何を望むかで選ぶものは変わる | 好きなものに囲まれるくらし

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「大好き!」は元気のもと。大好き!」を選択し続けていたら、
色んなことが変わり始めました。その変化の過程をつづります。
やっぱり「好き」の力はすごい。

大河ドラマの「光る君へ」、どんどん面白くなっていきますね!

私は毎週日曜が楽しみでなりません。

トレジムのトレッドミルで視聴するべく、いそいそと出かけていくわたくしです。

 

主人公のまひろが貴族社会の汚さに幻滅していくさまが、毎回良く描かれています。

反対に、庶民の出である散楽役者の直秀の、視点の広さに興味を持ち始めるのも面白い。

直秀は富める者から盗みを働き、貧しき者に分け与える義賊の裏稼業も持っている。

筋の通った生命力の強い、魅力的な若者として描かれています。

 

左大臣家の娘の教育係である赤染衛門は、直秀の魅力をすぐに見抜きます。

男性として魅力的なのは、ああいう人であることを真っ直ぐに認めることのできる洞察力があるのです。

そしてそれは、彼女が自立している女性だからできる選択でもある。

ちなみに赤染衛門は現代で言ったら、自分で食い扶持を稼ぐキャリアウーマンのようなものなので、男性の社会的地位や経済力を重視していない。

純粋に、男として魅力があるかどうかで判断できる立場にいる。

だから氏も素性もわからない、直秀を素敵だと思えるのです。

 

一方、左大臣の娘の倫子は、お姫様ですから、将来性のある良家の素敵な男性がいいわけで。

それをはっきりと見通せたのが倫子のお母さん。

今の職位は低いけど、将来的には高い地位に上がるのを見通して、道長を推すのです。

同じような立場に藤原公任がいますが、「あの人は頭も良く、見た目も良いので女性にモテモテだから、結婚したら倫子が寂しい思いをする。」とバッサリ。

これは、良家の子女の明るい未来を考えると、真っ当な見立てです。

私が倫子の母であったなら、やっぱりそう思います。



いくら経済力があって、社会的な地位が高くても、女性関係が派手な人と連れ添うのは苦痛を伴います。

幸せな家庭生活を築くには、女性関係が派手でないというのは、大事な要素でしょう。

 

昔、営業職時代にお客さんだったモテモテな社長のことを思い出しました。

見た目は俳優さんみたいにカッコよく、声も渋くて素敵。

おまけに歌も超絶上手いらしく、女性にモテてしょうがなかったかたです。

私はこの方の奥様と、定期的にお話しする機会があり、旦那さんがモテることはよく聞いていました。

私が結婚するときも、「旦那さんはイケメンなの?」って聞かれて、「いいえ、そういうタイプじゃ無いんです。」っていうと、「それはいいね!なまじカッコいいと、女が寄ってきちゃって大変よ。追っ払うのが。」って笑っていました。

切実なんだろうけど、あまりに多いので、もう笑うしか無いという感じでした。

 

私はモテモテな男性と付き合ったことがなく、そういう悩みに遭遇したことはありませんが、想像するだけで疲れるだろうなあと思います。

私に娘がいたならば、やっぱり「モテモテな男性はやめときなさい。」って言うと思う。

 

赤染衛門くらい自立した娘なら、「好きにすれば?」って言うかもしれないけど。

専業主婦を希望する女性ならば、やはり男性の経済力と仕事力、そして誠実さが大事になってきます。

だから、どういう生き方をしていくかによっても、選ぶ男性は変わってくるはずなのです。

 

自分で自分の食い扶持くらいは稼いでいけるなら、相手の男性の経済力も職業も関係ありません。

それをわかりやすく表現していたのが、赤染衛門の言葉でした。

素の状態で一番いい男は誰かをストレートに見抜いたところがさすがです。

 

一方、そこまでの稼ぎはなく、一応貴族社会の中で生きている主人公のまひろは、貴族の男性が嫌になってきてるんですね。

でも、道長への思いもキッパリと捨てることもできずに中途半端な状態にいます。

 

そこへ、真のイケてる男子の直秀の「一緒に来る?」みたいな言葉に揺れちゃうのもわかるなあ。

カゴの鳥のような都の暮らしよりも、ずっと広い世界を知っている、たくましい直秀です。

でも、素性もよくわからないし、表面的には貧しい暮らしをしている散楽の役者に過ぎないのです。

 

素敵だと思っても、赤染衛門のように、心の中で楽しむだけというのも選択できます。

現実的な生活は変えずに、自由な心の中でその思いを解放するという道もあるわけで。

そこは分別のある年齢に達している大人の女性の選択という感じです。

 

さて、まだ若く、突進する力もある主人公のまひろはどうするのでしょうか。

突っ走って直秀と共に、とはいかない気がするな。

なぜなら彼女はとても賢いからです。

 

色んな影響を思って、今の立場に留まるのでは無いでしょうか。

来週はその辺りの葛藤も描かれるのが予想されます。

またもや楽しみが止まらない。

 

まっすぐで若い気力に満ちた若者達と、老獪な貴族社会の男女のドロドロの対比がまた面白いです。

韓国ドラマの宮廷ものみたいな迫力があって、日本のドラマっぽくない感じもします。

次まで引っ張るテクニックも韓ドラ風です。

実は最も老獪なのは、このドラマの脚本家なのかもしれません。