終りに見た街:戦争とは | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

おかげさまで、連日問い合わせが続いており

それも日本から来たばかり、という方が多く

今までになかった流れを少し感じております。


今までですと、どうしても帰国間近になってから

慌てて塾に駆け込む、という帰国生が多かったものですから。


さて話は変わりまして

もう1週間以上前になりますが

8月15日は終戦記念日でした。


そんな訳で、今日は戦争関係の小説を一冊ご紹介いたします。

終りに見た街 (小学館文庫)/小学館

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こちらは、脚本家として有名な山田太一さんの小説で

現代に生きる家族が

戦時中にタイムスリップする、というお話です。


戦争後の一つのシーンで

主人公が友達の家を訪ねる場面があります。


その時に、友達とそのお母さんとの会話で

出すお菓子も、食事もなかったのでしょう。

お母さんは子どもにこう言います

「食糧を出さなければいけないお客さんが来たら、とても迷惑でしょうが」


これを読んで思いました。

そっか、食糧のない時代は、こういうことで親子喧嘩になってしまうのか、と。

友達と遊ぶと行っても、家の中ではなく外。

戦後の食糧難だった頃のギスギスした雰囲気が伝わってきます。


また、東京大空襲と言っても

焼け野原にならなかった地域もあり

その地域にすむ人々は、空襲警報が鳴るたびに

またか、と思い防空壕に入るのを嫌がった人もいたそうです。


空襲警報と言っても当時の人たちにとっては

現代の津波警報や地震速報に似たものだったのかな、と思いました。


警報と言っても、自分は被害にあわないだろう、そう思っている人々。

戦争中においても、自分だけは死なないだろう、そう思っていた人も多かったということでしょう。


戦時中のちょっとした日常生活を垣間みれる、そんな小説です。

是非機会がありました読んでみてくださいね。

それでは良い週末を♩