GoToトラベルキャンペーンのおかげで、今回の旅では宿泊費が安く済んだ。しかし、その安さとは無関係だが、いくつかのホテルで気になる対応があった。それは些細なことだが、客によっては「次回使わないな」となるのかもしれない。
新潟県北部の町のビジネスホテル。地方のはずれの町は大きな町と違って宿泊施設が少ないことあって、どうしても選択肢が狭まってしまう。だからGoToトラベルキャンペーンを使っても、朝食無しで3600円もした。ホテルに到着しバイクを停める場所を聞いたときから、そのフロントマンの態度がちょっとばかり横柄だと感じていた。バイクを所定の場所に停め再びフロントに行くと、体温チェックをするという。この半年の間に急速に普及したあの”ピッ!”っていうやつだ。しかし、上手く測れなかったようだ。「もう一度」と言われ、再び”ピッ!”。フロントマンは表示を見て小首をちょっとかしげ、ほんのちょっと顔を歪めた。その時私は全く正常で発熱など微塵もないはずだ。きっと上手く測れなったのだろう。フロントマンは「まっ、いいか」という感じで計測を終了したが、客の前で小首を傾げたり、顔を歪ませるのはいかがなものか。些細なことでとるに足らないことだが、こういうちょっとした仕草で、そのホテルに対する第一印象が下がってしまった。フロントマンが与える印象は大きい。
青森県弘前市のビジネスホテルに泊まった。GoToトラベルキャンペーンを使って朝食付きで2600円と、かなりイイ線をいっている。まずは受付だ。一連の手続きを済ませると「では、料金は〇〇円になります」と請求された。「えっ!?」。私はネットの予約サイトで事前決済していたはずだから、支払いはないと思っていた。ただ確証はなかった。長い旅になると、頻繁に宿を探したり予約したりキャンセルしたりを繰り返すので、私の勘違いかもしれない。「事前決済したはずなので、もう一度確認してくれませんか?」とお願いする。フロントマンは無言でパソコンをいじる。私もスマホで予約内容を確かめると、やはり既に支払い済みだった。そのことをフロントマンに伝えると、それには答えず相変わらずパソコンをいじっている。そして「決済済みですね。どうやらFAXが来ていなかったようで・・・」というが、私はネットで予約しており、FAXとはどういうこと?。まあ、そんな疑問はあるが二重払いをしなくて助かった。しかし、気になったのはホテル側が一言も「申し訳ありませんでした」と言わなかったこと。ホテル側の手違いで料金を二重に支払ってしまうところだったのだから、「すいませんでした」の一言くらいあってもいいんじゃないか。事前決済したならば二重払いに要注意だ。
このホテルではもう一つ不満があった。それはバイクなのに駐車料金を取られたこと。弘前市は青森県第2の町で、かなり大きな町である。その市街地のホテルだから、車は駐車料金が掛かるのはわかる。しかし、私の経験では大都市ではバイクの駐車料金を取られたり、そもそもバイクが駐車できないホテルはあっても、地方都市、それも県庁所在地の町の中心街のホテルならば極々稀にあるが、弘前でバイクの駐車料金が取られるとは思わなかった。それも550円!。宿泊料金は安かったが、トータルで見たらどうなるか。チェックインの前にバイクを停めたとき、他の車の邪魔にならないよう隅の狭い場所にひっそりと停めたのに、車と同じ料金を請求されるとは。予約時の情報には車の駐車場については詳細に書かれているが、バイクに関しては言及無し。バイクは無料だと勝手に思い込んだ私も悪いが、こういうこともあるので、地方とはいえ町の中心部のホテルの場合は、電話などで確認した方がいいと教訓にした。
三陸地方では国民休暇村に泊った。それまでずっとコンビニ弁当が続いたので、たまには宿で食事を取りたいと思ったからだ。ホテルの敷地内に入ると駐輪場の表示があり、それに従って行くと建屋の一階に辿り着いた。明日は雨のようだから、こういう場所は助かる。しかし、そこにはホテルの車も停まっており、バイクはどこに停めたらいいのだろう。そこでフロントへ行く。若いフロントマンが二人いた。「駐輪場にバイクを停めたいのだけど、場所はどこでもいいのですか」と聞くと、そのフロントマンはしどろもどろになり固まってしまった。「そんな難しいこと聞いたかぁ?」。再度聞き直そうとしたら、もう一人のフロントマンがカウンターから飛び出してきて、素早く案内してくれた。そして駐輪場へ行き「このスペース内ならどこでも構いません」と的確に教えてくれた。たったこれだけのことだったが、客の言っていることを瞬時に聞き分け、理解し、即動くことがフロントには求められるんだなあとつくづく感じた。
大した金額を払っている訳でもなく、いたって庶民の利用する宿ばかり。だから、過剰なサービスやバカ丁寧な応対なんか、はなから期待していない。でも宿のグレードに関係なく、客の前でやってはいけない態度や対応はあるし、フロントに立っている以上ある想定される質問にはすぐに答えられるようにして欲しい。それは激怒するレベルのことでもないし、「金を返せ」などとクレームを言い立てるほどのことではないが、ちょっとだけ「なんだかなぁ」という気分になってしまう。この程度の社員教育に費用は掛からないし、そういう部分を直せば、少なくても評判を落とすことはないのに。そういう「もったいないなぁ」と思ってしまうことが多かった、今回の旅の宿だった。
最後に今回の宿の宿泊料金を総ざらい。全てGoToトラベルキャンペーン適用である。
<一泊目>新潟県某市:3647円(素泊まり)。ビジネスホテル。検温実施(但し、失敗した模様)
<二泊目>秋田県秋田市:3250円(二食付き)。ビジネスホテル。検温実施。
<三泊目>青森県弘前市:2633円(朝食付き、バイク駐車料金550円別途)。ビジネスホテル。
<四泊目>秋田県大館市:2867円(素泊まり)。日帰り温浴施設併設の宿。市内の店で使える1000円分の商品券を頂く。
<五泊目>岩手県某市:5785円(二食付き)。国民休暇村。検温、居住地確認実施。
<六泊目>岩手県某市:0円。友人宅。
<七泊目>仙台→名古屋のフェリー:11300円(二等、三食付き、バイク料金込み)。検温、健康状態等問診、居住地確認実施。
フェリーの2等(いわゆる雑魚寝)は二人分を一つの区画とし、区画の仕切りにカーテンが追加された。本来の定員は18人だが、この日この部屋に泊ったのは2人だけ