北海道・東北、ツーリング&鉄道の旅(その7)/列車の窓から何が見える | 直球オヤジの自由奔走生活

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座右の銘は「"行きたい"、"やりたい"、"欲しい"と思った時が"その時"」。55歳で早期退職し、高齢者と呼ばれるまでの今が"その時"。趣味のバイクや自転車は年齢的に待ったなし。エコノミーな生活で趣味を楽しむ。これをどう追い求めるかが、このブログのメインテーマです。

私は地方の鉄道に乗ると、風景だけでなく道路を見ている。北海道や東北のローカル線の旅では、「ああ~、この道をバイクで走りたいなぁ」と思わせる魅惑的な道が目白押しだった。しかし、時に変なものも見つけてしまう。

 

北海道や東北のローカル線は風光明媚な絶景路線が多く、その風景だけ見ていても飽きることは無い。函館本線では羊蹄山や噴火湾、大沼と駒ケ岳の織りなす風景はさすが北海道と思わせる。東北だって負けていない。津軽富士と呼ばれる岩木山は津軽を走る路線ならどこでも見られし、日本海の際を走る五能線や羽越本線は長時間に渡って海沿いを走る海浜絶景路線。東北を横断するように走る山田線や田沢湖線の渓流沿いの道も清々しい。秋田県と山形県に跨る独立峰の鳥海山は優美だ。更に新潟に入ると、見渡す限りの広大な水田に圧倒される。そのどれもが素晴らしい。

 

JR函館本線森駅から駒ケ岳がドカンと見える

広大な水田が広がる越後平野

 

こういう光景は大好きで、これぞローカル線の良さだと思っているが、私の場合、鉄道の近くを走る道路にも目がいってしまう。それは私が一番好きな旅のスタイルがツーリングだという証拠なんだろう。ツーリングでは鄙びた無人駅で雨宿りや休憩させてもらうことは度々あるが、「ああ、鉄道に乗りたいなぁ」とは決して思わない。しかし鉄道に乗っていて、傍らの快走路を見つけると「ここをバイクで走ったら気持ちイイだろうなぁ」と思ってしまうことはしょっちゅうある。そんな道が取り分け多いのが、北海道、東北、九州エリアだ。

 

JR八戸線はノーマークだったが絶景路線だった

 

札幌から函館への移動は函館本線経由で行った。本線という名が付いているが、余市~長万部の間の山間部はローカル線そのもので、鉄道と並ぶようにして国道5号線が付かず離れず走っている。私の目は自ずとその道に向いた。実に気持ち良さそうな道が続いているからだ。今回私が驚いたのは、その交通量の少なさだった。5号線という一桁番台の道路は大幹線のはずなのに交通量が実に少ない。皆無とは言わないが、極わずか。つまりガラガラ。一分間に一台見るかどうか。その日は日曜日ということもあろうし、コロナ禍の影響で地元だけでなく道外の観光客が少ないこともあろうが、それにしてもこの車の少なさはいったいどういうことなんだろう。

 

酷道、険道、淋道が好きな私は、ツーリングに出ると番数の少ない国道は極力避ける。一般的に番数が少ない国道ほど交通量が多いからだ。しかし、これだけ車が走っていない一桁番台の国道なら、その異様さから走ってみたくなる。それほど国道5号線の交通量は少なく見えた。つい数時間前までいた札幌には、膨大な車がひしめいていたのに。それは天と地、雲泥の差がある。

 

北海道だけでなく、近年地方をツーリングして思うのは、人口の大小に関わらず市街地には多くの車が走っているのに、一たび市街地から離れて家が途絶えると、途端に車が激減する。その差が年々拡大しているように感じるし、過疎地であればあるほどその傾向は顕著で、その代表格が北海道や東北なのだ。そして、その傾向が一桁番台の国道にも見てとれたのがこの5号線だった。いや、ここだけではなかった。日本海沿いに走る国道7号線もそう。

 

山形県鶴岡市から新潟県村上市の間は、日本海とそこに浮かぶ粟島を望む海の際を羽越本線と並んで国道7号線が走っている。新潟と山形、秋田を繋ぐ主要幹線のはずなのに、平日なのにこの国道もパラパラ状態だった。ここをツーリングしたら、さぞかし気持ちいいことだろう。個人的にはこういう道は大好きだが、一桁の国道なのにこんな交通量が少ないというのは何かおかしい。そういう疑問を抱いてしまうほどだ。

 

JR羽越本線の横を走る国道7号線の交通量は極少

 

さて、函館に向かう鉄道で海沿いの長万部駅にまでやって来た。ここから先の国道5号線は室蘭方面からの国道37号線も加わり、少しは交通量が多いはずだが、それでもガラガラがパラパラになった程度の差。一分間に数台程度。そうやって噴火湾の海の光景と道路を眺めていると、居た居たあれが。それがレーパトだ。レーパトとは車のルーフにレーダーによるスピード測定装置を備えたパトカーで、レーダー付きパトカー、略してレーパト。全国的に配備されているが、北海道では度々目撃する恐ろしい秘密兵器だ。列車の車窓からそんなものまで見えてしまうのだ。

 

「おお、こんなところで待ち構えているのかぁ」。長万部~森の間は海沿いのハイスピード区間。そこでレーパトを二台目撃した。一台は列車が到着した無人駅の駅前広場に停車していた。列車が到着するとほぼ同時に、パトカーが待ち構える国道5号線を一台の乗用車が通り過ぎた。私から見て「ちょっと速いかな」と思えるほどだったが、道内の市街地はほぼどこも40か50km/h制限が掛かるので、オーバーしているかも知れないが、驚くようなスピードではなかった。すると間髪入れず、それまで静かに待機していたレーパトはサイレンを吹鳴し、駅前を飛び出していった。ああ、かわいそうに。きっと捕まったな。もちろん車窓から素晴らしい風景を眺めてはいるが、時にはこんな光景も同時に見つけてしまうのだ。

 

東北の鉄道に乗っている時、随所に素晴らしい道路があった。北海道はほぼ全域に渡って隈なく走破してしまい、未走破道路は殆ど残っていない。でも東北には少しばかり穴がある。そんなエリアで見た閑散とした快走路が魅力的だった。鉄道に乗りながら、自分がバイクでここを走る姿を夢想してしまう。駅での乗り換え時間に、大雑把にツーリングルートを計画してみた。A県まで高速道路を使って一気に移動し、そこからB県のあのエリアを中心に走り、C県のこのエリアへ入る。などということを考えた。よし、次はバイクで東北ツーリングだ!。でも8月は暑いからなぁ。9月になったら決行しよう。でも、コロナ禍はどうなっているか。それが何よりも気掛かりだ。

 

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