教育とは、先生と生徒との綱引きである、とは先輩の言葉でした。
まだこの教育業界に入りたての頃
私は生徒に負けていました。
負けているというのは
決して体力とか知識とかではなく
生徒に振り回されていました。
「勉強したくない。もう嫌だ。」
そんなことをいわれるたびに、影響され
彼はこういう環境で育ったから、こうなんだ。
親が悪いんだ。家庭環境が悪いんだ。
今まで全然勉強してこなかったから、今更、自分が何をしてあげても無理だ、と思っていました。
いや、本当は、自分の教師としての無力さを認めたくなくて
そういう外的要因に責任転嫁していたのでしょう。
そんな時、先輩に言われたのは
「生徒との綱引きで負けていたら、教育などできない。」ということでした。
うまく教育できないのを生徒のせいにしている。
それは、生徒に綱引きで負けているのだ、と。
先生が生徒にひっぱられている。
だから、生徒は成長しない。
教育というのは、“絶対にこの子を成長させる、という信念・覚悟・責任感がないかぎり生徒はこちらのことを振り向いてくれない”と。
その日からというもの、私は綱引きをイメージしながら日々を業務にあたっています。
こちらがどれだけ“この子を大事にする、成長してもらいたい”という信念をもっていられるか。
どれだけやる気がなかろうが
どれだけ学年相当レベルから離れていようが
どれだけ教科に対して苦手意識をもっていようが
全てはこちらの生徒を想う心・信念次第でどうにでもなっていくのだ、という心。
この覚悟と責任感が先生には必要なのです。
もちろん、まだまだ私たちも未熟者ですので
綱引きで負けて反省する日々も多々あります。
しかし、それは次への飛躍のチャンスと捉えて、日々の業務にあたっています。
お母様も、この日々の綱引きで負けないでください。
「絶対にこの子を大事にし、幸せな人生を歩んでもらう」
それを忘れて
漢字指導において文句をいったり(笑)
テストの点数で一喜一憂したり(笑)
時にはお子さんの不出来をお父さんの責任にしたり(笑)
していると
完全に綱引きで負けている証拠です。
日々の綱引きで、負けないよう、お互いお子さんのためにがんばっていきましょう。