帰省と大学生活 | 直球オヤジの自由奔走生活

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座右の銘は「"行きたい"、"やりたい"、"欲しい"と思った時が"その時"」。55歳で早期退職し、高齢者と呼ばれるまでの今が"その時"。趣味のバイクや自転車は年齢的に待ったなし。エコノミーな生活で趣味を楽しむ。これをどう追い求めるかが、このブログのメインテーマです。

東京に住む大学生の娘から帰省の打診があった。もちろんOKだ。自粛なんて必要無い。政府は「GoToトラベルキャンペーン」で積極的に移動をほどこしているのだから。でも、それにしても大学はいつ平常化するのだろう。

 

いつもなら娘は「〇〇日に帰る」と言ってくるのに、今回は当方へお伺いを立てるように聞いてきた。アルバイト先の学習塾も夏季休暇に入るので、その間帰省しようと思っているそうだ。東京はGoToトラベルの対象からも外され、新型コロナウイルスの感染者もコンスタントに高いレベルが続く現状から、気にしている様子が伺える。

 

政府や自治体、はたまた個人的に、この時期の帰省についてどう考えるかバラバラ。だから、自分で判断すればいい。増してやGoToトラベルキャンペーンで、政府は移動や旅行を積極果敢に推し進めているのだから気にすることなんか無い。無症状感染者が約8割もいるのに、検温やマスクの着用などをすれば、それで「感染対策の徹底」ということになるそうだから、その程度の対応は娘だって出来る。自分の子供が感染しているかという心配よりも、活動的な若い人間が狭いアパートに半ば閉じ込められたような状態に置かれ、四六時中パソコンの画面に向かって授業を受けている場面を想像すると、肉体的、精神的なダメージを心配する。そんな心配を抱けば、親として「地元に帰ってくるな」なんてことを言えるはずがない。大歓迎だ。

 

ところで、大学はどうなったのか。娘が通う学校は、結局前期授業は全てオンラインで、後期もオンラインになるそうだ。朝日新聞と河合塾の調べによると、授業の全てをオンラインで実施した大学は652校中の40%。授業の80~99%をオンラインで行ったのは44%とのこと。そして、後期に関しても決めあぐねているらしい。「旅行に行きましょう」、飲食もOK、ディズニーランドやUSJも再開した。大学以外の小中高校は正常な形とは言えなくても、とうに再開し大きな問題は出ていない。なのに大学だけは、多くで未だ完全に閉じたまま。そして、この先も見えない。これじゃあ通信教育じゃないか。それに学生の習熟度だけでなく、メンタル面も心配になる。経済的な理由や喪失感から、今後中退する学生は増えるに違いない。

 

4月に入学した新入生にしたら、入学式も含め、一度もキャンパスに立ち入ったことがなく、友人も出来ず、バイトもままならないという状況が続いているのだろうか。これはきつい。やってられない。自宅から通っているのならまだしも、アパートを借りた場合はどうしているのだろう。オンライン授業はどこでも受けられるから、実家に帰って受講しているのなら、住んでいないのに賃貸料を払い続けなくてはならないし、アパートに住んでいるのなら、それは”ぽっち”との闘いになる。

 

確かに大学は小中高校とは違う。数百人以上入る階段教室での授業も多いし、学食は大混雑。ワイワイお喋りしたり議論したりするのは学生の常だし、サークル活動も盛んだから飲み会もやってしまうだろう。自宅から通う学生は、長い時間掛けて通うこともあろう。大学こそ三密の権化のような場所であり、三密は避けがたいことはもっともだ。そして、コロナ禍の初期に京都のある大学の学生が海外旅行で感染し、その大学は世間からボロクソに叩かれた。最近はそうやってやたら暴力的に叩きまわる人間が少なからずおり、恐らく他の大学もその一件がトラウマとなり、なかなかキャンパスを解放できないのだろう。もし学内でクラスターが発生したら、今後の受験者の増減にも影響しかねない。

 

しかし、コロナウイルスは短期間で一過性のものではないのだから、いつまでこの状態を続けるつもりだろうか。リスクがゼロになることは永遠にない。恐らく、オンライン授業は残しつつ、徐々にゼミや実験、実習、実技などを伴う一部の授業を対面で行うハイブリッド化に移行して行くのではなかろうか。

 

大学のこのような現状について殆ど報道されないが、そこでは多くの学生が「こんなはずではなかった」と苦悩しているに違いない。学生だけが特別な訳では無く、未だに殆ど、いや全く解放されていない部分が他にもある。最近、GoToトラベルや営業自粛するしないで、観光宿泊業界や飲食店の話題が多いが、今回のブログのように大学生や全く報じられない業界や人々もいることを忘れていけないと思う。