Q&A集 | みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

みとのや先生日誌:元帰国生だから言える事

アメリカオレゴン州、ワシントン州にある学習塾巣鴨アドバンススクール(www.sugamoadvance.com)で日々子供達と奮闘中です。

こんにちは

ここのところ曇りが続いているポートランドですね。


最近の問い合わせで

いくつか貴重な質問があったのでそれを皆さんと共有したいと思います。



Q 子どもはまだ低学年なのですが、塾に行かせたほうがいいでしょうか?



A 私は日本での塾にいたときは、このような質問を受けたときに、決まって

「低学年であれば、家での指導で十分です。Kumo○さんでも通信教育でもそれで十分なので
高学年になってから来てください」とはっきりと述べていました。

だからこそ、上司には「また低学年の生徒を逃したのか?」と何度叱られたことか(笑)



しかし、アメリカにきて事情の違いを認識するようになりました。

低学年であればあるほど、英語の吸収力は早いのですが

そのぶん、日本語を忘れる速度も速い。

それはなぜかというと、触れている日本語の世界があまりにも小さいからです。

限られた中でのトピックに陥りがちな家庭内での日本語が多く

「ギラギラした太陽の下、頭がグラグラするとき」ってあった?

などという会話をする機会は、国語の授業以外では、なかなかないのではないでしょうか?(笑)


どうしても

「宿題終わったの?」

「はやくしなさい」

「まだやってないの!?」

という一方的な発言が、会話の大部分をしめるなんてことはないでしょうか?



こちらで育っているお子さんは、学習言語に触れる機会が少ないために

日本にいる子と比べると、その差が、年齢を重ねれば重ねるほど、自然と開いていきます。

家庭内では、全くいつもと変わりない会話をしており、家族の人とはツーカーのコミュニケーションがとれるので、そこに気づけるのは、ずいぶん時間がたってからです。

そのために、低学年だから塾は必要ないという日本では当たり前の公式がアメリカでは違ってくるのかなと思います。



Q 来年の夏には帰国なのですが、いつごろから塾へ通えばいいでしょうか?


まず、このような質問を塾にすること自体が間違っています(笑)

塾側としては、すぐにでも来ないといけませんよ、と伝えるに決まってます。

このような質問を日本に帰国後もしていたら、塾の餌食になってしまうので気をつけてください(笑)


ただ、一つ言えるのは

もし帰国の時期がはっきりしているのであれば

レベル確認だけでもしておいて損はありません。

その上で、学年相応レベルであれば、それなりに安心ですし、塾も必須ではなくなりますが

今までの私の印象としては、日本から来たばかりの子は除いて

大抵のお子さんは学年相応レベルに達していません。


とあるお子さんは、現地校では本当に優秀な子なのですが

語彙力が相応学年よりも、3学年ほど下のために

急ピッチで、そのギャップを埋める必要がありました。

語彙力が無いと、普通の教科書でさえ読むのが大変になってしまい

日本に帰国すれば、語彙力がない状況で、学校の宿題(年齢相応レベル)などをやろうとすると、大変苦労しなければならず、最悪の場合、読書嫌い、日本語嫌いになってしまいかねません。

ですので

帰国時期が決まっているのであれば、すぐにでもレベルの確認をして

その上で、塾に来れば、このレベルまでならこの期間で追いつけますよ、ということを話しています。



というわけで

最近は塾生のお母様方のおかげで

問い合わせが増えてきています。

本当にありがとうございます。


「生徒が増えてきたから、今までの丁寧さがなくなった」などと言われないよう

今まで以上に、生徒を意識して、大事にしていきたいと思います。