現地校の宿題の手伝い方(3年生英作文・渡米一年未満) | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

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アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

先日、面倒を見るのではなく自立を促す工夫を









とお伝えしたので









もう少し具体的に、塾ではどうしているのかを紹介できればと思います。














こちらでも書きましたが









現地校の宿題の手伝い方(7年生英作文)


















英作文の宿題においてまずやってはいけないのが







子どもの力を一切使わせない、ということです。









これでは、宿題が終わったとしても、子どもは何の達成感も味わえません。









私が何度もこのブログを通してお伝えしようとしていることに








「なんのため」の確認 というものがあります。

















宿題は何のためにするのか。









それは終わらすためではありません。









成績でAをとるためでも、先生にほめられるためでもありません。









子どもが自分で宿題をできるように、自立できるように









そして、大きなことを言えば







親に頼らずに子どもが一生涯自分の足で歩めるようにすることこそ









宿題に取り組む本当の目的なのです。














それでは、具体例に塾ではどうしているのかを生徒との会話を用いて紹介したいと思います。












例えば









現地校小学3年生の英作文を例として使います。









簡単に説明しますと、宿題は本のお話の紹介です。









生徒はアメリカに来て、まだ1年未満。









もう塾でのやり方に慣れてきたのか







きれいな日本語で感想文を書いてきてくれました。









これを日本語から英語に訳していきます。







(補足ですが、第一言語で書けないものは、第二言語でも書けません)













生徒の文章に以下のようなものがあったとします。








「おばあさんが3年前になくなってしまったので、おじいさんは1人で海の家に住んでいます。」



















これをそのまま訳するのは、文章が長く







文章の中の主語・述語があいまいなために難しいので








まずは、日本語の文章を短く分解します。
















私:この文章だと長いから、2つの文章に分けて。そう、○を二つ使うってことだよ。








生徒:「おじいさんは1人で海の家に住んでいます。なぜなら、おばあさんが3年前になくなったからです。」

(海の家、とは本当の海の家ではなく、物語上の海の上にできた家をさします)







私:よし。いい感じだね。そうしたら、今度はこれを英語にしてみよう。







生徒:う~ん、分からない・・・







私:そうしたら、自分ができる限りでいいから、文章作って見て。例えば、「おじいさんは家に住んでいます」だったら訳せるよね。







生徒:うん、「Grandpa live in a house.」








私:できるじゃな~い。いいよぉ。そうしたら、家は海の家って「海の上にある家」なんだよね。英語でなんていうかな?







生徒:house on the sea







私:すごいね、英語できるようになってきたねぇ。







生徒:(笑顔) Grandpa live in a house on the sea







私:そうそう、いいよ。そうしたら、1人ってaloneって言うから、どこに入れる?







生徒:Grandpa live alone in a house on the sea.







私:すごいね、良くaloneがliveの後にくるって分かったね。











私:よし、次の部分だ。「おばあさんが三年前に亡くなった」だね。







生徒:三年前ってなんていうの?







私:三年は?







生徒:three years







私:そうだね、そこに前ってつけるんだ







生徒:before?







私:それでもいいけど、今回はagoを使おう。three years ago







生徒:亡くなるってなんていうの?







私:よし、辞書を使ってみよう。



(いつも単語を教えてあげるのではなく、10回に1回程度は生徒たちに辞書を使わせています。そうすれば、何か困ったときは辞書を使う、という習慣がつくからです。)







生徒:dieって書いてる。







私:dieだと死ぬっていう意味になって「亡くなる」ほど丁寧じゃないから他にない?







生徒:passがある。







私:そうしたら、pass awayを使おう。これなら丁寧な表現だからね。







生徒:Grandma pass away three years ago.







私:いいねぇ、それで、「なぜなら」をつけよう







生徒:Because grandma pass away three years ago







私:オッケー。すばらしい。よくできました。よく一年間もかからずにここまで書けるようになったね。



そうしたら、次だ。



















というわけで、一つの文章を作るのに非常に時間がかかりますが







これを繰り返しやっていると、生徒もコツがつかめてきて







自分で勝手に辞書を引いて、この文章であっているかどうかの確認だけに来るようになります。







ちなみに、今回の会話では、時制や三人称単数についてチェックしませんでした。







単語でせいいっぱいなところ、時制や三人称などにかまう余裕もないだろう、というのが一番の理由です。







文章もbecauseで始めるべきではないのですが、今回は特に何も言いませんでした。







このように、細かいところに注意しすぎて、大きな視点を見失わないようにするべきだと思います。







大きな視点とは、生徒が自ら好んで文章を書こう、という気持ちになっているかどうかです。







それさえ確立してしまえば、あとは生徒が勝手に成長してくれます。











そんなわけで、今日は生徒との会話を載せてみました。







宿題を手伝うときに注意するべきことは







親がすべてをやってしまうこと。







子どもに失敗をさせないこと。





挑戦をさせないことです。







子どもの可能性を信じて、なるべく手をかさないで宿題をさせてみてください。







最初は大変かと思いますが、それが当たり前になれば、子どももなるべく親に頼らずに宿題をするようになります。











参考にしてみてください。