篭原と籠原 | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

高崎線籠原駅からの相互式乗車券で、新潟印刷場調製の2等級制時代のものです。






運賃は異なりますが、どちらも籠原⇔熊谷の乗車券となります。

上段の券には「」の部分に「」の文字が使用されておりますが、漢字の意味は同じであっても「」は「」の俗字体とされており、駅名としては下段の券のように「」の文字を用いるのが正当となります。


籠原駅を所管する高崎局の担当印刷場は、昭和54年頃より新潟印刷から東京印刷へ変わりますが、「篭」の文字が使用されている例は新潟印刷券しか見た事が無く、さすがに東京印刷券では存在しないものと思われます。


話は少々脱線しますが、下段の券には発行箇所表示の左側に「○自」の記号が表示されており、これは硬券式の自動券売機による発行と推察され、当時の籠原駅は既に電留線が設けられていて、同駅を始終着とする高崎線電車や、電車の増解結も行なわれる運転上の拠点駅ではありましたが、まだ駅自体は小さな駅であったと思われますので、このような駅にも当時既に券売機が設置されていた事に驚きます。