうして消費社会が成り立っているんだと納得しよう。

明日、娘の新居へ荷物を持って行く。就職する会社からあてがわれたアパートはどんななのか。自分で選んだ訳ではないので、ドアを開けみるまでわからない。格安で住めるのはいいが、混乱と期待と不安が高まる引越しシーズン。そして、
娘の社会人生活が新たに始まる