僕はウヌボレ屋 | 鳥肌音楽 Chicken Skin Music

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先日のこと

TVをつけっぱなしで図書館で借りた本を読んでいたら

(ちなみに、町田康の「正直じゃいけん」、面白いです)

町田 康 正直じゃいけん


TVから聞き覚えのある声とメロディ

♪むぅむ~むぅう~えヴりばでぇ~えるす♪と鼻歌で一緒に歌って

おいおい、これってキンクスやんけ


曲名なんやったけ・・・

そうそう I'm Not Line Everyone Eles (僕はウヌボレ屋)

よりにもよってこんな曲使うかょ普通

とどこのCMか見たらIBMのコマーシャルでした


早速「IBM CM」でググってみたら出てきました

http://www-06.ibm.com/jp/e-business/ad/tvcm/innovation/


ここでくだんの30秒CM見ることができます


コンビナートの煙突から大量の青い花びらが吹き出し

ニューヨーク、ロンドン、東京といった世界のビジネスの中心地に舞い降りていく

オフィスではやりてのビジネス・パーソンがI'm Not Line Everyone Eles を声を合わせて歌っている


曰く


みんなが 僕になにかを押しつける   I won't take all they hand me down

いいなりになる 僕じゃない Cause once I get started I go To town

もう じっとなんてしてられない


僕は 誰とも違う Cause I'm not like everybody eles

僕は 他の誰とも違うんだ I'm not like everybody eles


みんなと 同じような人生なら And I don't wanna live my life like everybody eles

そんなものは 意味がない And I don't wanna be destroyed like everybody eles


僕は 他の誰とも違う I'm not like everybody eles


そして「スペシャルになろう」というナレーションと

What wakes you Special IBM という文字


商品名とかのないIBMという企業そのもののCMになっています


しかし、このCMって最初にKINKSの曲ありきで作られていますよね

「みんなと違う特別なんだ」っていうコンセプトがあって曲を探したらKINKSが見つかったじゃなくて

KINKSの曲で「みんなと違う」と歌ってるからこれをいつか使ってやれと

代理店の人が暖めていた企画なんじゃないでしょうか


でも邦題は「僕はウヌボレ屋」

自嘲気味にこの曲をOKしたとしたら、IBMもなかなか洒落ていますね


しかし キンクスとはなぁ・・・


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I'm not like everybody eles 収録のアルバム

 The Kinks Ultimate Collection
日本ではいまだ過小評価って感じのするキンクスですが、未聴の人は試しにベスト盤でも聴いてもらえば
彼等というかレイ・ディヴィスの才能のほどを感じてもらえると思います
ポール・マッカートニーのメロディ作りの才能とジョン・レノンの諧謔精神を一人で備えている、そんな人です
とにかく楽曲個々の素晴らしさでいえばビートルズストーンズをも凌駕していると思います
 The Kinks To the Bone

僕の持ってる「ウヌボレ屋」はこのライヴ・アルバムです

スタジオよりかなりハードな感じが

今のところキンクス名義としては最後のアルバム、もう10年も経っちゃいました