普通入場券 鹿越駅 | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和41年9月に根室本線の鹿越駅で発行されました、料金20円の普通入場券です。

 

 

札幌印刷調製の券となります。

 

根室本線「鹿越駅」は金山~東鹿越間に存在した駅で、明治34年(1901年)9月3日に十勝線(当時)が落合まで延伸されるまでは終着駅だった時代もありましたが、根室本線に並行して流れる空知川に「金山ダム」を建設する事が決まり、根室本線は金山~東鹿越間のルートが変更される事になり、この普通入場券が発行された4日後の昭和41年9月28日をもって営業を終了、翌日から列車行違いのための「鹿越信号場」となって新ルート上に移転し、信号場に格下げされてからも仮乗降場として旅客扱いを行いましたが、信号場となってからは営業キロは設定されなかったので、乗車券類に「鹿越」の駅名が記載される事は無くなりました。

 

その後、昭和57年11月に運転取扱い業務を終了して信号場から「鹿越仮乗降場」となり、昭和61年11月に廃止となりましたが、国鉄からJR北海道となる昭和62年4月1日以降まで、あと数ヶ月ほど仮乗降場としての営業が続けられていれば、他の仮乗降場のように正規の駅に格上げされて、再び「鹿越駅」として復活していたかも知れません。

 

かつての「鹿越駅」を含む、根室本線の富良野~上落合信号場間は、2016年(平成28年)の台風10号による大雨で甚大な被害を受け、列車の運行が長らく休止されておりましたが、復旧は叶う事無く列車の運行が再開されないまま、本日2024年3月31日の列車代行バスの運行をもって営業廃止となってしまいました。