子どもに勉強を強要するべきかどうか。
強要して勉強を嫌いになってはどうしようもありませんし
強要されないと勉強をしない子になっても
それでは根本的な解決にはなりません。
だからと言って
強要しなければ、本当に勉強をしないで一日が終わってしまう。
そんな家庭での悩みが深くなる昨今
教育界は、学力低下という問題に焦点があてられています。
学力低下という問題ですが
「ゆとり教育」がゆり戻され
実際に指導要領も改訂され
教科書も以前より分厚くなりました。
私はこういった改定を好意的に受け止めているのですが
これで学力低下が解決されるとは思っていません。
そもそも、学力低下という問題を解決するべき問題である
とも思っていません。
なぜなら、学力低下は、結果であって原因ではないからです。
試合で負ける
こういったことに対して
どうしたら試合に勝てるのか
それを考えることは大変大事なことです。
しかし、そもそも
試合に勝ちたい、という動機がないのだとしたら
何をしたところであまり価値的ではないのです。
この「動機」という部分が今の学力低下の問題から
なおざりにされているのです。
学力低下が起こる原因
それは、勉強に対する動機の問題です。
学習の方法論や内容の問題ではないのです。
子どもたちは
何のために勉強しているのか
それさえも良く分からないまま
大人が敷いたレールの上を
いかにうまく渡れるか、というゲームに奔走するのです。
なぜ子どもたちは勉強する動機をなくしてしまったのか。
その根本的な原因は
一通りの豊かな生活を手に入れてしまった大人こそが
勉強する目的を、子どもたちに伝えられないでいるからです。
せめて、今の豊かな生活を続けられるように
経済的なゆとりを得られるように
勉強してもらいたい
と言うのが関の山ではないでしょうか。
実際に今の日本の大学は
就職率という数字や
どこどこの大企業にこれだけの人材を輩出した
という競争に明け暮れています。
これではあたかも勉強は就職のため
と子どもが思っても仕方ないのです。
そして、そういった子どもたちに勉強を強要したところで
彼らは徐々に勉強をしない方向に進んでいってしまい
学力低下を止めることはできないでしょう。
学力低下
それを克服するための
指導要領の改訂のはずですが
「学力をつける動機」を与えられない今の社会では
何の解決策にもならないのです。